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(08-07)魔導薬学院(待機中)

(08-07)魔導薬学院(待機中)


 編入の為に試験を受けまして、結果待をしている辺境村村娘です。こんにちは。年度の始まりだし、編入とは言わないのかな。でも本入試は半年以上前に終わっているそうだし、横入りみたいなものですよね、定員とかもあるだろうし、良いのかな。その辺はよく判りません。


1. 玩具のちゃちゃちゃ


 玩具というか、知育玩具…も玩具に変わりないか。応接室でハンジョさんとソバーニさん、ウドンダさんが話あっています。カルタは、諺とか慣用句とかを知らないと作れませんからね、誰かに頼もうかな。学院の先生に賛同してくれる人がいたら押し付けるんですけどね、人聞きが悪い?いいではないですか、世のため人のため子供の為ですよ。只今その他大勢で、お茶の続き中。


「あれは玩具で良いのでしょうか、新式魔法の根幹に関わることですよね」

「いいのではないですかね、本当は、その辺に効果があるかどうかも調べてから、販売した方が良いとは思いますけど、宣伝文句に入れなければ、ただの玩具ですから」

「ミールさん」

「ミーちゃん、8歳ですよ。主従関係?そんなものはありません」

「じゃあ、ミーちゃん?私はどうしましょう。通いにしますか、住み込みの方が良いのでしょうか」

「え、近所なんですか?徒歩5分圏内?それ以上だと、ここに出入りするだけで目をつけられる可能性が高くなりますので、護衛にロウタをつけますけど」

「徒歩30分ですけど、町娘ですよ。大丈夫ではないでしょうか」

「だめです。親が大店の店長さんだとわかると、狙われます。リア姉さんも玄関口まではちゃんと近衛が付いていましたよ。それくらい用心しないとだめです」

「よく判りましたね、ミーちゃん流石です。本当は、要らない位にしたいのですが、そうも行かない所が悩ましいですね。港町なら大丈夫だったんですけどね、王都だとだめだと言われてしまいました」

「それは王女様ですし、王都では有名人ですから。諦めて下さい」

「じゃあ、住み込みにしてもらえますか」

「はい、そうしましょう。その方が皆安心でしょ。所でこの家やたら広いんだけど、部屋を決めに行かない?みんなはどう?」

「それもそうですわね、荷も解く必要がありますし」


2. 屋敷の探索をしよう


 それじゃあと言う事で、ハンジョさんに報告。


「ハンジョさんは、一階の奥だって。でもああいう部屋って、執事長さんとかの部屋だよね、いいのかな。いいか、本人が良いって言っているし。契約内容として改造可なんだって、見回りながら決めて行こう」


 汚水道に繋がる本管を探して、お客さん用と家の者用にそれぞれ男女のトイレを設置。井戸には、給水用の魔導具を取り付けて、上水道を敷設。相変わらず石管。なんとかしたいんですけどね。来客用のお風呂が二部屋あったので、給湯魔導具付きのお風呂を設置。こちらも男女に分けて見ました。それで食堂と厨房を一気に洗浄、浄化して終わり。この辺は、既に作ってあった設備ですので、持ってきた代物を設置して行くだけです。奥にもう一棟ありましてね、家族の部屋はそちらっぽいです。では、行きましょう。あれ?メレンゲさんとシールさんが泡吹く寸前。


「おや、どうしました」

「いえ、これは魔法なんですか。呪文の詠唱とかありませんでしたけど」

「そうです。土魔法ですね。後は光の魔法。慣れるとこれくらいは行けますよ」

「ミーちゃん、慣れてもこれはできませんわよ」

「えーっ、お姉さんも似たような事、できるでしょうに」

「私は、まだ魔力が足りませんわね、エッちゃんは」

「んー、探索しながらと言うのは、無理かなあ」

「それでもお出来になるんですね」

「シールさん達は?魔法どうですか」

「生活魔法と呼ばれる、水とか灯火ならできますが、詠唱が必要ですし」

「こっちにいる間に覚えます?割と簡単にできるようになりますよ。できるようになった人がいますし、リア姉さんですけど」

「私だって、半年かかりましたよ」

「それくらいは、こっちに居ることになるんじゃないですかね。大丈夫大丈夫」

 

