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鹿乃子の日常奇譚  作者: みゆki
星暦二千百十一年二月
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二月二十四日 答案返却

五十五日目です

 星暦二千百十一年二月二十四日 火曜日


 お早うございます。


 今日も今日とて、走ってます。


 ミュウも飛行訓練中。


 大分(だいぶ)、安定しましたね。


 ユリカもマシンが気に入った模様(もよう)で、今朝(けさ)も一緒に走ってる。


「スクーターおばちゃんの討伐(とうばつ)(くせ)になるー」


 いやな癖だな。おい。


「もふもふが癖になる」


 いつの間にかパンダ(うさぎ)を確保して抱っこしたまま飛行中のミュウ。


 パンダ兎、ミュウのとこにしか出てこないんだよ。


 何故(なぜ)だ?


 差別か? 差別なのか??


 今度ケイに文句(もんく)言ってやる!


「色々討伐しちゃうと出てこないんじゃないかな? ミュウはまだ一度も討伐してないよ?」


 ピシッと固まった。


 ショック!


 散々蹴散(けち)らしちゃったよ?


 もう駄目(だめ)だー。


 がっくりと(ひざ)(てのひら)を地面に付ける。


「ミュウが捕まえるから。思い切りもふって?」


 抱いていた兎を差し出しながらミュウが(なぐさ)めてくれた。


「有り難う。ミュウ」


 兎を受け取ってもふる。


「あたしもー。あたしも、もふりたいー!」


(わか)った」


 そして約十分後、白兎とパンダ兎とモモンガを抱いた三人が飛行訓練とランニング。


 モモンガはユリカがもふもふ。


 かわいいなー。もふもふ。


 あれ?


 そう言えば、別々のマシンに乗ってるのにお互いにふれあったり色々手渡したり出来たね。


「外から見てるとなんだか間抜(まぬ)けな動きでしたよ?鹿乃子(かのこ)ちゃん」


 VRゴーグルの映像を透過(とうか)させたらかおりとルミがマシンの準備中だった。


 だよねー? 離れた場所で受け渡ししてる動作だけだよね。


 確かに、VRの映像がないと間抜けだと思う。考えただけでも。


「考えてないですよ? 相変わらず、ずっと(しやべ)ってますよ? 鹿乃子ちゃん」


 ありゃ。それは失礼を。


 気をつけます。


「全然気をつけてない?」


 ルミに即行(そつこう)ダメ出しを(いただ)きました。


 声、出してないつもりなんだけど…


「出てるねー」


 とユリカの追撃(ついげき)


 駄目みたい。まあいいや。


「「「「()いのかい!」」」」


 良いよ、もう。


「「「「あはははははははははははははははははははは」」」」


 受けた。


 五人で小一時間走って、七時になるんで切り上げる。


 着替えて登校の準備しなきゃ。


 シャワー浴びて、着替えて、()ずは朝食。


 ダイニングには十一人分朝食が並んでた。


「ありがとー。ウイー」


「ドウ イタシ マシテ」


 言いながら手を振ってくるりと一回転。キッチンへと消えた。


 そして。続々みんなが集合。


 ユリカがテーブルを指差して視線で問い掛けて来たんで(うなず)いておく。


「ウイー、朝食ありがとねー」


 キッチンに向かって声を掛けるユリカ。


 キッチンの入り口からウイーの手がひらひらと。


 ユリカの顔がにやけた。


(いただ)きます」×十一人


 美味しく戴き、ごちそうさま。


 学園へと出掛ける身支度(みじたく)を調えたら出発します。


 今日もサリーを含めて、十一人でわいわいと。


 手を引く必要があるのがアルファだけになったんで、メグが尻尾(しつぽ)にぶら下げてます。


 そして公園の入り口を(くぐ)った所でツイッギーの突進を食らいまして。


 お前、身体が硬いんだから、そんな飛びついたら痛いよ!


