新たな任務
長く待たせてしまった割には、内容の薄い、グダグダしてしまった回です。
次話は可能な限り早く出す予定なので、それまでの繋ぎとしてみてもらえれば幸いです。
「先輩、復帰後初めての仕事は私と一緒じゃないと聞きました・・・」
「そ、そうなのですか・・・エルトリーゼさん」
私の隣で落胆している、エルトリーゼを横目に私は心臓がバクバクと脈を打っているようだ。
「あの、エルトリーゼさん、前々から言おうと思っていたことなのだけれど・・・」
「はい、何でしょう?」
「私の失態の事、姫様には絶対に黙ってください!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「それは大丈夫ですよー、憧れの先輩にそこまで言われたら、いえ、言われなくても言いませんよー」
ニコニコとエルは笑っている。
「本当にっ!ありがとう!」
「いや~、この程度のことで頭を下げないでくださいよ~」
頭は下げたままなので、エルの表情は見えないが、声が高い、喜んでいる様子だった、満更悪い気もないのだろう。
「それはいいのですけど、何でそんなに仕事の失敗を隠そうとするんです?」
「耳に入ろうものなら気を失います、今まで話が姫様の耳に入ってこなかったのは皆さんがそう考えて口を閉じているからでしょうね」
「そのようなものなんですかね、いいたいことはわかりますけどね、あの姫様はそんなに精神は弱くないかと・・・」
「そのようなことは無いと思いますが、心優しい姫様です、私が剣の稽古の途中に血を見ただけで大慌てしてるほどです」
「いやぁ、怪我と失態では違うものと思いますけどね、あの姫様猫かb・・・」
エルの表情が変わった、瞳は一点を見つめたまま動かない。
「どうしました?」
エルの見ている方向を見てみたが何も無い、ただただ見慣れた光景しかなかった。
「いえ、何もありませんよ、そうですね、しられるのはヤバイと私も思います」
声色を変え、エルは私の意見に肯定した。
どうかしたの?そう問いかけたけれども、エルは違いますと言っているだけだった。
「フィリアさん、次の任務、決まったのですか?」
「はい、最近城からそう遠くない地域で活動している盗賊団については知っていますよね」
「ええ、街道に現れては旅人や商人の交易品や荷物を殺人をしてでも奪い取る残虐非道な集団・・・兵士やメイドからよく聞きました」
「私一人で動向を探り、可能ならば盗賊団を捕縛・・・長期間城から離れることになりますけどエルトリーゼさんがいますから私がいなくても大丈夫でしょう」
「私の事は大丈夫です、でも、一人でそのような危険な任務を・・・」
「危なくなれば城に戻ります・・・戦うことが任務ではありませんから、引き際を誤るつもりはありません」
「本当に気をつけてくださいね、あなたには前科ありますから」
そう言って、姫様は少し微笑んだ。
「もちろんです、からかわないでください」
「出発は何時なのです?」
「明後日です、それまでは調練に出なくてもよいとのことなので城内で羽を伸ばすつもりです」
「ゆっくり休んでくださいね、また任務に失敗すれば今度こそクビかもしれませんから」
姫様の悪気の無い言葉が胸に刺さった。
~キャラ紹介~
エルトリーゼ 17歳 女
シンシア姫の近衛騎士。
性格
・軽く浮ついている
・仲間思い
服装
・ラフな格好が多い
・暖色系の色の服を着る事が多い
・城にいるときはもちろん騎士の制服や鎧を着る
武器
・セイバー(直刀)
全長70cm 重量1.4kg
自分よりも年下なのに騎士(それもシンシア姫を警護する事を主とする近衛騎士)となったフィリアに憧れを抱いている
言動は軽いが行動は慎重
近衛騎士となる前は普通の兵士として仕事に従事していた