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鹿乃子の日常奇譚  作者: みゆki
星暦二千百十一年二月
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二月十八日 ゲーム発売日

四十九日目、三分の一です。

 星暦二千百十一年二月十八日 水曜日


 お早うございます。


 今日は朝ご飯当番。


 まあ、起きる時間はいつもと一緒なんだけどね。


 みんな、朝が割かし、ぎりぎり。


 今日は洋食系で良いかー。この前の、一昨日(おととい)の丼の記憶がまだ消えなくてね。


 コーヒー()しくは紅茶とトースト、ベーコンエッグに簡単なフルーツサラダ当たりかな? アルファはホットミルク。


 後はてきとうにジャムとバターなどを並べれば良かろう。


 みんな起きる時間(そろ)ってると助かるんだけどなー。


 三十分位ばらけるから、一辺(いちぺん)に用意出来ないという欠点がね。


 とりあえず第一陣。ユリカとユリア、アルファとメグが起きてきた。


 テーブルで待つ四人に出来立てモーニングセットを並べる。


「「「「有り難う」」」」


「「「「(いただ)きます」」」」


 わたしの分も作って一緒に戴く。


 半分ほど食べた当たりでミュウとNINJAペアが起きてきた。


 ので、三人の分を用意。並べた所にミュラ姫とサリー到着。


 残るは、さつきだけだな。


 毎朝最後じゃ無いか?


「さつき、朝弱いからねぇ」


 ユリアのぼやき。大分ご苦労されましたかな?


 先発の四人が食べ終わって、食器をキッチンへ。


 続いてわたしも食べ終わる。やっとさつき登場。


 拍手で出迎えたら目を見開いて固まった。


「「「あはははははははははははははははははははは」」」


 ユリカ、メグ、かおりが爆笑。


 背中を押して席に着かせ、朝食をセット。


 自分と先発組の食器を(まと)める。後はいつもの通り、[ハウスキーパー]様よろしく。


「終わったら持ってくよ!」


 と言う、さつきの言葉を聞いて登校の準備に部屋へ戻る。


 一通り準備して、荷物を用意したらリビングで待機。


 大体朝食の順番でメンバーが揃う。 あれ? 今日はサリーと姫も一緒なの?


「今日は一緒に行きますね」


「「アルファちゃんもミュウちゃんもあたしが引「「遠慮します」」っぱ……(ひど)いわー」


 ミュラ姫が崩れ落ちる。ナイスなブロックだよ。二人とも。


 親指を立ててみたら二人からピースが帰ってきた。


 ユリカ。指さし大爆笑はさすがに止めて差し上げて?


 せめてさつきやかおりやメグみたいにお腹を押さえる程度に。


 出来たらルミやユリアみたいに口元を押さえて声を殺して、ね?


 しかし、十一人で大移動って、大丈夫なのか? 九人でもかなーり目立ってるんだが…って、二人増えても今さらだね。


 さぁ。お出かけお出かけ。


 結果、いやー。やっぱ私服が二人増えると相当目立つわ。


 いつもの数倍人目が集中してた気がする。


 で、サリーは、わたしに対する[ツイッギー]の反応を見て大爆笑してた。


「超えちゃったかー」


 とか言ってたから、何か仕込んでたんかね?


 ミュウがシステム開発して、サリーが仕上げと確認したらしいです。彼らの制御システム。


 で、正門(くぐ)って姫とサリーがお別れ。


 生徒じゃ無いんで一般受付を一応通過しなきゃ、なんだと。


「じゃあ、授業が終わったら会いましょうね」


「鹿乃子ちゃんと元受付コンビはお勉強で良いですからね? 用事が出来た時は連絡しますから」


 サリー、姫と別れてホームルームへ。


 当然の事、一緒に来た二人は誰だと野次馬が集まってくる。


 あれ? サリーは判るけど、ミュラ姫見るのって、クラスのみんなは初めてだっけ?


