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鹿乃子の日常奇譚  作者: みゆki
星暦二千百十一年二月
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二月十一日 開発部長

四十二日目 前半です

 星暦二千百十一年二月十一日 水曜日


 お早うございます。


 大勢でわいわいと朝ご飯。 アルファとメグと[自動調理器]様が準備を頑張りました。


 満足して一休みしたら登校の準備。サリーは留守番。ミュラ姫のお出かけは一時間後。九人が玄関(げんかん)前に集合したら出発。


 今朝はアルファを引っ張るらしい。 ミュウはNINJAな二人に手を差し出しているのでそれで良いのだろう。


 みんなでぞろぞろ出発して、途中途中の[タウンスイーパー]達にご挨拶(あいさつ)


 [ツイッギー]に挨拶したら、


「ホンジツハ オニモツナド ゴザイマセンカ?」


 (など)(のたま)いながら、両腕を目一杯伸ばして、アルファに向かってワキワキと…。


 ないよ! 昨日の帰りのも荷物じゃないから! お前、判ってて言ってるな?


「「「「あはははははははははははははははははははは」」」」


 さつき、メグ、ユリカ、かおりが爆笑。ルミはお口を押されてぷるぷると。


 荷物扱いされてる本人は判ってなくってキョトンとしている。


「「冗談を言う[タウンスイーパー]って…」」


 二名ほど固まった。


 ほら、みんな、行くよ。


 公園の中で少しスピードを上げたら、アルファが某銀色の巨人さんが空を飛ぶ時のポーズになって気持ちよさそう。


 スカートの裾が風でパタパタと、


「アルファ。中身が見えちゃうからだめー」


 慌てて裾を押さえながらメグが注意。 アルファ、タイツ着けてるんだから少しぐらい平気じゃね?


 アルファも、なんでって首を傾げているし…


「女子として許せません!」×七人。


 周りで登校中の運動クラブ系女子の皆さんも(うなづ)いていらっしゃる。 男子の皆さんは目のやり場に困っていらっしゃる。


 迂闊(うかつ)な考えでした。ごめんなさい。


「アルファ。次からはジャージ着用ね?」


 そう提案してみたら、


「了解」


 アルファが嬉しそうに返事を返す。


「違うから!!」×七人。


 二人揃って(しか)られた。


 スカートの下にジャージ着ければいいんじゃないの? だめなんだ? みんな目がマジで怖いんだよ? 


 女子の身だしなみって、(むつか)しい。


 学園に到着。 ホームルームに向かおうとしたら、アルファが購買に向かって駆けだした。


 慌ててみんなで後を追う。


「女子用のスラックス下さい」


 一緒に追いかけてきた七人が床に手と(ひざ)を着いて崩れ落ちた。


 そうかー。アルファ、そんなにあのポーズが気に入ったのかー。


「これなら だいじょーぶ」


 スラックスの入った袋を片手に持って、エッヘン!と胸を張るアルファにメグがすがりつく。


「アールーファー」


 もう、今にもこぼれ落ちそうな涙目だね。


「わたしもお揃いにする!」


 そう叫びながら決意の表情で立ち上がり、スラックスの注文をするメグ。 愛されてるねぇ。アルファ。


「「「あはははははははははははははははははははは」」」


 さつきとかおりとユリカが爆笑した。ルミはお口を押されてぷるぷると。


 やれやれ。


「「鹿乃子(かのこ)…」」


 ユリアとミュウに(にら)まれている。 えー? わたしが悪いの? 何故だ?


 相変わらず購買のお姉さんはニコニコと笑顔です。


「お騒がせいたしました」×九人。


 と、お姉さんに謝ってホームルームへ。


「鹿乃子、鹿乃子ー」


「何?」


 ユリカの呼びかけに応えると、


「あのお姉さん、[タウンキーパー]さんだよー」


「えー?」


 吃驚(びっくり)して叫んじゃった。


「「「「あはははははははははははははははははははは」」」やっぱ気付いてなかったかー」


 全く気付かなかったよ。さつきとメグとかおりにまで爆笑された。ルミはお口を押さえてプルップル。


「鹿乃子がスカート買った時もだけど、メグもアルファもサイズの指定も、聞かれもしなかったでしょ? 全生徒、職員のデータ持ってるから(たず)ねる必要が無いんだよ」


 なるほどー。商売柄、一目見れば判る人なんだと思ってた。


「「「「あはははははははははははははははははははは」」」」


 笑うな! さつき!かおり!ユリカ!メグ! お前ら四人、沸点低すぎ! 声をこらえてるルミを見習え! まぁ 結局こいつも笑ってるのは一緒だけどな!


