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(10-X4)モラッコ共和国(始動)

(10-X4)モラッコ共和国(始動)


 機械と言うのは、大抵総合的な技術の集まりで、加工ひとつとっても手回しから足踏みへ、水車からパタパタの原動機へと進化して、街の鍛冶屋さんの加工機械も漸く軽工業の段階まで上がりました。私ですか?エル君がんばれで終わりですけど何か。モラッコ共和国の技術陣も少しづつ技術力が向上しまして、私等がモーリタで遊んでいた頃にこちらも漸く1号機として完成したようです。良かったですね。硬質ゴーム材の原料が手に入らない?知らんがな。


1. 試作1号機始動


 試作1号機の組み立てが完了しまして、起動準備が整ったご様子。


「きたなー、漸くだな」

「だねー、魔神様の助言やらがあったのが大きいけどな」

「だよなー、魔神様のお言葉は国中が大騒ぎになったもんな、祭りにもなったし」


 魔神様?誰の事ですか。


「始業点検よし、送気するぞ。火点は用意できているか」

「火点よし」

「給水栓開放、圧空送気開始」


 シュバッ!シュボッ!シュバッ!シュボッ!


「うおぉぉぉ、やったぞ動いたぞ、今度は一発だ」


 なんか訳の分からん踊る人形みたいなのを踊っている人多数。えっ!それ喜びの踊りなの?うっそーん。


 シュバッ!シューーーーン。


「「「「あぁぁぁぁ、出だしだけじゃん」」」」


 踊る人形の『I』とか『O』辺りで固まった人多数。がっくりと肩を落としていますね。


「やはり魔力が足りないか」

「水から取れれば良いんだけどな。あの魔石でどれだけ取れるんだろうな」

「流石にただの動作見本だろう、あれで賄えるとは思えんぞ」


 フッフッフッフ。変換器はですね、30[㌢]角1.6[㍉]厚の魔導銅板の真ん中に約10[㍉]の魔石を埋め込んであります。変換するのは魔石ですけど、吸収は銅板全体で行われます。単気筒なら賄えてしまうんですよ、ホッホッホ。


「外の川から取れないかな」

「海じゃないからなー、試しに繋げてみるか」

「やるだけやってみようぜ」

 ・

 ・ 作業中、暫くお待ち下さい

 ・

「変換器接続確認よし」

「火点よし」

「給水栓開放、圧空送気開始」


 シュバッ!シュボッ!シュバッ!シュボッ!シュバッ!シュボッ!

 ・

 ・ 稼働中

 ・

「あれっ?いつまで動くんだこれ」

「まさかあの大きさで変換が効いているのか?」

「まさかなぁ、でも動いているよな」

「変換器を引き上げてみる?」

「そうだな、そうしてみよう」


 シュバッ!シューーーーン。


「止まったな。変換が効いているって事だよな」

「いろいろすげえな。さすが魔神様」


 魔神様?人ですか、すごい人がいたもんですね。


「火点閉鎖、給水栓閉鎖、圧空送気閉鎖。停止確認よし」

「変換器回収よし」

「終業点検よし」

「蓄魔回復よし。状態良好」

「よし、お披露目だ」


2. お披露目


「本日、お集まり頂きました皆様方のご尽力により…云々。それでは、船舶向け機械動力一号機を起動いたします」


 パパラパー、パパラパッパー、パッパパーン。


「変換器接続よし」

「火点よし」

「給水栓開放、圧空送気開始」


 シュバッ!シュボッ!シュバッ!シュボッ!シュバッ!シュボッ!


 この日のために周囲を片付け、ガラーンとなった作業場。でーんと据え付けられた蒸気機関が軽快に回り出すと、起きるどよめき上がる歓声。


『おおぉぉぉ』パチパチパチ


「技術局長、どうですか」

「うむ、見事だ。まずは、おめでとう」

 ・

 ・ 稼働中

 ・

「火点閉鎖、給水栓閉鎖、圧空送気閉鎖。停止確認よし」

「変換器回収よし」

「終業点検よし」

「蓄魔回復よし。状態良好」

「全て滞りなく終了致しました。これを持ちまして本日のお披露目は閉幕といたします」

 ・

 ・ 移動中

 ・

「我が国における機械動力船舶の先駆けとなってくれる事を願い、乾杯」

「乾杯!」


 おめでとう御座います。


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