 あぁ。見た事あるのは二年生以上ですか。なるほど。


「大学に行った先輩だよー。メンバーズなのー」


 ユリカの一言。


 其れだけでみんな納得したのか静かになった。やけにあっさりしてるな。


「何か特別な関係って訳じゃ無いのが判れば良いのよ。メンバーズ絡みじゃ火の無い煙も立てようが無いじゃん」


 ジーナ? メンバーズで無ければ事実無根の噂話(うわさばなし)をでっち上げて楽しむぞって宣言なのか? それは。


駄目(だめ)だった?」


「普通は駄目じゃ無いかな? 最近の高校生の感覚はよくわかんないけど」


 あまりに堂々(どうどう)と肯定するんで駄目って言い切れなくなっちゃった。


「ルジーナ。憶測(おくそく)で噂広げたらメ! するよ?」


「ごめんなさい」


 メグの一言であっさり謝罪するジーナ。なんだ。その対応で良いのか。覚えておこ。


 何故か周りでどっと受ける。


 今の遣り取り(やりとり)で受ける要素あった?


鹿乃子(かのこ)ちゃんの(とぼ)けた反応が受けたんだよ」


「えー? (ひど)い」


 メグに向かって思い切り抗議の声を上げたら周りが爆笑。何故だ?


 首をひねって悩んでいたら、笑いが大きくなっていく。おかしいな。


 予鈴が鳴る頃には、みんな疲れ果てて自分の席に戻っていった。


 わたしが悪いのか? 謎だ…


 今日も授業は順調です。


 お昼時間も問題なし。


 午後の授業も平穏無事に。


 いやね。ものすごく普通の日常。


 ショートホームルームも終わって放課後。


 さて、今日も学習スペースをおかり致しましょう。と、ジーナ、聡美(さとみ)を探す。


「ごめんね。今日家の用事なの」


 顔の前で手を合わせてそう言ったのは、帰宅準備中のジーナ。


「わたしはね、えーと…」


 聡美はなんだか歯切れが悪い返事。


「聡美はゲームのパッケージが予約してあるのよねー」


 と麗華(リーファ)が横から絡んでくる。静香(しずか)も一緒。


「あー。もしかして三人とも…とか?」


「「「ごめんね」」」


 三人して手を合わせてくる。


「わたしの分もよろしくねー」


 そう言ってジーナがホームルームを飛び出して行った。


「四人ともゲーム好きだっけ?」


 メグが不思議そうに問い掛ける。


「中等部で()まっちゃったのよ」


 聡美の答え。


「試験勉強そっちのけでゲームやりそうだね」


「「「今日だけだよ」」」


「「「絶対に(うそ)だー」」」


 三人の答えに此方(こちら)もメグ、アルファと三人で見事にハモった。


「あはははははははははははははははははははは」×六人


 結局六人でお店に向かっている現在。


「なんで発売日が今日なんだろう」


「と言うより、何で明後日(あさつて)が試験なのかな」


 聡美のぼやきに静香が乗っかる。


「あー。学園長がゲーム発売日の後にすれば実力が判りそうとか言ってたみたい」


 メグ? 事実かい? それ。


「さつきちゃん情報だよー。あの二人伯母(おば)(めい)の関係だし。なんか今日って有名どころのゲーム、発売が重なってるんでしょ? とっても(よい)い笑顔してたって言ってたよ」


「「「学園長ー!」」」


 三人揃って雄叫(おたけ)びを上げる。


 あの人はなー…。


 学園の裏門を出て、右の方に少し歩いた所で道路を横断。


 渡った横断歩道の正面のお店がやけに混んでるって、此所(ここ)が目的地かい。


 各学年の生徒が大勢おるね。


「ネットワークからダウンロードとかじゃ無いんだね」


「ゲームに関しては昔、弊害(へいがい)が問題になってね。それ以来パッケージ販売が基本になったんだよね」


 わざわざお店まで来るのを疑問に思ったらメグが答えてくれる。


依存症(いそんしよう)やら課金(かきん)問題やら海賊版やら詐欺(さぎ)やらクラッキングやら諸々(もろもろ)。パッケージにした方が安全なんだって。理屈はよくわかんないんだけど」


 と続いた。大人の事情とか言う奴ですかね?