 残りの三人からは[(あきら)め]な眼差(まなざ)しが突き刺さっておりますが、何か?


 わいわい騒ぎつつ、ホームルームに到着。


 挨拶しつつ中に入ればわたし達が最後だったらしい。


 全員から返事が返ってきて、わたし大満足。


 そして始まる授業風景は、需要も無かろうしカットで。


 いや、歴史の授業で記憶と食い違う内容にあたふたしたのが内緒とかじゃ無いんだよ?


 日本に投下されたはずの人類史上初核兵器が神の御力(みちから)で太平洋の真ん中に転移したから太平洋戦争と呼ばれるようになった訳じゃ無いことは判ったよ。こっちでは第二次世界大戦中の局地戦の呼称になっているんだね。


 二度目の爆弾をワシントンに転移したから日本は北アメリカ大陸を占領(せんりょう)出来たって事実も無かったよ。


 この世界では、神の守りが無かったらしい。


 あれ?そう言えば、あの時代から後って、神に守られていたの、日本だけだったぞ? 他には神様って居なかったとか?


 その辺はどうなっていたのでしょうか? 龍神(りゅうじん)様?


『他の神は人と関わるのが嫌になって、その時代には地球には残っていなかった』んですか? (りゅう)さんは何故残ってたの?


 あ、依り代(よりしろ)になった代々の巫女と過ごすのが楽しかったからと。有り難うございます。巫女冥利(みょうり)()きるとはこのことですね。


 そんな龍さんに嫌われちゃったあの人達って…  [(とら)()()る]はずが[龍の胃の中]になっちゃったんだね… (あわ)れ。


 笑うなよー。龍さん。 事実じゃん。


「鹿乃子の日本って、相当ハチャメチャだったんだねー」


 あれ? ユリカ? また口に出てましたか?


「ずーっとブツブツしてるから、結構不気味だったー」


 それはごめんなさい。 鬱々(うつうつ)とした何かがこみ上げてきていた気がするから、知らない間に落ち込んでたのかも。


 そんな訳で、クラブルーム入り口に到着した所です。


 歩きながら独り言(ひとりごと)を延々と…って、……不気味じゃん!


 気をつけよう。


「鹿乃子ちゃん… さっきからずっと全部口に出てますけど…」


 かおり? それホント? わたし全然意識してないんだが? もう、完全に癖になってる? 考え込むと独り言になっちゃうの? わたし、ひょっとして危ない()??


「「「「あはははははははははははははははははははは」」」」


 かおり、ユリカ、さつき、メグ。大爆笑。覚えてろ? ルミは無言でぷるぷるだから許す。


 何故か全員大爆笑。


 あれー?


「どこに居ても(にぎ)やかねー、あなたたちは」


 サリーがあきれ顔で此方(こちら)を見ている。ミュラ姫とご一緒にいらっしゃいました?


「一人で残ってるのも(さみ)しいじゃない。此所(ここ)でも簡単なお仕事ぐらい出来るって言うから来てみたのよ」


「ユリカちゃん、鹿乃子ちゃんに向いた依頼が来てるけど、どう?」


 どうって()いてるけど、[ハイ]か[イエス]の二択(にたく)なんじゃないんですか?ミュラ姫。


「あらら。読まれちゃったみたい」


「「「「あはははははははははははははははははははは」」」」


 だから、お前ら四人は沸点低すぎ!。ルミ。かおりに抱き付いてぷるぷるする位ならもう笑ったら良いと思うんだ。


 ミュラ姫。資料下さい。


「はい。ちょっと解りにくいかもしれないから…ユリアちゃんに教えてもらってね?」


 解りました。と、手を出して待っていると、わたしの携帯端末に着信音。紙の資料じゃないんですね。了解です。


 ポケットから端末を引っ張り出して、送られて来たファイルを開く。


『完成した艦載機の装甲が破壊出来るか試して下さい。開発部長』


 …


 以上、全文。 添付ファイルも何もない。


 言いたいことは、解った。


 只、何時(いつ)何処(どこ)で、誰が、どんな手段で行えば良いんですか?


「ユリア。教えて?」


 端末をぽいっとユリアに渡す。


 画面を見るなり机に突っ伏すユリア。


「「「あはははははははははははははははははははは」」


 何事?と画面をのぞき込んだユリカとさつきが大爆笑。


「あー…」


 かおりとルミは、何かをこらえるように口元を押さえた横を向く。


 ミュラ姫。[姫野(ひめの)グループ本部]の役員さんって、ほんっと個性的な方が多いですね。

後半に続きます。

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