 ということで、住居棟へ到着。


「ミーちゃん、あちらにも屋敷がありますよ」

「奥さん、奥さん、あっちは使用人用でしょ、今回は使用しません。たぶん」

「えっ、私使用人ですけど」

「シールさんは、何を言っているのかな、一人であそこに住むの?お友達はこっち。異論は認めません」


 渡りの廊下から順に、シールさん、お姉さん、リア姉さん、私とエッちゃんは、庭に出る扉の近くにある室で同室と言う事になりました。護衛兼業ですけど。後は半分空き室でしてね、すげえ家だ。用足は、共通で設置しまして、上水道も完備でございます。寝具は後ほど届く予定です。と言う事で終了。明かりはねえ、食堂に蝋燭風光球スタンドのみとしました。ガラス玉の内側に光球の魔導具を置いただけ。一度魔力を充填すると約一月使えます。


「ミーさん、これは売らないのかしら」

「奥さん、こんなもの売りに出したら、大変な事になります。もう暫く内緒ですね」

「そんな勿体ないですよ、売りましょうよ」

「シールさん、これ作れます?」

「私にはできませんけど、皆さんならお出来になるでしょ」

「商売する気はありませんでしてよ」

「私もですね、魔導具の開発はしますけど、製造は遠慮します」

「そうなんですよ、製造・販売と言うのは、単品の開発とは訳が違うんです」

「これは、絶対儲かりますって。すごいじゃないですか、じゃあ、製造者を探してくれば良いんですよね」

「無駄です。今は居ません。ですから内密だと言いましたよね、守れないなら出て行って下さいね。他言したら次の日には生きていないと思って下さい。此方の事情ではありますが、理由はお話出来ません。とにかく内密なのです」

「えー、勿体ないなー」


 危ない人達だなー、説明足りなかったかな。私はね、便利な生活を目指してはいますけど、私物は基本非公開なんですよ。商人の家なんだからさ、売れるもの、売れないもの、売ってはいけないものをしっかり区別して欲しいです。こちらの勝手な事情ではあるんですけどね。


3. 玩具がチャッチャッチャ


 ソバーニさんが、取り決め書を手にして呆けている。


「どうなりました?ソバーニさん、取り扱いできそうですか」

「ミーちゃん、これは本当に魔法の練習になりますかね?」

「あー、それは時間を掛けて調べないと判りません。ですから、謳い文句にはしないで下さい。誇大宣伝とされてしまいかねません」

「なるほど『かもしれない』とは言え、この遊びながら魔法の基礎が身につくというのは素晴らしいね」

「今のところは、本当にかもしれない(・・・・・・)ですけどね」

「そうか、そうですね。こういうのを調べる専門部署があれば良いのですけどね」

「そうですねえ、魔導省の管轄になるんでしょうけど、人手が足りていませんね。魔力乾板を調べるだけで手一杯ですよ、おそらく」

「魔導教育庁とか文化省とか、無いですよね」

「ありませんね」

「そもそも人が少ないですもんね」

「でも、王都には10万人がおりますよ」

「まっだまだぁ、めざせ800万!」

「食料がありませんね」

「それもそうだね、まだ時間がかかるか」

「ミーちゃんは、面白いですね。何年先が見えているんでしょう」

「えっ、アタシ?今日のご飯しか見えていませんよ」

「あはははは。ミーちゃん、それ面白い」


 諺とか、慣用句と言うのは、心当たりがあるらしい。所謂小説を書いている人なのだそうで、その手の本が出版されているなら、読みたいな、でも見たことねえぞ。そもそも書店というお店を見たことが無い。


「ソバーニさん、小説みたいな一般的な本と言うのは何処で売っているんでしょう。それらしいお店って見たことがないんですけど」

「少し大きな雑貨店ならありますよ。ただ大抵はですね、一番上の階とか隅辺りにあるんです。何故かと言うと、誰も買わないんです。売ってくれと頼まれるのが普通なのですが、売れない。売れないから、隅に追いやられてしまう。酷いと勘定場の裏に積まれていますからね。わざわざ聞かないと出てきません」

「なんか悲しいですけど、よく生活出来ますね、書いている人」

「ええ、学院の先生とか、冒険者の冒険談とかが多いですからね、大抵は副業みたいなものなんです」

「なるほど、今度街に出たら探してみます」

「へぇ、ワタシは女の子が誰かを好きになるお話とか読んでみたいな。あるのかな」

「おぉ、エッちゃんもお年頃ですかね」

「え?ワタシにはミーちゃんがいるから要らないよ」

「ちょっとお待ちなさい。相手の設定が可怪しくないですかね」

「可怪しくないよ、ご飯が作れて、お菓子が作れて、お金が作れる。ほら可怪しくないでしょ。これ以上無い優良物件。お買い得。ミーちゃんはワタシの嫁」

「おーい」

「はっはっは、愉快なお嬢さん達だ。それでは早速動くと致しましょう。ご期待下さい」

「はい、よろしくお願いしますね」


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