表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鹿乃子の日常奇譚  作者: みゆki
星暦二千百十一年二月
97/252

二月二十八日 ムーンベースボールガンマ

五十九日目、後半です

 二十分ほどノンビリした後は、再び冒険の旅に巻き込まれまして。


 夕飯前までハンティング。


 夜間の部には参加しない(むね)伝えてログアウト。


 リビングに移動して、サリーとミュウを待つ。


 (ほど)なく二人(そろ)ってやってきた。


鹿乃子(かのこ)ちゃん、おやつの手配。有り難う」


「夕飯のコールも手配、ありがと」


 サリーからおやつの、ミュウからは夕飯のコールにお礼が。って。夕飯の方、わたし頼んでないよ?


「「え!? ウイーの判断!?」」


 二人して固まる。


 呼びに来たらしいウイーがリビングの入り口で此方(こちら)(のぞ)いている。


 あざとい! あざといんだけど、可愛い!!


「ウイー。二人に連絡してくれたんだね? ありがとー」


「ドウイタシマシテ。 ユウハン ジュンビ デキマシタ」


 ミュウとサリーが、ギギギギ… と音が聞こえそうな動きでウイーを見ている。


 もういいかげん()れたらいいんじゃないかな?


 わたしなんか、最初からこんなモノなんだって思う事にしてるけどな。


「「「「「いやいやいやいやいや」」」」」


 全員で首を横に振っている。なんで?


 まあいいや。晩ご飯 晩ご飯。


「「鹿乃子ちゃーん」」


 なんか叫んでる人が居る。


 早く来ないと冷めちゃうよ?


「マイペースすぎだよー」


 ユリカが叫ぶ。その通りかもしれない。


唯我独尊(ゆいがどくそん)…」


 そりゃあ、自分にとっては我が身が一番なんだけどね? ルミ。ちょっと違わない? この場合。


「我が道を行く?」


 それ、ユリカが言ったのとだいたい同じ。って、


「ご飯! 冷めちゃうから! ほれ、ハリー! ハリー!!」


「「「「「はーい」」」」」


 やっと動き出したよ。


 ウイーなんて、肩を(すく)めて手を広げたやれやれのポーズでキッチンへ向かったしな。


「「「「「「(いただ)きます」」」」」」


 やっと夕飯。


「鹿乃子ちゃん。ムーンベースボールガンマが出来ました。チェックをお願いします」


 ミュウがご飯食べながら依頼してきた。


 アルファ、ベータ、ガンマで改良二回目ですか。


 了解ですよ。


「あたしも行くー」


 ユリカが参戦。


「ゲーム」


「私たちはジーナ達とお出かけしますね」


 NINJAは不参加。


「「(まと)めないで」下さいまし」


 あれ? 此所(ここ)でもダメ出しが? いつもの事じゃん。


「そうなんですけどね? たまには名前でお願い出来ませんか?」


 別行動の時は名前で呼んでる気がするよ?


「そうですね」


 じゃぁ良いじゃん?


「「えー?」」


 不満そう。


 なるべく気をつけるよ。


「「お願い」します」


 ルミとかおりから苦情、てか、陳情(ちんじよう)でした。


 便利なんだけどなぁ。NINJAコンビ。


「あたしもそう思うー」


 賛同者有りだった。


「「ユリカ」ちゃーん」


 そんな騒がしい晩ご飯を終えて、トレーニングルームにやってきた。


 マシンの上で準備完了。


 先ずはベース一周のランニングから。


 用意、ドン。で走り出した途端(とたん)、重!!


 メッチャ身体が重いーっ!!


 全力で走ってるつもりなんだけど、一歩の幅が二メートル届くかどうか…


 いつもなら二、三歩でベース間移動可能なのにー。


 うわ。一周十三秒もかかったぞ?


 あれ? これって一般人のタイムって言ってた数値に近いんじゃ…


 全力でこれかー。これが普通の人の走る世界なんだ。


「すっごく疲れた!!」


「成功した! サリーちゃん! 上手くいったよ」


 ミュウはとっても嬉しそう。


「まだでしょ?ミュウちゃん。スーパープレイヤーになるのが本来の目的なんだから」


「そうだった。ユリカちゃん、お願い」


 サリーの注意に気を取り直して。


「はーい」


 軽ーいユリカの返事の後、一般人代わりのユリカがスタート。


「かっる!!」


 五秒で一周して戻ってきた。


「身体が軽いよー? 走るの、早いー。楽しいー」


 大興奮のユリカ。


「身体を動かす時に、あちこちに掛かる慣性(かんせい)質量にだけ重力制御を掛けたんだよね」


「計算が大変だった」


 サリーの説明が難しい。


 要するに、わたしの場合、動こうとした時だけからだが重くなるって事であってる?


「その通り。ちゃんと理解出来てるじゃない」


 ひっじょーにめんどくさそうだって事は判ったよ。


「あたしの場合は動く時からだが軽くなって、吃驚(びつくり)だったー。能力使わないであの動きが出来るとは、だよー」


 感心する事、(しき)りのユリカ。


「後は、筋肉の動作速度が限界スピードになるから、その辺りの調整が必要なんだけどね。君らじゃ、そこの調整が出来ないのよね」


 ああ、身体能力お化けの集団だもんね。人外な動きになれちゃっていて参考にならないと。


「その通りなの」


 サリーとミュウが(うなず)いている。


 んじゃ、ジーナや麗華(リーファ)にでも調整手伝って(もら)えば?


