二月十九日 八十四時間マラソン
五十日目 四分の四です。
遅くなってしまいました。
「なんで全部[CRITICAL]判定なの?」
「コマンドウインドウ表示される前に攻撃始めてませんか?」
「全て一撃で撃破って何なの?」
「パーティー組む意味が無いですよね?」
「未だに初期装備の儘って?」
「あはははははははははははははははははははは」
ユリカチーム六人のご意見でした。
ユリカだけ爆笑だったけど。
「これって、運営さんに不正行為認定されたりしない?」
メグがその様な事を言い出した。
何も不正な事は為ておりませんが?
「鹿乃子ちゃんの反応は人間のレベルじゃないもの」
「機械を使ったインチキだと思われちゃうかな?」
アルファ、ミュウ、もはやわたし人外認定ですか?
いや、忘れてた。
龍神と融合したから亜人だったよ。あれ?亜神が正しい?
「最悪ユーザー登録解除されちゃわない?」
そんなケースもあるの? メグ。
それは嫌だなー。
「明らかに普通のプレイヤーじゃあ無いよね?」
さつきもわたしの事を異常者認定ですか。
「大丈夫でしょ? 生体認証とか入力タイミングの揺らぎとか見ればちゃんとユーザーで有る事は確認出来るんだし」
サリーの擁護。
済みません。揺らぎってのがタイミングのズレの事だとすれば、多分千分の五秒はズレてない…。
サリーの呆れた視線が突き刺さる。
痛いですよ?
「まあ、いろんな種族がいる事だし…大丈夫よ。…多分?」
地球人認定がもらえなかった模様。
目を逸らさないでもらえませんかね?
「で、みんなの反応速度位に抑えた方が良いのかな?」
「異能まで使うんじゃチートだけど全力でなきゃ楽しくないじゃん。其の儘其の儘ー」
ユリカ…優しい。
なんかジーンと来た。
有り難う。じゃあ其の儘続行で。
「と言う訳で、レベル上げ手伝って下さい」
「ユリカ…」×十人
「わたしの感動を返せ」
「ジーナ達に追いつきたいのー。後から始めた鹿乃子の方がわたしより二十レベルも上って何さー。手伝ってよー」
ジタバタと駄々を捏ね始めやがったぞ。こいつ。
さっきまで、わたしが全部とどめ刺してたせいでレベル三十超えてるんだよね。
倒した人に多めの経験値が配られるんだって。
「鹿乃子ちゃん。[CRITICAL]補正があって、これで倒すと経験値三割増しなの」
ありゃ。サリー、そんな特典もありましたか。
一緒にパーティー組んでたメグやアルファ達は二十過ぎた当たり。
ユリカたちはまだ十超えたばかりなんだって。
ゲーム発売日からやってるジーナ達は現在二十五なんだとか。
良いじゃんね? ゆっくり楽しめば。
「鹿ー乃ー子ーおーねーがーいー」
パーティーの組み替えが決定しました。
サリーが抜けてわたしが入る。
サリーは、わたしの戦闘を眺めたいんだそうな。
因みにユリカは剣士でちみっこドワーフ幼女。なまえはリリ。
実に自虐的です。こーゆーの、好きですよ。
ユリアは盾持ちの戦士? 巨人賊の女性で、リア。
なんでお前ら二人は紛らわしい名前付けるんだ?
本名は親の所為? そりゃそうなんだが、キャラ名は?
目を逸らすんじゃないよ。こら。
ルミは獣人の女NINJA。RSだそうで。レッドシャドウだよね?絶対、飛騨のあの人だよね?
かおりはエルフの女性で狩人。名前はアロマ。捻ってないね。
さつきが魔族の魔法使い…魔族も選べるんだ。名前のメイって? 五月か!
外れたサリーは人属の神官。名前のサニーって、魔法使い少女の改名前ですか?
