第10話 行こうか皆
そうこうしているうちに、あらかた戦闘が終了してしまったらしい。
転がる死屍累々。
息はしてるようだから、死んではいないようだけど。
「さ、行こうか君達。ここではない別のどこかに」
うちのソニアが運ばれる身分なのに、すごくリーダーっぽい事いってきた。
でも、そこらの人間がまた起き上がってこられても面倒なので、さっさと移動することにする。
シロンの手をひいて、転移装置の元へ。
ばいばい悪の組織。
もう二度と関わりたくないので、できればどこか知らないところで正義の味方に潰されといて下さい。
欲を言うとできれば他の検体とかも助けたかったけど、そこまでする余裕はないかな。
「イマ先生、あとえっとシロンのお母様、ありがとうございます」
まずは安全確保かなぁ。
この研究施設から逃亡した者には追手がかかるって、聞いてたから。
しばらく、平穏には生きられないと思うし。
悪の組織に見つからない場所を探さなくちゃならない。
でも、まあ何とかなるだろう。
「シロン、手をつないであそこに一緒に飛び込もうか。大丈夫。怖くないよ」
「うん」
だって、俺以外はみんな優秀だし。