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【13】お菓子は普通に美味しい



ギネス師団長と別れ、訓練所を後にした。


兄妹三人で歩きながら邸に帰る途中で、アデレ兄が「何だか話が全く見えなかったんだが、エルが魔法訓練てどういう事だ?!しかも驚くって何??」


アデレ兄が頭の中に、ハテナマークをいっぱい浮かべているようだ。


言われてみれば、アデレイドが合流した後は偵察の報告を聞いていただけで、特に何もしていなかった。


アルフ兄がニヤッと微笑み、私の方に視線を向けながら「後でゆっくり教えてあげるよ」とアデレ兄に返事をした。


アルフ兄の微笑みを直視したらブルっと寒気がした。


邸に着くと執事のブレリックが出迎えた。


「お帰りなさいませ。応接間にてお茶の御用意を致しましょうか?」

「いや、僕達は一旦部屋に戻って晩餐までゆっくりするよ。お茶は部屋に運んで貰っていいかな?」

「承知致しました」


いま『僕達』って言ったよね?アデレ兄とアルフ兄は別々の部屋のはず。


何かあるな。と思考していると、ブレリックが私に目線を移し「では、お嬢様もお部屋にお茶をお持ちするようセシルに伝えておきます」とお辞儀をしてその場を去っていった。


多分アルフ兄は私のことをアデレ兄に報告するんだろう。まぁ好きにしていいよ。

今日は色々なことがあって少し休みたい気分だ。早く部屋へ行き、一息つきたい。


三人で二階へと続く階段を登り部屋の前で別れた。


部屋に入って秒でソファにダイブ!


ボフンッ!


あぁ高級なソファはなんてフカフカで

柔らかくて気持ちがいいのだ


ソファの柔らかさを堪能していると、扉を叩く音がし「お嬢様、失礼致します」とセシルが扉のノブに手を掛けた音がする。


お茶早っ!


慌てて起き上がりパパッと身だしなみを整え終えたところで、セシルが扉を開け部屋に入ってきた。


危なっ、ギリギリセーフだ。

ソファでゴロゴロしてるの見られたら

はしたないです!って怒られそうだ。


「お茶と、あと今日はずっと外出でしたので、お腹が空いているかと思いましたのでお菓子をお持ちしました。お食事前なので少しですけどね」


お茶とお菓子を笑顔で運んできたセシル。


お菓子!嬉しい!なんて気が利くの!

疲れた体には甘い物が必須よね


「ありがとう。少しお腹が空いてたの」

「そうじゃないかと思ってました。すぐお茶を入れるので、どうぞお召し上がりください」


セシルはお菓子が乗ったお皿を「どうぞ」と私の前に置いた。

お皿の上にはクッキーが数枚とパウンドケーキが一切れ乗っている。クッキーを一枚手に取り齧った。


ん、多少甘さ控えめだけど

クッキーは普通に美味しいー


お菓子も料理と同じく味が薄かったら嫌だなと思ったが、杞憂に終わったようだ。

クッキーもパウンドケーキもバターの風味がしっかりあり、粉っぽさもなく普通に美味しくて、あっという間に完食だ。


お茶を啜り満足感に浸っていると、セシルが「晩餐のお時間になりましたら迎えに伺いますね」と食器を片付けて持って行こうとした。


「あ、ティーポットとカップは置いていってくれる?」

「え?お茶冷めちゃいます。言って頂ければいつでも新しい物をお持ちしますよ?」


熱いお茶を暫く放っておいて、冷めてきたぬるいお茶を飲むのも好きなのだ。


「ううん、大丈夫。冷めたのが飲みたいの」

「え・・・かしこまりました・・・」


セシルの顔付きは全く納得していないようだが、仕方なさそうにセシルはお皿だけ持ち「では何かご用がございましたらお呼びくださいね」と部屋を後にした。



ふぅ~。やっと気が抜ける。


またソファにゴロンと横になった。できればワンピースも脱ぎ捨てたい気持ちでいっぱいだ。


これで本当に【ここ】で貴族としてやっていけるのだろうか、と少し不安に駆られ瞼を閉じた・・・・・・いつの間にか眠りに落ちた。


セシルが晩餐の着替えのために部屋に来るまで爆睡だったようだ。


ソファで寝ていたため、セシルに怒られたのは言うまでもない。

そして目が覚めた時には筋肉痛が始まっていて、心の中で嬉しい悲鳴を上げた。


中身は大人でも、体は幼児だ。

朝からあれだけ行動していれば疲れても不思議ではない。


あぁ、大人の体が欲しい



***************



エルファミアの部屋の前で別れたあと。


「僕の部屋来るでしょ?色々聞きたいこともあるだろうしね」

「おぅ、さっきからずっと気になって仕方ない」

「だよね」

アルフレッドが笑いながら自分の部屋の前に着くと扉を開け、アデレイドを部屋に入れた。


「とりあえず、もうお茶が来るだろうし、話はそれからだね」


言ってるそばから扉を叩く音がし、執事見習いのクレイがお茶を乗せたトレイを手に持ち部屋を訪れた。


お茶の準備を終え、速やかに扉に向かうクレイを目で追い退室を見届ける二人。


「で、エルが魔法訓練ってどういう事だ?」


アルフレッドは今日の訓練所での出来事を、余すこと無くアデレイドに伝えた。


「ほ、本当か?!」

「そんなことで嘘言ってどうするのさ~」

「だ、だよな・・・いったいエルはどうなってるんだ?エルはエルなんだが・・・うまく言えないが、僕の知ってるエルじゃないような・・・全く笑顔にならないしな」

「うん、言いたい事はわかるよ。僕もそう感じた。今までのエルならいつもニコニコしてたし。けど今のエルはエルでなかなか興味深いし面白いと僕は思ってるよ~」

「あ、それは僕も感じた。今朝の素振りの感じだと女騎士も目指せそうだしな」

「あ、ダメダメ。エルには魔導師を目指して貰わなきゃ。滅多にいない逸材だよ」


二人共、口角を上げニヤッとした。


エルファミアの居ないとこで、エルファミアの将来を勝手に決めようとする二人であった。


「夜、一段落したらエルの部屋に行ってみない?少し話をしてみようよ」

「だな、そうしよう。一度エルの話も聞かないとだしな。ただ晩餐のあと、今日の偵察の件で父様に呼ばれる筈だからその後だな」

「了解だよ」


話が纏まり冷めたお茶を二人は飲み干した。


話が終わったのを見計らったように、執事見習いのクレイが晩餐の用意が出来たと呼びに来たので、その場は一旦解散となり、アデレイドも一度自分の部屋に戻っていった。



***************



晩餐のためにワンピースを着替え、髪も綺麗に纏め直し身支度を整えた。


ご飯食べるだけなのに着替える意味!


ワンピースはピンクからパステルブルーに変わったが、生地がサテンのように光沢のある生地のため、なかなか明るい見た目だ。


ハァ~

心の中で深い溜め息をついた。






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