で、わたしは態と[CRITICAL]を出さない様に魔物を弱らせて、ユリカたちが倒すという事に。
戦闘が始まると直ぐに、魔物全部の適当な所をぶん殴って後は後方で待機。
レベルが高いのもあって、今のところ[CRITICAL]でなくても七割位は弱らせている。
後はユリカたちが倒すのを眺めるだけ。
暇だ。
倒すまでに結構攻撃受けてるよな。ユリカたち。
攻撃にこっちから攻撃ぶつけるとどうなるんだろう。
やってみた。
ダメージが発生しないで攻撃を弾いた。
これなら邪魔にはなるまい。
「鹿乃子ちゃん[PARRY]まで出来るんだ」
なんですか?それ。
「攻撃の受け流しって解釈で良いんじゃないかな?」
判りました。解説有り難うサリー。
「やったー!!レベル二十五だー!」
とユリカが雄叫びを上げたのはそれから二時間ほど経過して。
わたしのキャラなんかもう五十近いよ。
これでやっと開放される。
「じゃあパーティー戻して続きしよ?」
わたしの服の裾を摘まんでアルファとミュウがですね。
小首を傾げてそのポーズはあざと過ぎやしませんかね?お二人とも。
続投が決定だよ。なんてこった。
今度はユリカたちの時の様に四人がとどめを刺せる様に立ち回り。
今回こっちにサリーを入れてユリカたちのレベルに揃うまでレベル上げも兼ねる。
みんなのレベルがおおよそ二十五。一旦町に戻る事になった。
町に戻ったら入り口の広場でユリカたちのキャラが待っている。
後、初見のキャラが六人。
もしかしてジーナ達か?
《やっほー。鹿乃子ちゃん今晩わー》
やっぱりかー。ジーナの声の持ち主は大きな盾と剣を持った戦士。美麗な男性。
名前はジーン。愛称の男性用。まんまだった。
友人以外と話をする時はボイスチェンジャーで男性の声に変えるんだそうです。
女性キャラでも身長なんかに合わせて変えるのが普通なんだとか。
聡美はエルフの神官。大人な女性。アイモータス。…ローマ字綴りの逆読みか!
静香が獣人の盗賊。割と髙露出系の装備で女性。 サイレン。これもストレート。
麗華はチャイナ系の服を着た拳闘士の人属女性で、リーフ。[ァ]は抜いたのか?抜けちゃったのか?
ステフは黒系のおっきな帽子とローブを着た魔女?魔術師ですか。ファン…名前の後ろ半分だ。
なばちゃんはエルフの幼女。で、名前はミック。何やってんだ?社会人。
狩人だそうで、身長よりデカい弓を背負ってる…。
どうやって引くの?って訊いたら横に構えてた。当たるのか?そんなんで。
ボウガンの弓を改造してるから大丈夫なんだそうです。
《俺のハーレムパーティーだぜー》
って喜んでるのはジーナ。
ただなー。幼女がなー。
「なばちゃん、なばちゃん。こんな時間までわいわいやってて良いんですか?」
って訊いてみたよ。幼女に。
《五人とも覚悟は出来てるって仰ってましたしー 悪い事してる訳じゃ有りませんからー よろしいんじゃないですかー?》
だそうですよ。何の覚悟が出来てるやら…
てか、大丈夫か? 此の教師。
で、サリーがユリカ達のチームに戻って三パーティーで隣の町へ。
ガンガン行こうぜだそうです。
別パーティーが戦闘始めると外から見る事が出来るんだな。
戦ってるパーティーから許可が無いと乱入は出来ないらしいけど。
現在は。危なくなったら助けてねって事でお互いに許可を出し合ってる所。
んでまあ、ジーナ達にわたしの戦いを見せたら食いつきが良い事。
[CRITICAL]の出し方を教えてプリーズって喧しいんだこれが。
コマンドウインドウが開ききる前にたたかうを選んで直後に狙った魔物の頭かお腹の真ん中をタップするだけだ。って言ったら絶望してた。
動体視力を鍛えると良いんだよ? きっと。
《出来るか!》×十六人
うおぅ。吃驚した。
やがて遠くにひときわでっかい魔物が見えてきた。
エリアボスなる存在だそうですよ。
こいつを倒せば次の町に行けるんだって。
で、パーティー毎に行くか団体で行くかって話になって団体で行く事に。
人数が増える分相手も強くなるんだけど、複数パーティーだとパーティー数掛ける二倍の強さになるそうな。
一パーティーの時の。
なんか腑に落ちない上昇率なんだが?
《鹿乃子ちゃん。よろしく》×十六人
わたしかい!? 押しつけは良くないと思います!
《まあまあ》×十六人
で、戦闘に。
頭に二回と腹に三回。[CRITICAL]決めたら終わった。
一気にレベルが二つ上がったよ。
もしかして経験値全部わたしに来た?
《ええええー!?》×十六人
知らんがな。人任せにするからだよ。
《もうちょっとでわたしの矢が当たったのにー》
なばちゃんが叫んでたけど知りません。
消え掛けの魔物を素通りして矢がスッ飛んでったのも、わたしは見てませんよ。
さあ、次の町とやらへ行きましょうかい?
《ひーどーいー》×十六人
先に行くよー。
慌てて追いかけてきた。
町に入って広場で登録とセーブ。
「切りの良いとこで終わりにしない」
と提案したら、
《ここまで来て町を探索しないなんて有り得ない》×十六人
眠くなってきたんだよ?