 ぶつかった瞬間、結構な音がしたよ。


 ドーンって。


 周りの登校中の生徒がガン見してるもん。


「モウシワケ アリマセン ミッカカン アエナカッタノデ カンキワマリ マシタ」


 右腕を顔の表示後部に当てて、テレテレポーズのツイッギー。


 お前、わたしじゃなかったら人身事故発生だぞ…


 無事だから良いけど。


 なにげに、相手見て色々やらかしてるっぽいしな。こいつ。


 まあ、他のメンバーは大爆笑中。現在移動不可。


 突進してくるツイッギーを、闘牛(とうぎゆう)よろしくひらひら(かわ)して遊んでます。


 みんなが復活するのを待ちながら。


 ツイッギーが、肩で息をする動作を始めた。満足したんだろう。


 みんなも復活したんで移動再開。


 学園に到着して、ミュラ姫、サリーと別れる。


 二人は地下のメンバーズクラブルーム。


 わたし達は、一年F組のホームルームへ。


 到着した途端、例の運営さんから来たメールやらアナウンス関係で一騒ぎ。


 運営さんを討伐したわけじゃないからね?


 わたしがふと(こぼ)した台詞が受けちゃったらしいってだけなんだけど?


 クリティカルヒット大量生産については、動体視力と反射神経だけ。頑張(がんは)れば誰でも可能。


「無いから!」×ほぼ全員。


 そんなこと無いと思うんだけどなー。


「有り得ません!」×ほぼ全員。


 味方がいない。


 なばちゃんがやってきてショートホームルーム。


 今日の一時限目はロングホームルームに変更。テストの答案返却だそうで。


 ショートホームルームから引き続いてロングホームルームへ突入。


 答案が返ってきました。


 全教科満点。


 ユリカ他、メンバーズはみんな満点です。


 自習を頑張ったジーナ、聡美(さとみ)麗華(リーファ)静香(しずか)もほぼ満点


 いや、教科書持ち込み可なら当然こうなると思うんだ。


 暗記の必要が無いんだもん。


 ところが、そうで無い人も居るらしく…


 ジーナや聡美みたいな勘違い、思い込みのミスじゃないかなと推測(すいそく)


「それでは残り時間各自復習して下さいー 出来てる方に教えてもらうのもアリですよー」


 等と、なばちゃんが言ったものだから、わたし達の元へ一斉に押しかけてきてですね。


 手分けして確認、兼、修正をば。


 案の定(あんのじよう)、わたしが見た二人は勘違い。


 歴史問題で、事件の名前と内容がごっちゃになってたのに調べて確認しなかったのと、語学で共通語の接続詞の使い方を勘違い。


 指摘したら問題をやり直して正解出来てた。


 周りも(おおむ)ねそんな状態らしい。


 全員、間違った原因が確認と修正出来た模様。


「有り難う」×多数


 で、その間、なばちゃんは教壇(きようだん)に突っ伏して居眠りしてた。


 この人の評価が乱高下状態です。


 残りの授業は至って平和。


 久方ぶりの、メンバーズクラブルーム。


「久しぶり。なんか大活躍してたって?」


 部屋に入るなりカミーラに声を掛けられて。


「特に記憶にございません?」


 と言う答えしか返せない。実際に覚えがないよ?


「こんなものが届いたぞ?」


 と、手渡されたのは金ぴかの三十センチ位のトロフィー。むっちゃ重いんですが?


 カミーラ、なにげに力持ち?


 [最短経路ノーダメージクリア賞]と書いてあるね。


「これは、何?」


「鹿乃子ちゃんが最初にクリアしたゲーム、あったでしょ?開発部で絶賛されて特別賞ですって」


 サリーが答えてくれた。


 思い出した。ゲーム開始から()へ一直線に突き進んでクリアしたゲーム。サリーがどっか送るって言ってた奴だ。


「むっちゃ重いんですが?」


 重さの理由を尋ねてみる。


「純金の無垢(むく)だから?」


 やっぱりかー!


