恐ろしさ
初めての方、はじめまして。
前話をお読みになってくれた方、ご愛読ありがとうございます。
更新を実質一ヶ月以上放置してしまったので、今回は特に頑張ってみたつもりです。
それでは続きをどうぞ。
「とりあえず事件のおこった現場巡りでもするか」
「はい、どこに行くかは任せます」
とりあえず町の外、特に商人が行き来するらしい街道に行くこととなった。
「そういやあんた、名前聞いてたか?」
「おそらく言ってないかと・・・私は近衛騎士団所属のフィリアと申します」
「死ぬかもしれない任務につかされちまったわけですね…」
青年が不意にボそりとつぶやいた。
「そんなに酷いんですか?」
「ある程度の実力のあるであろう商人の手付きの剣士すら死体になってた、あたしらの仲間も17人死んだよ」
いたたまれない気持ちになる。
「そうですか・・・」
「まぁ、僕たちは死ぬのが仕事みたいなところがありますし、僕もみんなは覚悟は出来てると思います」
街道にはすぐについた。
あのような事件があったと聞いたけれど、人通りは多いように思える。
「ここ以外で城にいく道は無いに等しいからねぇ、びくびくしながら歩いてるんだよ」
女性は私の疑問を感じ取ったのか言ってくれた。
さっさとここを通り抜けようとしているようで、全員がせかせかしていてあたりは重く不可解な空気が漂っている。
「最近はこんな昼間から堂々と殺人しているようで、今も安全ではないんですよ、僕は早く立ち去りたいかなぁ、なんて」
「馬鹿か、あたしらがびびってどうする、たとえ死んでも人を守るんだろ?」
「助けてくれぇぇ!!」
悲鳴が聞こえた、辺りを劈くような声が。
「うわさをすれば…ですか…」
「死にたくなかったら、兵舎に帰れ」
「・・・戦います姐さん」
「とりあえずは時間稼ぎだ、避難と援軍が来るまでの時間稼ぎ、フィリア武器はある?」
「背中のものが見えませんか」
「行きますよ!」
青年の声と共に走り出した。
すでに血溜まりがあった。
その中に一人の男が居る。
服に靴、帽子。
普通に近くに住んでいる人のように見えた。
武器も何も持っていないようなのに?
「あんたがこの辺りで有名な人殺しか?」
・・・ごぅぅああ・・・おおぉぉぉぉ・・・
声と思えないような声が男の口から聞こえた。
「さすが殺人鬼、頭が逝ってるとしか思えないねぇ」
男が私を睨んだ、ターゲットは私らしい。
「!!」
一瞬の間に私の目の前に男が立っていた。
人間とは思えない動きだった。
「ボヤッとすんな、距離を置け!」
いわれたおかげで動けた、転ぶようにして男の背後を取る。
「動かないでください!」
男の背中に切っ先を押し付ける。
「フィリアさん、危ないです!」
「え?」
「さがれ!」
ガイィンと金属の鈍い音がする。
私の体が弾け飛んでいることは分かった。
青年が弓を射るがそれらに臆することも無い。
「こいつっ!」
青年の弓に男が注意している間に女性が身の丈程ある戦斧を振りかぶった。
渾身の一振りなはずだった。
私も戦わないと、その思いに駆られ、剣を持ち直し突撃する。
「はあぁぁぁ!!」
剣を真一文字に振りぬいた…はずだった。
「嘘・・・」
刀身を掴んでいた、手からは血すら流していない。
「早く弓を射れ!」
確実に当たるであろう胸を青年は狙っている。
体が不意にひょいっと浮き上がった。
「なっ!?」
「剣を放せ!」
そんな風に言われたように感じたけれど、何が起こっているのかに思考が行ってしまって、剣を放さなかった。
いっそう高く持ち上げられる。
男の顔がはっきりと見えた。
帽子の影で見えなかった顔がよく見えて・・・・・・
「あぐうぅ!!」
頭がパニックになった。
重い衝撃が肩にかかった。
何がどうしたのかわからない、何よりもまず疑問が浮かんだ。
基本的には主人公のフィリアには痛い目にあっていただこうと思っています。
と言うのも、攻撃され続けて、そのあとでギリギリで何とか根性で敵を倒すのが燃えるので(私ほそんなの好きです)、もしもそのままやられまくったらと妄想も広がりますしね。ただし妄想を文章に出来るかは棚に上げさせてもらいますが。
次回、敵を倒すぞ!