さっき日が変わったんだけど、気が付いてるのかな? みんな。
ゲーム機から顔を上げて周りを見るとユリカと目が合った。
慌てて目をそらすユリカ。 なんで?
メールが来た。
『もうちょっとお願い』
「ぷふっ」
思わず吹き出しちゃったよ。
『えへへ…』
だってさ。もう。
みんなに引っ張られて彼方へ行ったり此方へ戻ったり。
色々買い物したり納品やらいらないものを売り払ったり。
ここまであんまり買い物してなかったから金額が凄い事になってましてね?
町で手に入る最上級の装備一式買わされました。強制的に。
こんな装備で攻撃したらエリアボスも一撃な気がするわたしが居る。
此の後更に次の町とか言い出さないだろうな?こいつら。
《さあ。お買い物も済んだし。次の町行くぞー》
おい!よせ!誰だ?
《おーっ!》×十五人
「マジかー?」
《あはははははははははははははははははははは》×十六人
思わず叫んだら、しばらく大爆笑が続いた。
それからしばらくの間自分のパーティーは言うに及ばず他の二パーティーにも乱入して片っ端から魔物を倒し続けた。
全部一撃です。
《ごめんなさい。手加減して下さい》×十六人
泣きが入った。
勘弁してあげよう。
元のペースで進む事一時間。
例のでっかい魔物が見えてきた。
《早!もう見えたよ?エリアボス》
聡美の声かな?
序盤飛ばしたからね。八つ当たりで。主にわたしが。
《鹿乃子ちゃん、今度はちょっと手加減してね》
メグが声を掛けてくる。
「パーティー毎に行くかい?」
《全員で》
という事なので、序盤は後方待機しまーす。
で、現在みんなが一生懸命攻撃中。
敵の攻撃は防げそうなら[PARRY]で防ぐ。
《鹿乃子ちゃんのそれ、もう[PARRY]じゃなくてスキルの[カバームーブ]だよ。》
と、ジーナに言われたんだがスキル? 使ったら硬直するぞ? 使わないよそんな不便なもの。
結構時間たつけど魔物のHP減らないね。
みんなの攻撃の度に三桁位のダメージ出てるみたいだけどなぁ。
《鹿乃子。鑑定。あのモンスHP二十万》
ルミかな? なるほど。それで減らないんだ。残り五割?
HPバーがまだまだ元気だよ。
此所までにそれはもう色々と皆さんから教えて頂いたもので結構色々覚えてきたよ。
「そろそろやっちゃっても良い?」
《先生。お願いします》×十六人
何処のヤクザ屋さん?。
ドカンと一発。[CRITICAL]
ホントに一撃で終わった。
《あはははははははははははははははははははは》×十六人
大爆笑になったよ。
新しい町で登録とセーブを済ませ、やっと解散になったけど、
《それじゃ明日、もとい、今日のお昼に又ね》
と言う聡美の台詞に続いてジーナの発言。
《お昼から八十四時間マラソンだからねー》
《おー》×十五人
と言う流れになって、突っ込み不在。
「三徹なんて出来るわけ無いだろ!、それにそこの幼女エルフ! 君は月曜日はお仕事!」
《あー! そうでしたー! 今から有休届書かなくちゃー》
《なばちゃん待ってるよ!》×五人
《あはははははははははははははははははははは》×十人
もう突っ込みません。
完全に突っ込み不在です。
ゲーム機の電原落としてやっと現世に戻った感が…
なばちゃん、ホントに月曜日ゲームやりに来ないだろうな。
「さすがに冗談だと思いますよー」
と、かおりも呆れては居るんだけど…油断出来ない人な気がする。
それにしても、ずーっと手元を見てじっとしてたから首の後ろがガチガチだよ。
「お風呂して休もうよ、寝る時間なくなっちゃうよ」
と提案。
「はーい」×全員
広いお風呂って、ホントに良いね。
十一人が身体をおおよそ伸ばしてゆっくり暖まれるなんて。
一般とは言いにくいが、個人の家庭にあるお風呂じゃないね。
「このまま寝たい」
思わず零す。
「テスト終わったらゲーム用の椅子見に行かない? 今日みたいに集中しなくても、首や目に負担が結構来るし」
と言うミュラ姫の提案にみんなで賛同。
「じゃあミュラとわたしはテストが終わった頃学園の正門で待ってるわ」
サリーが纏めてお風呂から上がる。
みんな大きな欠伸を連発しながら各自自室へ。
あぁ。もう三時じゃないか。
さっさと寝よう。
それでは、おやすみなさい。
五十一日目に続きます