「もらえないよ? (いく)らになるんだよ。()の重さ」


「二十キロ位?」


 サリー。あっさりな解答有り難う。


 金額を(たず)ねたのに重さで答えが返ってきたけど。


 勘弁(かんべん)してよ。家が何軒も建っちゃうよ。


「是非とも、テストプレイヤーになって下さいって言ってたわね」


「ランニングマシンの開発があるから遠慮(えんりよ)します」


「あら残念」


 此のトロフィー。どうしよう。


 辺りを見回してみる。カミーラの作業台の横にちょうど良い棚があった。


 そっと置いてみた。


「あはははははははははははははははははははは」


 ユリカが毛玉になったよ。


「場所、貸すだけだからな」


 カミーラからは、素気(すげ)ないお言葉。


「さつき。これ、経費の無駄遣い!」


 と責任者を追求してみた。


「そんなこと無いよ! 優れた成果には相応の報酬が必要です!」


 胸を張って(のたま)った。


「ユリアー」


「以下同文」


 いや、そこは[右に同じ]なんじゃ…


 駄目だ。経営トップと監督官がこれじゃ返品出来そうもないよ。


 此所(ここ)にずっと飾っとこ。


「卒業時には持ってけよ?」


 置いていきたいです。


「却下」


 カミーラが(きび)しい。


「「「あはははははははははははははははははははは」」」


 さつきとメグとかおりが決壊した。


 やれやれ。


 それ以外、これと言った依頼も用事も無いらしく解散に。


 帰宅します。


 サリーとミュラ姫、ミュウの三人は用事があるらしく居残り。


 八人で帰宅して着替え。リビングでのんびり…しようと思ったらゲーム部屋に連行されまして。


 夕飯まで二時間ほどゲーム。


 もちろんクラスメートも。


 十八時。夕飯のためにログアウト。


 十九時集合とかふざけたことを言ってるので一言。


《課題が終わるまでログイン禁止》


 ゲーム終わってからやるからーとか言ってたけど却下。


 全く。子供か? って、子供だよ。十五、六の子供。


 わたしの日本、十六で成人だったけど。


 此の地球はあんな殺伐(さつばつ)さがないせいか、精神的な成長が遅い。


 どっちかと言えば、このくらいゆとりが有った方が、成人してから安定しそうな気がする。


 実際は、比べてみることも出来ないから不明だけど。


 こっちの大人が凄く(おだ)やかなのは事実。


 のんびりが許されるんだから暢気(のんき)に行こうよ。


 そして、ウイーが用意してくれた夕食を終え、自室で課題を片した後リビングへ。


 (すで)に、ユリア、ユリカ、メグとアルファが待機。


 ミュウ達も返ってきて、さっき夕飯を終えたそうで。


「ログイン時刻、二十一時予定だよー」


 と言う、ユリカからのご報告。


 ジーナ達と決めたらしい。


 まだ一時間以上あるな。


「先にお風呂済ましちゃおうかな」


 と、思いつきを口にしたら四人が賛同。


 ゆっくりと入浴して、厚手のジャケットを羽織ってリビングへと戻った。


 いや、まだ二月。室内は暖房が効いてるんだけど、外は零度前後。


 室温は十八度ほどの設定だから、パジャマだと寒いです。


「鹿乃子ちゃん、これも必要だよ」


 アルファが持って来てくれたのは膝掛(ひざか)け。


「有り難う。確かに、足元が寒いかも」


 膝から下を覆う大きなもので、暖かい。感謝感謝だよ。


 既に全員がスタンバイ完了で、ユリカやメグはゲーム部屋に移動したくてうずうずしてるし。


「ジーナ達もそろそろログインしてるんじゃない?」


 と声を掛けたら飛び出して行った。


 時刻は、八時四十五分位。


 残った九人も苦笑(にがわら)いしつつゲーム部屋へ。


 部屋の温度が若干(じやつかん)上げてあるな?


 身体は動かさないからねえ。


 ユリカの気配(きくば)りらしい。


 お風呂入っちゃったしな。有り難い。


 再びのログイン。そして冒険の旅。って言うか、アシストに専念。


 と言う訳で、パーティー構成は 三パーティー、プラス ソロ(わたし)


 二十三時を回って切りの良い所でログアウト。


 一旦(いつたん)町まで戻るのに手子摺(てこず)って結局もうすぐ日付が変わる時刻。


 固まった身体をほぐしつつ就寝(しゆうしん)の準備。


 ちょっとこのところ寝不足気もなんだが…明日のランニング、どうしよう。等と考えつつ布団(ふとん)(もぐ)り込む。


 それでは、おやすみなさい。

五十六日目に続きます

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