(09-02)深森の廃村(船調査)
(09-02)深森の廃村(船調査)
陽光が穏やかに感じられる今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか、それにしても雪が解けねえ。秋麦が心配ではありますが、ガンさん達は子育て放ったらかして、廃坑ゲレンデで日々鍛錬に励んでいます(自称)。まあ、傍目には遊んでいるだけですけど。雪崩には注意せよと勧告しておきました。辺境村村娘です。こんにちは。
1. 残骸調査
船台に船をおいて、傾かないように支えをつけます。何しろ右半分が大海蛇とやらに壊されて、そりゃもうボロボロ。主柱も甲板から上が折られています。良く無事だったな。ヘビ状の生き物だとすると、巻き付かれて船体が真っ二つってのが普通だと思うのですがね、縦半分というのがよく分かりません。想像でしかありませんが、背びれ辺りで切断されましたかね。それでも船尾の方は、舵とか船尾楼が残っていて、船が助かった理由でもあります。結構丈夫にかつ精緻に作られていて、水漏れも見当たりませんでした。さすが船長室に利用されるだけのことはあります。船首の左甲板下に設けられた牢屋みたいな所がありまして、そこも結構水密性が高く、楼と2つでなんとか水没を避けられていたようです。
さてさて、そうは言っても船のことなんぞ、さっぱりですからね、どこから手を付けていいやら。とりあえず、なんとか残っていた竜骨と構造材を除いて、お掃除しましょ。
助かったー。いえね『腕だー』『足だー』とかなっていたら、心的障害を負う所でしたよ。結構グロいですからね。でもあちこちに血痕が、洗い落として見なかったことにしよう。
船も横に通してある木を梁って言うのでしょうかね、まあ右側ないですから、当然折れていますけど、残骸から察するに4階層かな、甲板直下の一階は、船首方面を除いて残っていましてそれなりに参考になりそうです。途中には、段差を作って中二階みたいな構造になっている所もあったりして、なかなか複雑にできています。ただ、各階層はやっぱり通しでしてね、穴が開いたらひとたまりもないですね、最もこの船は穴どころじゃないですけど。
竜骨の船首にあたる曲線を描いた部分は、海蛇に持っていかれてました、残念。ああいう曲線部分とか嘴みたいな所、あれの取り付け部分とかね、特に難しそうですからね、残っていて欲しかった。まあ、後ろが残っているんで良しとしますか。舵輪はどこだと思ったんですけど、舵輪じゃなさそう。なんとなくですけど、ただの棒。倍力装置位は…どこにもねえ。舵取りって力技だったのかしらねえ、このでかいのを?うっそーん。それで当然の如くに予備の帆とか、綱とか、錨と巻き上げ用の綱。全部すっからかん。
竜骨から出ている最下層の床板。肋骨みたいな板ですけど、名前?存じません。これらを全部はずして、竜骨だけにしてみました。途中でしっかり撮影していますので、再現は可能です。作ってあってよかったよ。流石は竜骨でありまして、高圧水流で洗浄したら回復いらずで元通り。アド君に聞いて、同じような木を探して、先端部分をそれっぽく再現してみました。嘴の部分は、やっぱり難しかったです。曲がり具合とかね、取り付けとかね、何度やり直したことか。肋骨板も同様に造り付けました。曲がりの部分は、蒸気で蒸しながら左右対称になるように残った構造材を元に新造。曲げ加工用の治具から作らないといけませんでしたけど。骨だけですけど、なんとなく船に見えるようになりました。一応乾燥する油である魔麻油を擦り込んでおきましょう。
2. ちょっと気になる事
