二月十三日 無理ー
四十四日目 四分の四です。
かなり短いです。
「謝るんだったら力緩めてくれないか?」
ユリカの締め付ける力が結構きついんで声を掛けた。ら。
「無理ー」
「おいっ」
余計強くしがみ付いてきたよ。
「「「「あはははは」」」」
みんなもやっと落ち着いてきたらしい。ちょっとハードな話だったかも。
それにしても、団子状態なんであっついやら、あちこち濡れてきて冷たいやら。
「何やってるの?」
声が掛かったので入り口を見れば、メグとアルファが固まってた。
まあ、何事だと思うよね。みんなで一つのソファで団子になって抱き合ってたら。
「何でも無いよ。おいでおいで」
右腕を引っ張り出して手招きしたら、おっかなびっくりという感じで近づいてくる二人。
まあ、この状態を見れば引くよな。
「何でも無い訳無いですよー」
かおりがわたしの肩を掴んでがっくんがっくんと。
「あのですね…」
涙まみれでメグとアルファに先ほどの話を始めるかおり。 とりあえず顔拭けよ。動けないからタオル持って来れないけど。
「「鹿乃子!」」
団子がでっかくなった! 暑い!
その後、サリーとミュラ姫とミュウがやってきて、更にでっかい団子になった。
「はなれてくれー。あーつーいー」
そして一時間後。汗と涙とその他諸々ででろんでろんになった十一人が揃って入浴中。
濡れた服を脱ぐのはなかなか大変だったよ。
「龍神様がキレたのって、虐待が限界に来たから?」
「多分? 最後に親父様が仕出かしたっていうと、でっかいハンマーでわたしの頭ぶん殴った事だけど…やっぱそれ?」
ユリカに訊ねられて龍神に訊いてみた。それでキレたんだよって返って来た。
「親父様がハンマー振り上げたとこまでしか記憶にないんだけど。
ああ。お袋様が妹を妊娠してたんだ。
わたしがいなくなれば、その妹が巫女になれるから、殺すつもりでハンマーで殴ったと。
頭と首の骨が折れて? 脳みそも全体的に挫傷でひどかった?
心肺停止しましたか。
蘇生に一月も掛かったの? 龍神。お世話になりました」
と言う具合に、ユリカの質問に龍神と当時を振り返りつつ周りに説明してみた。 なかなか酷い事になってたみたいだね。
「ユリカ。柔っこいから痛くは無いが苦しいんで力緩めて」
現状もなかなかでしてな。ユリカ。力が強いから苦しいんだってば。
「むーりー」
「ぅおぉーい。おまえが訊いてきたから答えたんだろうに」
「鹿乃子…」×九人
ジト目で見つめられた。
「そこまでされて何故自衛しなかったの?」
「ユリア。家制度ってのがあってね? 家長には絶対服従だったの。そういう育ち方してるんだよ」
全員の顔色が変わった。まあ。今なら状況によっては酷い制度だという感覚も湧くけど、当時はそれが普通だったからなぁ。それに、
「それはそれで上手く回れば結構良い所もあるんだよ。だめな時はだめって、此所でもそんな事例はあるでしょ?」
「まあ…それは…」
でなきゃ、昨今の騒動だって起こりようが無いもんな。
「だから、制度に任せっきりで委ねちゃだめだって実感した。自分で考えて決めないとだよね」
「鹿乃子、強すぎー」
膨れっ面になったユリカ。
「あれー? なぜだ? ここは同情されるとこじゃないの?」
「あはははははははははははははははははははは」×九人
だめだ。まだ全員笑いが引き攣ってる。内容濃すぎたよ。ごめんね。
その後、この話題はお終いにして、更にみんなが落ち着くのを待って、膨れたユリカを何とか引っぺがしてお風呂を出た時にはさすがに半分のぼせてた。
で、就寝準備を終えて布団を敷こうとしたら、ミュウとユリカが自分の布団を持って来ましてね?
「「悪い夢見そうだから一緒に寝る」」
と。
「今さらそんな夢見ないから平気だよ」
と言ってみた。
「「あたしが見そうなの!」」
怒られた。何故だ?
諦めて許可したんだが、案の定両側からひっつかれている現在。部屋の暖房は停止したよ。
それでは、おやすみなさい。
四十五日目に続きます




