プロローグ
私が3歳くらいのころ。
物心の付いたときくらいに一つ、鮮明に覚えている思い出がある。
国を治めている王様のお妃様の誕生日パレード。
私たちの家族は奇跡的に最前列という特等席で華やかなパレードの様子を眺めていた。
それだけでも、記憶に残る出来事。
でも、更に印象に残る出来事があった。
まだ幼い姫様が私の方を向いて笑みをかけてくれた。
今思えば、それは偶然や単なる思い過ごしだったかも知れない。
でもそれが私にとって大きな出来事だったことに違いはない。
そして私は幼いながらに想いを両親に伝えた。
「騎士になりたい、騎士になって姫様を守りたい」
・・・と。
両親はこころよく了承してくれた。
その日以降、私は騎士になるための鍛錬を続ける日々が始まった。
幼かった頃や、病にかかって武器を持てないときは、母から礼儀作法や言葉遣い、簡単な医学、文学なども学んだ。
大きくなってからは、父からとにかく武器の扱いを覚えた。
剣術に槍術に弓術はもちろん。
戦斧やメイスといった重い武器や、弩やクロスボウなど特殊な物まで、いろいろと叩き込まれた。
長い長い間続けた訓練と、両親のおかげで私は、今、姫様の近衛騎士として、姫様のお側にいることができる。
お読みいただいてありがとうございます。
しばらくの間はグダグダダラダラとなっていますので注意して下さい。