ハンニバルさんだったかな、あるいはちょび髭伍長さんとか。山だの、森だのを越えて相手国に奇襲を仕掛けた人。いや、別に誰かと争いになる予定は全く無いんですけどね、山越えとか、あるいは山にトンネル掘って、こっそり近づくとか、企んでいる人がいたら、どこからどうやって来るかなーって考えていたら、ハンジョさんが持っている隠形の外套があれば、魔獣がいる死の森もあっさり通れるよなあとなりまして、なら山から来てもおかしくないよねって事になり、だんだん気になってきて、気になり始めると止まらなくなって、じゃあ解決しましょうとなりました。
「エッちゃん、ちょっと遠出に付き合ってぇー」
「いいけど、どこへ行くの?」
「温泉山のさらに西側にある、人跡未踏の山岳地帯」
「何しに行くの?」
「うーんとね、目的ってのは実はないのだ。なんとなく気になることができて、それが解決するかな?って程度」
「それで、何日くらい」
「北の山から西の山岳だから、往復で10日位じゃないかな」
「わかった~。久しぶりに長期のお出かけだね~」
「いやいや、魔導国とか結構行っているじゃん」
「道がある所はね」
「なるほど。道は…あるわけ無いね。岩だらけだよね、たぶん」
「でしょ、そういう所って面白いんだよね~」
「「ちょっと、お出かけしてくるね」」
「「「「ちょっと?人跡未踏地帯へ?お散歩?」」」」
エッちゃんもなかなかでしょ?ということで、ここへ来て以来のお出かけです。
「何を探しに行くの?」
「うん、ほら精霊真教があるじゃん。精霊会話盤で自分たちのやっている事がバレたらどうするかなって思ったの」
「ほうほう、襲撃?」
「うん、襲ってくるとするでしょ、まともに正面から来るわけ無いでしょ。どこから来るかなって考えたら、山から森を通って来るのが楽だよねってなったの」
「えっ?魔獣がいるよ。大丈夫かな」
「ほら、ハンジョさんの外套があるじゃん」
「あっ!あれが沢山あればいいのか、魔獣もよってこないよね」
「しかも、真教騎士団だったら、魔力量もそれなりだろうしね」
「そうだね、山かあ~、まさか隧道を作るとか?」
「うん、何千年もあれば、それくらい手でも掘れるでしょ、魔法が使えれば、もっと早くできるでしょうしね」
「精霊魔法は本家だね、一応」
「そういう事だね」
「なるほど。わかった。お姉さん達を不安にする必要はないね」
「そうそう。ということで付き合ってちょーだいな」
「は~い」
3. 谷の底
温泉山から北に行くと山岳地帯となります。誰がどう決めるでもなく、今の所それ以上は進めないわけで、自然と国境扱いになっています。それにしても帝国は、三の村まで良くぞ開拓したもんだ。相当な数の魔獣が住んでいただろうにね、やるな帝国。さて、山岳地帯の入り口に来たのですが、なんと温泉山の北側には、狭いながらも結構な平地がありました。実際は、温泉山と山岳山に囲まれた、ただの谷底なんですけど。平地と言っても凸凹していますし、岩だらけなんで、機械化部隊は無理そうですが、歩兵軍隊くらいなら通れますよここ。ご飯?拡張鞄があれば大丈夫。
「ここ結構な幅があるねえ、なぜか魔獣がいないし」
「本当だね、魔力を出していないのに近づいてこないね、本当にいないね」
「「不思議だね~」」
川になった形跡もありません。谷底なら雨が降れば一気に鉄砲水になって流れる気がするのですけど、まるで無し。そう言えば、雪も無いな。少し暖かさも感じる気がする。
「空気がさ、暖かく無い?毒の空気というわけでもないしなあー。なんだろ、ここ」
「ねえ~、可笑しな所だね」
とりあえず、あるのは岩ばっか。風光明媚と言うわけでもなく、岩ばっか。水もないから、普通の人が来るのは無理ですね。その不思議な谷底も行き止まりになり、まさかと思ったトンネルもありませんで、ただその行き止まりは、急とは言え坂になっていて、それに従ってしかたがなく岩山側へ上がると、平地に出ました。そこがまあ、花畑。えっ花?今確か冬だよねえ、花?一応写真に撮って、今日は此処まで。とりあえず婆ちゃんに一報。
