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参、もみじと神社

―――かき分けても、かき分けても、雑草や枝が視界を遮る。


この道という道もない場所を進み続けて、かれこれ何分たったのだろうか。


「何で私、こんな村で電車降りちゃったかな…」


雨水と共に、そんな後悔が心に滲んだ。


タメ息混じりに俯けば、足元の紅葉はまだ先へと続いている。差ほど気にはならなかったのだが…



天候は小雨となり、少しの風が吹き始める。


やがて詩帆の足は、最後まで続いていた紅葉の上でぴたりと止まった。


見上げれば、古ぼけた大木がこちらを見下げていた。


風に揺られ、雨に濡れ、今にも枯れそうなその樹の葉の色は紅。



まるで人の手のような形をした葉は、紅一色に染まっていた。


次に詩帆は、この樹が紅葉(もみじ)のレッドカーペッドで自分を招待していた、張本人だったことを知る。


紅い樹の美しさに、詩帆は雨宿りすることを忘れ、呆然と立ち尽くした。


…が、ハッともう一つの事に気づく。



樹の裏に、ぽつんと存在していた、小さな鳥居。



背丈は樹より低く、しかし樹と同じ美しい色をしていた。


所々サビたり、色が剥げているのだが、その独特の雰囲気に、身体が自然と引き寄せられていた…。





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