大きな書庫と探し物
「フィリアさん、失礼します」
扉をコンコンと叩き人が二人、入ってきた。
二人とも手に花を持っている。
「お姫様がいたのですか、これは失礼」
女性の方が頭を下げる、続いて男性の方も。
「はじめまして、フィリアさんのお知り合いで?」
「はい、二人はあの時私を助けてくれた…」
「私はアイカ、こっちはセイルって名前で」
「僕たちはフィリアさんのお見舞いに来たのですが…また時を改めます」
「私の方がお邪魔のようでフィリアさんがそうならば私が出て行きます」
「みんないてくれても構いませんよ」
と、なんだか返答に困ったので微妙に言葉になっていないような文を言ってしまった。
「いやぁ、ちょっとフィリアに話したい事だったんだが・・・」
「どうしたんですか」
「いや、動けるならちょっとここの図書館みたいなとこに連れて行く予定なんだが」
「行けるのなら行かれた方がよろしいのでは?私達は構いません」
姫様が言う。
ニコッと笑って言ってくれたのが嬉しかった。
「すみません」
そういって二人の後をついていった。
「あのですね、あの時の敵覚えてますよね」
忘れるわけが無い、あの時の強すぎた敵。
命からがら倒せたけど…
「あれから少し調べてみたんですけどね、古い書物に魔物の仲間みたいなことを書いていたんですがそれ以外のことがまったく分からなくてですね・・・」
「それ以上の事を探すためにここまで来た、一国の要の城の大図書館になら絶対あるはずだと目星をつけたまでは良かったんだが、問題は城に入る術でね、悪いとは思ったんだがお見舞いを隠れ蓑にしたよ」
「いえ、そのためなら構いませんしお手伝いもさせてください」
素直に言った、私の気持ちだ。
「それじゃ、長丁場になるかもしんねーが頼むよ」
「はい」
「まぁしょうがないさ、私たちも見た事ないし、目撃例も少ないっぽいしさ」
結果だけで言うと、何も無かった。
彼女たちの言う魔物の類と言う記述すら見ることは無かった。
「出来ればまた来たい所だけど、またしばらく仕事があるから」
「付き合ってくれてありがとう、時間が取れたらまた来るよ」
そう言って私たちは別れた。
今回も読んでくださりありがとうございます。
最初の頃みたいにどんどん話を進めたいと思いつつも、こういう断章的な短いお話も大切なんだなぁといろいろなお話を読んでみたら思いました。
ただやっぱりかっこいい戦闘シーンとか、筆者すら赤面な恋愛シーンとかも書いてみたいなぁとおもいつつ。
ただ、とにかくいろいろやるには少しずつでも話を固めて進めないといけないわけで。
しばらく数ヵ月分のストックができるほどまで書き込みたいな・・・