当然ながら、途中では常にエル君が頑張って資源探査をしてくれていまして、今いる花畑がある山裾は、結構な金属資源の宝庫らしいです。露天掘りが出来そうですよ。
4. 山岳登山
地図がないのでわかりませんが、村から見て北側にある山岳地帯の入り口に出ました。温泉山があるので、ここは村からは見えません。方角的には北西になります。今いる花畑の南側は森で、たぶん帝国の北側に広がる通称『死の森』。人里までずっと森。距離にすると200[㎞]くらいでしょうか。だいたいですが、あの北の砦から真っ直ぐ来るとここって感じ。三の村って結構奥深いでしょ、本当に良く切り開いたと思いますよ。そうするとですね、放棄地を流れる川があるはずなんですが、どこでしょう。
「エッちゃん、これなんだと思う?」
「道。かなり使われていないみたいだけど、どうみても道」
「だよねえ、なんでこんな所にあるんだろうね。結構幅広いよ」
「ねえ~。怪しい」
そうなんですよ、花畑の隅には山に向かって道がありました。人なんて居ないのにね、誰が作ったんでしょう。道となったら行くしかあるまいよと言う事で、行きましょう。
「あ、岩を削ったのかね、これは凄いね。崖がL字に削れて道になっている」
「人造だね~、どうみても誰かが切り開いているよね、これ。すっごい怪しい」
気がつけば結構登ってきていたようで、突然、鈴がリンリンと警告音を出してくれました。
〔フウちゃん、どうしたの。何かあった?〕
〔どうしたではありませんわよ、気圧が下がりましたの〕
〔あ、すっかり忘れてた。ありがとう〕
〔もー、しっかりして下さいな〕
「ミーちゃん、鈴が鳴っているよ」
「うん、風の精霊にね、空気が変わったら教えてってお願いしてあったの」
「空気?あっ!冒険の書にあったね、高山編だっけ。死にかけたって言うの」
「そう、空気が減ったんじゃないかと思ったんだよね、あれ」
「なるほど、それでどうするの?」
「ちょっと早いけど、お泊りにしよ。周りに慣れておかないとまずそう」
「わかった。じゃあ次の折れ曲がり場所にしよう」
「そうだね、ここじゃ寝返りうったら、落ちるよね」
「地面に寝るわけじゃないけどね」
ということで、途中泊。道は、上りながら蛇行していますから、曲がり角は踊り場状になっています。だいたい1[㎞]毎に右に左に折れ曲がっています。馬車でも通す気だったんですかねえ、勾配はさほどきつくないんですよ。その変わり、折れ曲がりがすごく多いんです。七曲りどころじゃないですよ、九十九曲りです。到着した所はどうやら、最後の踊り場だったようで、其処から先は勾配がさらに緩くなっていました。明日から平坦道だの次の日は、一歩も動けませんでした。山の天気は変わりやすい。一日中吹雪吹雪で氷の世界。さらに次の日は、超濃霧。まるで何も見えなくなりまして、お休み。
5. 万年雲の滝
ようやく晴れたと思い外に出ると、雪だらけ。まあ、良いんですけど。周りを見るとですね、北は山。山岳の先はまた山岳。山と山の隙間に見えるのも山。幾重にも重なった山脈っぽいです。ここは人里から見ると裏側ですね、南は当然この山です。すなわち見渡す限り山ばっか。さて、人力ラッセルしながら道を進みます。どのくらい来たんでしょうかね、ようやく景色が変わりました。どうやら表に出たようです。
「うひゃー見てみて、たぶんあれ帝都だね。人がゴミのようだ。見えないけど」
「本当だねえ、凄い景色だね。皆を連れてきてあげたいね」
「ねえ、あんなに広く見えた花畑が帯みたいだね、これは凄いわ」
「あっ!内海の先が見えるよ。島だ。海に森が浮いているみたいな、大きな島だよ」
「本当だ。すっごーい、どのくらい高いんだここ」
「ねえ、凄いねえ。綺麗だねえ」
二人でしばらく景色を堪能してしまいましたよ。ついでに時間も忘れる所でした。ふと気がつくと足元が振動しているんです。微々たるものですけどね、ゴゴゴゴって感じ。