「「それ! 名案だよ」」


 ありゃ。良いのかい? あの子達も一応エスパーでしょ?


「身体能力は一般人だったよ? 体力測定の結果見たら」


 ミュウ? 個人情報勝手に見ちゃ駄目じゃ無いの?


「サヤカちゃんにちゃんとお願いしたよ」


 そうなんだ。なら良いのかな。


「「ダメだと思う」」


「そうなの?」


 ユリカとサリーが否定してる。ミュウは吃驚してるし。


 サヤカもやべーヤツなのか?


「まあ、メンバーズだしー?」


 ユリカ… それ、自分も同類だって認めちゃってるよ?


「事実じゃんー」


 そうですか。


「鹿乃子も含むー」


 わたしもかい!


「「あはははははははははははははははははははは」」


 ユリカとミュウが爆笑。何がおかしいんだか…


「鹿乃子ちゃんの反応じゃないかしら」


 サリーの指摘が(ひど)い… そうですか…


 細かいとこを今夜詰めて、後日みんなでゲームしてみる事になった。


 マシンを片付けてリビングへ戻る。


 確認だけで終わったから、まだ十九時半って所だね。


 ミュウとサリーはお部屋で調整作業続行中。


 現在、ユリカと二人っきり。


 いや、ウイーが居る。お茶を準備中。


 何にも言ってないのに準備してくれている。ありがたや。


「ドウゾ」


「有り難う。ウイー」


 ()れられたお茶を受け取りながらお礼を。


「ドウ イタマシテー」


 あれ? なんか変だった気がする?


「イル?」


 ユリカに対しては相変わらずなのか? ツンなのか??


「ありがとうございます」


 涙目のユリカ。 敬語になってる。敬語になってる。


 そして、踊りながらキッチン方面へと去って行くウイー。


「最近、デレてきてくれたと思ってたのにー」


 ぼやくなぼやくな。もうちょっとなんだよ。きっと…よくわかんないけど。


「かーのーこー」


 あ。ウイーのお茶、美味しい。


「無視されたー」


 うっとうしいなぁ。


 んで、ジーナ達、何時呼ぶの?


「ホントに呼ぶの?」


「サリー達、その気になってたよね?」


「マージーかー」


 なんか、嫌そう?


「いやー、良いんだけどねー? たまり場になりそうかなーってー」


 ああ、此所、大人がいないや。そう言えば。


 ミュラ姫とサリー?


 微妙(びみよう)


 まあ、この前爆弾騒ぎあったばっかだし、お願いした時だけってことにすれば良いんじゃね?


「それで良いかー。明日呼んじゃおうかなー」


 あの子達の都合は?


()いてくるー」


 今から?って、ゲームで話出来るんだっけな。


 ゲーム部屋へ走っていくユリカ。


 わたしは待っていよう。


 やがて、てけてけと駆け戻ってきたユリカが一言。


「なばちゃんパーティー全員参加するんだってー」


 マジか!?


 それは中々騒がしい事になりそうだ。


「あ。そうだ。商品化予定のヤツ、調整済んでるんなら確認してもらえば?」


「それは良い考えだねー。ミュウに伝えて来るー」


 とっても良い笑顔ですっ飛んでいったよ。ユリカのヤツ。


 なばちゃんご一行様の健闘(けんとう)を祈る。


 頑張れー。多分、多少はマイルドになっているだろう。


 やがて、ユリカが戻ってきた。


 スキップしながら。


「あっちはだいたい仕上がってるんだってー。一般的な反応が確認出来るって喜んでたよー」


 それは良かった。


 あ、ちゃんと銃で退治(たいじ)出来るようになってるんだよね?


「それもバッチリだってー。敢えて散弾銃にしたってサリーが言ってたー」


 ヤル(・・)気十分ですな。何を、とは言わないけどさ。


 お薬は用意しなくて大丈夫かな?


「そこまで酷い事にはならないと思いたいー」


 それには同意するけどな?


「用意しとくよー」


 三度走っていくユリカ。


 駆け戻ってきて一言。


「炭酸アンモニウムと精神安定剤色々用意してきたよー」


 気付け薬かよ。何時(いつ)の時代のだよ。安定剤はまだしもさ。


 必要にならない事をお祈りしよう。なばちゃんご一行様のために。


 今からゲームに参加するのも時間が微妙なんで、ゆっくりお風呂して寝ちゃおうと思う。


 ユリカにそう告げたら一緒に寝る。だって。


 思い出しちゃったらしい。一昨日のヤツ。


 ゲーム部屋の二人にその旨告げて、ユリカとノンビリお風呂に浸かる。


 ちょっと早いけど、ユリカと一緒にわたしの部屋へ。


 二人で並んで就寝の準備完了です


 それでは、おやすみなさい。

六十日目に続きます

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