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#3:ルームメイトは!?

2人の寮の相手は、一体誰になるのか。


「あ、あなたは先程の!」


 エリスがそう言った。確かにこの人、さっき俺たちが迷った時に案内してくれた人だ。


「ああ、自己紹介がまだだったわね。私の名前はルーナ=サージェントよ。ルーナって呼んでね。それで……生徒証は貰えたのかな?」

「はい、貰いました」

「そう、じゃあフレンド登録しない?」

「いいんですか?」

「ええ、友達って呼べる友達が私にはいないからね」

 

 ルーナさんはそう言うと、ホログラムを起動してエリスとフレンド登録していた。その表情はとても楽しそうなものだった。けれど、少し引っかかるんだよな。友達と呼べる友達がいないって言った時の彼女の表情は微妙に暗かったように思えた。けど、出会って早々聞きにくいし気のせいってこともありえる。だからまぁ気にしなくていいかな。


「ほら、君も」


 ルーナさんは俺にもフレンド登録を進めてきた。エリスに続いて2人目の登録者も美少女だ。そのことに嬉しさを感じている。


「じゃあこれからよろしく、智樹君」

「あれ?……俺名前言いましたっけ?」


 ルーナさんは一瞬首を傾げたが、俺が何のことを言っているのかが分かったのか、納得したような表情を見せた。


「エリスちゃんにさんざん君のこと言われたからね。それに登録の時にも名前出てくるし……何よりさっきの決闘でそこそこ名は知れていると思うよ?これだけ要素があれば知っててもおかしくはないでしょ?」


 俺はチラッとエリスの方を見た。ルーナさんにエリスは何を言ったのだろうか。彼女のことだから悪口は言わないだろうけど、若干天然っぽい気がするんだよな。秘密なことをうっかり話しちゃうタイプ。秘密は特にないんだけど、言われて恥ずかしいことなんてないよな。


「さてと……そろそろ荷物をおいてきた方がいいんじゃない?今度私ともあそびましょう」

「そうですね、寮の人たちに挨拶をしないといけないですし」


 荷物を置いたり寮の人に挨拶したりとしなければならないことは沢山ある。


「それもそうだな、じゃあ先輩俺たち先に行きます」

「じゃあ私も、失礼します」

「ええ、気を付けてね」


 俺とエリスはルーナさんと別れた。自分の寮に向かっていた時あることに気づいた。そういえばエリスの寮を聞いていなかったな。


「そういえばエリスの寮はどこにあるんだ?」

「えーっと、もう少し先みたいですね」


 エリスはホログラムを見ながらそう言った。もう少し先か。少し歩くと俺が今日から住む寮に着いた。


「じゃあ、俺の寮に着いたから」

「あの……私もここなんですけど」


 よっしゃ、エリスと同じ寮だったのか。それはめちゃくちゃ嬉しいな。気軽に遊びに行ける距離だしな。


「と、とりあえず中に入りませんか?」

「そ、そうだね」


 興奮した気分を何とか抑えつつ、そう返事した。


「ここが寮ですか。結構広いところなんですね」

「そうだな、設備も綺麗だな」


 エリスもと言いたかったが俺にそこまで言える度胸は残念ながら持ち合わせてはいない。


「おっ、見ない顔だねぇ。新入生かい?」

「はい、今日からこちらの寮でお世話になることになっているのですが」

「おっ、そうかい。それじゃあ2人とも生徒証をここにタッチしておくれ」


 機械は二台あったので俺たちはほぼ同じタイミングでタップをした。すると受付のおばさんがこちらを見面白いものを見つけたように見た。


「どうかしたんですか?」

 