「ありゃ?地面が揺れてない、エッちゃん」
「本当だ、地揺れ?」
「違うようだね、この先に何かあるね」
少し行くと隧道。幅1[㍍]位で高さは2[㍍]弱。馬車は通れそうにはありません。
「なんだろうね、これ。幅が狭いし、高さも足りないな。馬車は無理そうだね」
「うん、曲がりの道は通れそうだったのにね、ここは残念幅だね」
「そうだよねえ、中途半端だよねえ、まだこれからなのかな」
「地面が脆いとかかな」
「うーん、大丈夫そうだねえ、逆かな?硬すぎて魔力が負けるとか」
「あ~、そっちもあるか」
隧道を抜けるとそれは見事な滝でした。いや、たぶん滝。岩間から吹き出ているんですよ、中から圧力がかかっているみたいで、放水状に滝になっています。ということなので、川は遥か下にしかありません。周りは霧状になっていまして、滝の流れというのは実際は見えません。だから多分滝なんですけど。
「あっ、これ砦から見える万年雲だ。てことは、此処凄い高地だねー」
「あ、あ~。あれ、この滝だったんだ」
「吹き出ているけどね、滝と言えば滝だよね」
「来ないとわからないものだね~」
滝は、万年雲と呼ばれる、消えない雲の元でした。アーチ状になった水流の裏は、濡れてはいますが、道が続いているので、滝の本流と霧を眺めながら通過。さすがは万年雲でありまして、水の向こう側は見えません。
「これは凄いね。脅威の大自然だね」
「ねー」
ナイアガラか!っていう位に幅広の万年雲の元を通り過ぎると、また隧道。外側を回ろうかとも思いましたが、落ちそうなので諦めました。
6. 万年雲隧道の先
万年雲滝の先にあった隧道を抜けると、今度は下り坂。
「さてと、どうしようか。期限切れだけど」
「う~ん、別に急ぎの用事なんてないよね、とりあえず10日位って言っただけで」
「まあ、そうだね。通話器もあるしね」
「だよね、じゃあとりあえず下ろう」
「了解」
下りの道も上りと同じように、九十九曲がり。緩傾斜も変わらず。人にも魔獣にも出会いませんで、途中で一泊、あっという間に麓に降りてもう一泊。
「花畑から山を登って、降りたら花畑。なら花畑を突っ切った方が良くない?」
「何かあったのかねぇ、何かいたとか?大蛇?だったら上に逃げるかな」
確かにねえ、下は魔獣の気配が濃厚になるけど、それだけだよねえ。でも普通は魔獣がいるなら、いない方を選ぶかな。それで、いない所まで道を作ったら、滝までいってしまったのかな。まぁ、分かりませんけどね。さて、すでに見えなくはなっていますけど、この辺りは帝都の北側にあたるような気がします。なので、ハンニバルさんは、どうするかと思うに、トンネルを作りますね、多分。山肌から花畑まで地下を探ってもらいますとね、あるんですよ、道が。誰だよ、こんな所に地下道を作るやつ。花畑の先にもまだ道は続いています。さて、どちらに行こうかな。
7. 山肌の地下道
地下への入り口は、山側にありました。大岩で隠すように、幅2[㍍]位で、高さも2[㍍]位の半円形でしてね、岩石を手掘りですねこれは。魔法じゃないですよ。魔法だったら、もっとコンパスで線を引いたみたいに、直線的になるはずです。素人判断ですけど、間違いなく手掘りです。削り口は苔が生えていますし、風化もしていますので、精霊魔法がまだ初期の段階だったのでしょうか、魔法より手掘りの方が確実だったのかもしれません。魔獣も普通の動物もコウモリでさえ入れないようになっています。ゲジは?ゴキは?さあて。
「誰だよー、こんな所に地下道掘ったバカ」
「あはははは、誰だろうね」
「道があるなら、行くしか無い。進めー」
「おぉ~、あはははは」
下り坂にはなっていますけど、ご丁寧に3分割されていて、両脇が平で、中が階段になっております。勾配は緩やかですから、明らかに馬車対応。あれ?ひょっとして、帝国の非常通路?