「そんな感じみたいよ?」


「ネットワーク販売してた時代なんてあったんだ?」


 わたし達の話が聞こえたらしく、静香が問い掛けてきた。


「もう五百年位前のお話だね。ゲームの歴史調べれば出てくるよー」


 メグが答える。


「歴史は学校のお勉強だけで良いわ。わたし」


「「あはははははははははははははははははははは」」


 静香の反応に、メグとアルファが笑い出す。


 わたしもそのあたりは知らなくて困る事話さそうかな。


 授業にも関係なさそうだしな。


 順番が来て、三人がゲームを購入。


 携帯端末に予約データが入ってるみたいで、一人ずつ確認して受け取ってる。


 そう言えば、ジーナに頼まれてたよな? どうするんだ? と思ってたら、聡美がジーナの端末(あず)かって来てたみたい。


 代理認定してあるらしく、本人確認もパスして、無事購入完了。


 三人に誘われたんだけど、


「どうせ予約してないから今日買うの無理だよ」


 というメグの言葉の通り、購入出来ません。


 正直興味が無くってほっとしてたんだけど、ゲーム用の専用端末は購入した。ってか、させられた。


 メグとアルファも巻き込まれて、三人と同じ色の機械をお揃いで購入。


 取り合えず入門用と言っていくつか(・・・・)パッケージも合わせて押しつけられた。


 これ、やっぱやらないと駄目な流れだよね?


「アルファ。帰ったら教えてね?」


「了解です」


 アルファにレクチャーのお願いをしておく。


(なつ)かしいなー。まだこれ売ってるんだー」


 メグは過去に経験済みな模様。


「「「じゃあ、後でゲームの中で」」」


 と、三人が聡美と麗華、静香に別れてコミューターを拾い、


「「「又明日」」」


 と、今度はわたし達に向けて手を振りながら、夫々(それぞれ)別方向へと帰宅。


 ジーナの分は、家が近い聡美が端末共々、帰宅の途中で彼女の家に寄って渡すのだとか。


「私らもこの際コミューター拾おうか?」


 というメグの案でサクッと帰宅。いや、走った方が絶対早いんだが…


勘弁(かんべん)して下さい。学園の敷地迂回(うかい)するのきついです」


 と、メグに拒否された。


 まあ横に長い学園の敷地と更に隣の林。ぐるっと回れば約五キロ…


 あれ? 裏門に戻って校庭突っ切れば、いつもと大して距離変わんないよね?


「あ。そっか」


 メグと二人、コミューターに乗って移動を始めてから気が付いた。


「なんか()み合ってないと思った」


 と、アルファに笑われたよ。


 で、家に到着して制服から私服に着替え、リビングで買ってきた荷物を広げている所。


 携帯端末を三倍位に引き延ばして、左右にボタンをくっつけてような本体を、箱の中から引っ張り出す。


 保護フィルムをペリペリとはがしつつ、隣で同じようにゲーム機を引っ張り出して準備しているアルファに視線を向ける。


 何を、どう扱えば良いのでしょうか?


「マニュアルは? わたしはマニュアルを希望するよ?」


「そんなものは無い」


 取扱説明書プリーズと言ったら無いんだと。


 非常にあっさりとしたメグのお答え。


 なんでだー?


「読んでくれる人がいないので作らなくなったのです。」


 アルファ…そのコスト削減方法はどうなの?


「必要ならネットで検索してダウンロード」


 はーい。判りました。


 後で検索してみます。まあ、覚えていれば。

三分の二に続きます。

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