 エリスもその視線に気づいたのか、聞いていた。


「なんでもないよ、それより君たちの部屋は305よ」


 手続きは終わったらしい。俺の部屋は305なのか。うん、ちょっと待てよ。


「君たちってだれのことだ?」

「決まってるじゃないか、君たち2人だよ。まぁまぁ、仲良くやりなさい。あまり羽目を外しすぎないようにね」

「え、エリス?」


 俺は恐る恐るエリスの方を向いた。


「ということは、智樹君と同じ部屋なんですね!早速部屋に向かいましょうか」

「わ、分かった」


 怒らないだと。俺と同じ部屋で嫌じゃないのだろうか。そもそも俺のことを男として全く意識していない可能性もあるんだけどな。それはそれで悲しいんだけど、今は彼女と同じ部屋になれたという喜びに浸るべきだろう。


 エレベーターに乗って1個上の階に着いたそこから右に向かったところに203号室はあった。


「やっと荷物が置ける」

「ずっと荷物持ってましたからね 」

「あ、エリス決闘のときはゴメン。持たせちゃって」


 そういえば荷物を持たせてしまっていたな。


「ううん、気にしなくていいよ。智樹君のカッコいいとこ見られたからね」


 エリスはその事を気にしていないのか。でもカッコいいところなんて見せた記憶ないんだけどな。むしろその逆だったと思うんだけど。


「負けちゃったのにか?」

「相手が強かっただけです。それでも立ち向かった智樹君は格好良かったですよ」


 エリスはそう言うと若干顔を赤らめながらもそう言ってくれた。若干恥じらっているその姿がまた可愛らしい。


「そうだお隣さんに挨拶に行きませんか?」

「いいんじゃないか?じゃあ俺左の部屋行ってくるわ」

「2人で行った方がいいと思うんですけど」

「そういうものか?」

「はい、一応手土産も用意してあるので渡しに行きましょう」


 エリスと一緒に部屋を出た。左隣の部屋204号室にはカップルと思わしき生徒がいた。男子生徒の方がエリスに見惚れているところを女子生徒が思いっきり足を踏んでいた。あれ、凄く痛そうだったなぁ。右隣の部屋は留守で誰もいなかったので、今度行くことにした。


 次の日、俺たちは何処にも出ることはなかった。この水上学園都市があるイシュカはここの他にも一般エリアというものが存在しており、ショッピング施設などがたくさん存在している。それを見に行こうかなと思ったのだが、エリスが折角ならば俺ともっと話してみたいと言ったので、話すことにした。趣味の話とか、色々とね。それからエリスが心装の使い方について聞いてきたので教えた。普通新入生ってまだ心装の使い方習わないからね。俺は昔いろいろとあって使ったことがある。それでも学園に入るまでの緊急時以外の使用は禁止されていたから、少ししか心装のことは分かっていない。


「そうですね、私の心装も剣なんです。お揃いですね!」

「お、おう。そうだな」


 お揃いと言われて恥ずかしさから俺は目を逸らした。エリスもこの意味に気づいたのか顔が真っ赤になっていたのだが。恥ずかしいのなら言わないでほしい。いや、エリスのこの顔を見られるのであればいいのか。俺は欲望と罪悪感の2つに惑わされていた。


 エリスと話していると時が過ぎるのは直ぐで気づけば夜になっていた。食堂に行き、風呂に入って、そのまま俺たちはそれぞれの部屋で寝た。明日の入学式に向けて。


「起きてください。智樹君」

「う、うーん」


 何だろう。清楚で美しい、けれど可愛さも兼ね備えた声が俺に響いてくる。目を少し開けると水色の髪の可愛らしい女の子が目に入った。


「……天使だ」

「天使ですか?そんなことより智樹君起きてください!今日は入学式ですよ」

「いっけね、時間は⁉」

「まだ余裕はあります。朝食は私が作ってみました」

「本当に⁉」


 俺はベットから起きると、直ぐにリビングに向かった。そこにはご飯と目玉焼きにベーコンを焼いたものなどが準備してあった。「美味しくできたかは分からない」と言っていたのだが、滅茶苦茶美味しかった。




「よし、準備できた」

「それじゃあ行きましょうか」


 俺たちは寮を出て学園に向かった。


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