「ねえ、これ帝国が戦時に逃げるために作ったのかな」
「あぁ、そういう見方もあるのか。襲われる事しか考えていなかったね」
「そうだよね、違ったかもね」
しばらく下りますと、方向転換用の踊り場と言うか、スイッチバックのようになっておりまして、今度は平坦な道になります。帝都方向へ続いている事になりますね。ありゃ、ますます帝国用っぽくなってきた。
8. 帝都に続く道
仮に帝都に続く道とすると、200[㎞]以上になるのですけど、掘るか?そんなもん。というより、掘れるのかな。シールドマシンがあるわけでもなしにね、人力シールドマシンならできなくは無いですけどねー。魔法でごっそりと削り、拡張鞄へ土砂を取り込んで、石化してしまえば良いだけです。歩きながら出来る人は、ここに二人います。面倒なので、今は歩きではなくてホバーですが。平坦路だし、全周ライトも点けっぱなしなので大丈夫。がんばれ光ちゃん。
「ミーちゃん、これ手掘り?表面がごつごつしているね。石化はしてあるみたい」
「想像したのが、手掘りのだったんじゃないかねー、その後石化した感じかな」
「なるほど、呪文か。呪文が手掘りのだったら、こうなるかな」
「そんな感じだねー、随分と昔の手際だね」
「あ、風だ。風が来ているね、前の方から」
いままではあまり感じませんでしたけど、空気取り入れ口が近くなったんでしょうか、風を感じるようになりました。
「あ、あそこに何かありそう」
「少し明るい?気がするだけかな」
到着した所は、天井が広く削られていて、どうも休憩所風。壁に迷路風の出口らしき構造物があったので、外に出てみると、崖に作られた洞窟になっていました。空を見ると既に夕方っぽい。地下道を移動していると時間が判らなくなりますね。
「森の渓谷に沿って崖の内側を通っているのか」
「ちゃんと水が来たときの高さも考慮しているみたいだね、えら~い」
「うん、それもすごいよね。さて、お泊りだね」
「どうしようか、中は狭いよね。外を見てみる?」
「荷車泊で良いんじゃない?」
「うん、そうしよ」
そんな感じで、10箇所ほど似たような休憩所風の所があって、ようやく終点ぽい出口に到着。外に出てみると、なんとまあ古典的な古井戸と、二階以上が崩れてしまった、幽霊屋敷以上の建築物のおまけ付きでした。遠目に見えるのは、たぶん帝国直轄北の砦。構造は、フェルモンド辺境伯北砦とほぼ同じ。こっちの方が歴史があるぶん古いです。
「もしもし、ガンさーん、帝国直轄の北砦らしき所へ出ちゃったよ。どうしよ」
「よし、秘匿だ。そのまま花畑だっけか?戻って、西に進めるか?方角的には、たぶん教国につくはずだぞ」
「ほうほう、なるほど。そんじゃそうしますかね」
「おう、お館様にはこっちから連絡入れとくわ」
「はーい、ほんじゃ行ってくるね」
「おう、気をつけろよ」
「「了解」」
9. 教国に続く道
花畑に一度戻りました。そこから西へ行くと、また山道だよ。まあ、真っ直ぐだとその先は、深森だしねえ、大型魔獣だらけだしね、仕方が無いですね。
九十九曲がりを登っていくと、山の裏に回ります。今度は連山の中腹を、軽く上り下りがあって、ほぼ真っ直ぐ行く事約3日、もう一度曲がりがあって、連山の端に到着。
開けた先に見えたのは、たぶん教国。少なくとも魔導国ではありません。なんか綺羅びやかで、大聖堂みたいな巨大な建物が立っていますので、まず間違いなく教国。
「ついたね、着いちゃったー。たぶんあれ教国だね」
「おおきな、教会?だねえ」
「すっげえね。うーん、近づくのは危ないかな。ここでさえ危ないっぽいもんなあ」
「うん、魔力を察知されていたら、危ないかなぁ」
「よし、撤収」
「うん、逃げよう」
ということで、接近はやめておきました。いえね、大聖堂の方から魔力波が出ているんですよ。探知用のが。対抗はしていますけど、対抗そのものが察知されたら元も子も無いわけで、危険なので撤収。
「「たっだいま~」」




