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#4:幼馴染

4話目です。新キャラ登場です!

「ここが俺たちが通う学園かぁ」

「そうですね、先に中に入りませんか?」

「ああ、そうしようぜ」


 えっとクラス分けの紙は何処に貼ってあるのかなぁっと。あれ、そういえば生徒証に全て書かれているんだっけ。俺が生徒証を見るとA組と書かれていた。そういえばエリスはどうなんだろうか。


「エリスは何組だった?」

「わ、私ですか。えーっと同じ寮の人は同じ組になるんじゃなかったでしたっけ?私はAクラスってことは智樹君もAクラスですか?」

「おう、おれもAクラスだ」


 俺は心の中でガッツポーズをしながら、エリスにそう言った。俺の心の声だけはエリスに聞かれてはいけない。これ聞かれたら全力で引かれてしまう気がする。気のせいであるといいんだけど。


 俺たちがAクラスに入ると半分ぐらいの生徒はすでにいて、その生徒たちがチラッとコチラを見てくる。というかすげえデジタル式だ。一応座学もあるらしいけど、実技メインだから他はどうなんだろうと思っていたけど、これは凄いな。


「あの娘、可愛くね?」

「ああ、まじでやばいな」


 一部男子生徒がエリスを見て可愛いとか言っている声が聞こえる。こないだ決闘した後にルーナさんにちょっとした有名人って言われて少し舞い上がってはいたんだけど、どうやら新入生にはあまり知れ渡っていないらしい。


「智樹君、こっちに座席表が見れるみたいです」

「本当か?」


 俺はえーっと……エリスの隣か。窓際が良かったけど、まぁ細かいことは気にしない。


「隣ですね、知らない人が隣だと心細かったので良かったです」


 そう言うエリスの笑顔マジで可愛い。席に着いてからもエリスと話してた。エリスと話していたからなのか、誰も話しかけてくる様子はない。しばらくエリスと話していると俺の後ろに荷物を置く音がした。俺はエリスのいる方――左側を向いているので俺の右側の席ということになる。一応挨拶したほうがいいかな。そう思って振り向いた。目の前には茶髪のショートカットの女子がいた。向こうと目が合ったんだが。


