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【39】魅力的な太腿のそれ



私の笑顔に全員が固まった。


前世の記憶が戻ってからの私は、人前で笑顔になった事がほとんどない。せいぜい口角を少し上げる程度だ。

前世でも信頼していた付き人の前以外では常にそうだったから仕方ない。


元のエルファミアを知っているここにいる人達は、表情があまり変わらない私でも普通に接してくれるが疑問に思わないのだろうか?逆に今の私で過ごした時間が一週間以上経てば、それが当たり前の普通になったって事もあるのか?


そう考えると慣れって凄い。


まぁエドガー騎士団長とギネス師団長は、戦闘の女神の加護の影響と考えている可能性が高そうだけど。


だからこそ、いまの笑顔はきっと衝撃だったのだろう。


特に兄二人は思うこともあるのかな


兄二人は、私が転生者だと話し、しかも年上だったと知ってから、あまり子供扱いをしなくなった。


知る前はやたら頭撫でたり、頬擦りしてきたっけ。

元のエルファミアなら当たり前の事でも、今の私に頬擦りは流石に拷問か?って思う程だった。



「き、着替えてきますね」

そそくさと、奥の部屋に戻っていた。



***************



エルファミアが奥の部屋に入った後


「・・・エルが笑った」

「だな。すげぇ笑顔だった」


「エルファミア嬢はちゃんと笑えるのですね」

「表情があまり変わらないのは、戦闘の女神の加護の影響があるんだと思っているのだが」

「加護の影響・・・加護を強く受けるとそういうのは多少なりともあると思いますよ」

「まだ加護を受けて間もないからな、もう少し心身共に馴染んでくれば変わるだろうか」

「そうですねぇ、エルファミア嬢の笑顔はとても可愛らしいですから、そうなってくれるといいのですが」



アデレとアルフはギネス師団長とエドガー騎士団長の会話を黙って聞いていた。


確かにエルの笑顔は可愛いが

『実は全く違う理由なんだけどね』と。



***************



着替えを終え奥の部屋から出ると、四人は何事もなかったかの様な態度だった。

それが逆に態とらしくて心の中で苦笑いした。


そして気を取り直し作業を始める事にした。

「そうだ、エドガー騎士団長。昨日これ創ったんですよ」


言い切る前に、ソファに右足を乗せワンピース改2号の右側をガバッと捲り上げた。


兄二人が「エル~」と焦り声を上げた顔は呆れているように見えるが、二人は太腿にある装備のこと知っているしね。

ギネス師団長は目は逸らさずとも少し頬を染めていた。


あんたは昨日も見ただろっ


一人装備をまだ知らないエドガー騎士団長は、一瞬ギョッと驚いた表情を見せた、すぐさま私の太腿のナイフ装備に釘付けになる。


「これはナイフを収納するための物か?」

「はい」

「これはまた凄い物を創ったな。新しいアイテムバッグと同じくらい皆欲しがるぞ」


新しいアイテムバッグってシザーケース擬きの事か。

皆に人気みたいで発案者としてはちょっと嬉しい。


「エドガー殿もそう思いますよね。魔導師は武器の変わりに小型のナイフを携帯する者は多いですよね、万一の時の為と魔獣の解体にも必要ですし、騎士も同じ理由で剣と一緒に持つ方が多いですよね」

「あぁ、だってこれ・・・俺も欲しい」

「ですよね!私も欲しいのです!」


ギネス師団長とエドガー騎士団長は私をジッーと見つめた。何故私を見る。


「まぁ、どちらにせよ今は革不足でしたよね?討伐に行ってからでないと創れないですよね?」


革!そうだったと言わんばかりに、ギネス師団長とエドガー騎士団長は悔しそうな顔をした。


私の初討伐を待たずに、普通に討伐に行ったら良いんじゃないかな?結界付近の偵察を他の団員に任せないで二人が行ったら良いんじゃないかな。と思うけど口には出さないでおこう。


と言うか今日はアデレ兄とアルフ兄の分を創ろうと思っていたのに、流石にこの二人の前では創りにくい。


・・・夜に部屋で創ろう。


今日はマルセル料理長のところに遊びに行こうと決めた。




マルセルさんに調理場を借りて何作ろうかな?

いまなら昼食に間に合いそうだ。



そろそろ日本食が恋しいなぁ

米をガッツリ食べたい。

この世界に米はあるのだろうか・・・


そうだ、夏に第二王子が遊びに来るんだっけ。

王子なら国内の農業事情は把握しているのかな?

来たら聞いてみよう。


・・・なるべくなら王子とか面倒そうだかあまり関わりたくないけど。








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