二月二十九日 確認作業
六十日目、三分の一です
星暦二千百十一年二月二十九日 日曜日
お早うございます。
昨夜、寝るのが早かったのもあって、ユリカと二人でトレーニングルームです。
わたしは邪魔する色々を跳ね飛ばしつつ、ユリカは主にスクーターおばちゃんを蹴り飛ばしつつ、順調に人工島を周回中。
一時間ほど走って切り上げる。
部屋に戻ってシャワーと着替え。
ユリカがわたしの部屋のシャワーに付いて来たんで、そこは、さすがに自分の部屋に行け、と追い出した。
「ぶーぶーぶー」
ホントにぶーぶー言いながら出て行ったよ。
朝食を摂るためにダイニングに向かう。
ウイーにお任せメニューで準備して貰う。すっかり怠け者のわたし。
ユリカも来た。
朝食を準備しようとキッチンに向かったものの、ウイーに追い返されているユリカ。
「シッ シッ」
野良猫か何かの扱いだな。
「ひーどーいー」
涙目で、黄昏れて帰って来たユリカ。
ややあって、おすすめメニューが二つ。わたしとユリカの前に。
「「有り難う。ウイー」」
「「戴きます」」
二人で食べ始めて少ししたらNINJAコンビが起きてきた。あ、いや。かおりとルミ。
「ぐふっ!!」
ユリカが咽せた。なんで?
口元を押さえたままプルプルしてる。
ややあって、ジュースで口の中のモノを飲み込んだ。
「あはははははははははははははははははははは」
そして爆笑。
わたしを指差したままで。
失礼なヤツだな。
あっけにとられたままNIN…もとい、かおりとルミが突っ立ってるし。
「「ああ」。納得しました。もう良いですよ、NINJAコンビの儘で。なんだか被害拡大しそうですから」
心底不本意そうなお顔だけども、許可発言ゲット。
NINJA呼びにお許しが出ました。
やったね!
ユリカ。そこまで爆笑する事はないと思うんだ。酷くない?
そんな惨状は余所に、ウイーがNINJA二人分の朝食を持って来てくれる。
なんか、わたしが最初にメニュー選ぶと、その後って強制的に同じメニューになってる気がする。
出来たらみんなの希望を訊いてあげてね? ウイー。
「エー?」
わたしの口まねかい!。
「「「あはははははははははははははははははははは」」」
三人とも大爆笑だよ。
被害甚大だね。
ほら、ダイニングの入り口で固まっちゃった二人がいるし。
「相変わらず行動が予想外よね…」
サリーが先に復帰した。
「お早う。直ぐ朝食出来るから席について」
「「お早う」」
ミュウも復帰。
席に着けば朝食が届く。
「ウイー、有り難うねー」
お礼を言えば、くるくる回ってキッチンへ戻っていった。
「「「「戴きます」」」」
四人も食べ始める。
「なばちゃんズは誰か迎えに行くの?」
「此所の番地教えておいたから勝手に来ると思うよー」
ユリカん家、知ってんのかなと思って訊いてみたらこれだもんな。
「集合時刻は?」
はっとした表情で固まるユリカ。
「決めなかったのね…」
呆れ顔のサリーに指摘される。
そこへ、玄関の呼び鈴。
「「「「「「早!」」」」」」
全員の声が揃った。現在時刻、七時十五分。
家主が出迎えに走って行く。
「「「「「「お早うございまーす」」」」」」
全員揃ってるよ。
「お早うー。って、早いよ! まだ朝ご飯中だよー!」
ユリカが叫んでる。
「わたし、朝ご飯食べてきてないや」
ジーナか? 今の声。
「「「「「わたしもだ」」」」」
全員だよ。
「ウイー。朝食六人追加でお願い。リビングへ」
「ウケタマワリー」
急いでお願いしたよ。奴ら、ぜったい確信犯だ。間違った言い方だけど、この際あえて使っちゃおう。
騒がしい六人がリビングに案内されて、ウイーが朝ご飯を運んでいく。
騒がしかったのが段々収まって、
「戴きます」×六人
で、一瞬静かになった後、
「何これ。美味しー」
と誰かの叫び声。後は再び大騒ぎ。
ややあって、苦笑いのユリカが戻ってきた。
「朝から元気いっぱいだよー」
みんなで頷く。 激しく同意。
食べ終わって食器を運び、洗い物はウイーにお願いしてリビングへ。
なんだかいつもと雰囲気が違うな?
あ。ローテーブルが高くなってる。
低いから食事しにくいかな?とちらっと心配してたんだけど、問題なかった模様。
「高さが変えられるの、話した事無かったっけ?」
ユリカ!言って無かったっけって何回目だよ。
「えーと? いっぱい?」
下をペロッとして小首を傾げるユリカ。
反省しろ。頭を捕まえて、脳天を拳でぐりぐりぐり…
「痛い痛い。ごめんなさーい」
端っこで戯れてたら、みんなに受けた。
なばちゃんは指さし爆笑するんじゃないよ。仮にも、教師だろうに。
全員食事が終わって一休みしたらいよいよ確認作業だよ。
「どっちから確認するの?」
ミュウに訊いてみる。
「野球。多分直ぐ終わっちゃうと思うから」
何か、思う所があるみたい。
ゲストの六人があちこちうろうろするのを誘導しながらトレーニングルームへ移動。
一般家庭のエレベーターなのに十二人が一回で乗れちゃったよ。デカいとは思ってたけどさ。
トレーニングルームに到着した途端走り出す、なばちゃんズ、ゲスト達。
「凄ーい」×いっぱい
慌てると転ぶぞーって、言ってる間にこけた。なばちゃんが。
誰も助けに行かずに、揃って指さし爆笑って、… 担任としてどうなんだ? そのポジション。
よく言えば馴染んでるんだろうけど、どう見ても同列扱いだよね?
「おーい。みんなー。VRゴーグル配るからおいでー」
ユリカが大きな声でみんなを集める。
「わー。最新型のゴーグルだー」
「かっこいいねー」
ジーナと聡美が早速食いついた。
「お土産に持って帰ってねー」
「「「「ユリカ、太っ腹ー!」」」」
何人か声を上げた、全員吃驚してる。高価の?これって。
隣のミュウに訊いてみた。
「この前のゲームチェア十台分位?」
結構良い値段だな。
「ゲーム開発に協力して貰うお礼だって[姫野]から貰ったの」
「ミュウちゃん。バラしちゃうのはやいー」
拗ねた表情のユリカを囲んでみんな爆笑中。
ユリカが文句言ってるけど、誤解は早く解いておかないとね。
「最初に野球ゲームね。なばちゃん達とあと三人で一チームになるわね。誰が行く?」
…サリーもすっかりなばちゃんで定着してるのね。
ともかく、わたしが最初に発言する。
「わたし入るとむちゃくちゃになるから見学しとく」
「じゃあ、あたしとNINJAペアで」
ユリカが立候補プラス推薦。あっさり決まった。
相手チームはコンピューター制御のプロ球団選手。
ワールドカップの優勝チームが相手だそうですよ。
三分の二に続きます