「あれ、智君⁉」

「しーちゃん⁉」

「すごい偶然だね」

「俺も驚いたわ」


 びっくりした。まさかここでコイツと会うことになるなんてね。そう思っていると後ろから肩を叩かれた。


「お知合いですか?」

「ああ、こいつはしーちゃん……じゃなくて園田 雫。俺の幼馴染なんだ。んで、こっちはエリス=フリッツ。この学園に来た時に出来た最初の友達でルームメイトだ」

「へぇ……ってルームメイト⁉」


 しーちゃんが突然大声を出した。エリスとクラスメイトだって知って凄い驚いている。俺も驚いたけど、どちらかと言ったら喜びの方が大きかったからなぁ。


「はい、そうですよ?」

「ええ⁉どういうこと智君?」

「うーん、たまたまなんじゃないか?」


 するとしーちゃんが呆れたような目で俺のことを見てきた。


「たまたまで異性と同じ部屋になるわけないでしょ。智君、登録はちゃんと自分でやった?」

「馬鹿にすんなよ。自分でちゃんとやったぞ」

「あれ、違うのか……てっきり智君がやり方が分からなくて、エリスさんが2人分纏めて生徒証の登録したのかと思ったけど」

「一緒に登録すると部屋同じになるのか?」

「そうだよ、パンフレットに乗ってるの見てなかったの?」


 あれ、いやな予感がする。あの時俺は確か2人って押したよな。エリスの分まで纏めて受付したことになったってことか。


「あ、私の分智樹君に登録してもらったので……それが原因かもしれません」

「ああ、なるほど。逆だったのかぁ。それでエリスさんはどうするつもり?もしよかったらあたしが変わってあげようか?」


 え、しーちゃんと一緒の部屋。うん、悪くはない。悪くはないんだけど、どちらかと言うならばエリスと一緒にいたい気がする。


「いえ、私は智樹君とがいいです。もう一緒に泊ってますし、あまり気にしてません。智樹君と一緒にいると楽しいですからね」

「そういえば、貴方たちはどこの寮に住んでるの?」


 しーちゃんに生徒証を見せた。すると、彼女は驚いた表情でこちらを見てきた。


「これってあたしの隣の部屋じゃない」

 隣って……こないだ隣の部屋に挨拶に行ったときにいなかった方の部屋。偶然って本当におそろしいな。


「そうだ、折角だから今夜そっちに泊りに行っていいかな?」

「本当ですか?でもルームメイトの方に言わなくていいんですか?」

「ああ、後で言っとくから大丈夫だよ!ちなみに中等部の三年生で、すっごい仲のいい子だから大丈夫だよ」


 へぇ、仲のいい子かぁ。あれ、中等部の三年生で仲のいい子。なんかその言い方微妙に引っかかるな。


「あれ?しーちゃんは中等部から上がって来たのか?」

「その通り、だからあの時引っ越したのよ」


 なるほど。中学校は別の学校に行くって急に知らされたもんなぁ。


「……告白しようとした前日だったのにね」

「何か言ったか?」

「な、なんでもないよ」


 しーちゃんがぼそぼそ何か言った気がするんだけど、気のせいかな。


「席に着いてください。HRを始めますよ」


 一人の男の人が入ってきて、そう言った。白髪のかなりのイケメンでクラスの女子がひそひそと噂をしている。


「それではまず私から自己紹介させていただきます。私はルシアンと言います。ルシアン先生と気軽に呼んでください」


 あの教師、言葉だけで女子生徒を魅了してやがる。さっきから先生を称えるような声が凄いするんだよ。まあエリスはよく分かっていない感じだったし、しーちゃんも他の女子生徒みたいなことは言ってなかったから良かったわ。俺の友達と幼馴染に手を出したら許さん!って怒鳴ってやるところだった。危ない危ない。


「さて、そろそろ第1ホールに向かいましょうか。第一ホールは特別棟の一階にあります。案内するので私に着いてきてください」


 そう言うとクラスメイト達がぞろぞろと先生の後に着いていった。まぁ俺たちは最後でいいか。俺たちが廊下に出たのを確認して、先生は廊下を歩き出した。


 俺は少し周りを見ながら歩いていた。


「この学園、あらためて思うけど滅茶苦茶広いよな」

「そうですね、今日はちゃんとここまで来れましたけど、迷っちゃいそうです」

「智君ならやりかねないよね」

「そうか?」


 失礼な奴め。教室棟を出て、少し歩いた所に特別棟があった。この特別棟にはホールのほか体育館や心装をメンテナンスできる場所もあるらしい。


「すっげぇでけえなここ」

「そうですね」

「まぁあたしも始めてきたときは凄い驚いたからね……もう慣れたけど」


 時間が経てば慣れるとは言うけどさ、下手なコンサート会場よりも全然大きいと思うぞ、このホール。しかもホール1って言ってたから他にもあるのだろう。俺たちは2階から入場したんだけど、3階や4階もあるのか。中央のステージに先生が立って話すのかな。


「でもここからじゃよく見えなくないか?」

「大丈夫だよ、先生の立つ後ろに大きなホログラムがあるから」

「どんだけお金使ってるんだよ、この学園は」


 というかここ何人ぐらい入るのだろうか。今年の在籍人数って何人なんだろうか。あとで調べてみよう。先生は俺たちを案内した後、一階に行ってしまったため戻ってくることはないだろう。ここには生徒しかいないわけで、みんなそれぞれが話したいことを話し始めていた。しばらく経つと舞台の上に1人のおじさんが現れた。何処から現れたんだろうか。


「これよりイシュカの入学式および始業式を始めます」

「まず始めに校長……」


 あれ、なんだろう。声が遠くなっていく。


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