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粉雪に紛れ現れるもの 6
「・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・ぅぅ・・・。」
俺はかなり息苦しい。おかしいな、ここは文学を学ぶ場所だったはずだ。しかし––––。
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
・・・おかしい。なんでこの女は隣に座っているんだ?
「・・・なあ。」
「図書館では静かにするものですよ?」
「・・・そう、だな。」
苦しい! この子本当に冷気半端ないぐらいはなっていないか!? ほら正面で読んでる少年だって・・・・・・。
「・・・・・・そうか、その手があったか・・・。」
あー、こいつ普通に周り見えていないわ。よくそんな分厚い本読めるな。何処かの国で書かれた分厚い本を食い入るように読んでいる彼に救いを求めるのは間違いだろうな。
・・・にしても、と俺は隣を盗み見るように見た。容姿はよく、学力もかなりあり、スポーツとつくものなら何でもこなせる同僚が未だ、彼氏一人いないのにすごく不思議に思う。何より高校の頃からの付き合いな俺にとってさらに不思議なのは––––
––––なぜ、彼女と付き合えた男は皆、三日以内に自分から別れてしまうのだろうか?