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鹿乃子の日常奇譚  作者: みゆki
星暦二千百十一年一月
28/252

一月二十四日 e=MCスクエア

二十四日目です

 星暦二千百十一年一月二十四日 土曜日


 お早うございます。


 土曜日です。


 ついさっきまで、制服着て(かばん)背負って外に立ってました。


 二人とも遅いなーって考えたとこで気が付きまして。


 今日学園お休みじゃん。


 さつきに()きたいことあったのに。後お礼も。


 中央区、行ってみますか。


 着替えを済ませ、ドアを開けて外に出ると、かおりとルミがいる。


 なんで?と思ったら、


「さっき、鹿乃子(かのこ)ちゃんが制服着て表にいるのが見えまして」


 あ。見られてたんだ。そりゃそうか。


「私もお付き合いした方が良いかしら、って考えてたら手をポンってしておうちに戻られまして」


 そこはお付き合いいただかなくて大丈夫ですよ?。なんて(ばつ)ゲームですか?それ。


昨日(きのう)帰りにカミーラちゃんにおっしゃっていた言葉、思い出したんで、多分お出かけするんじゃないかと思いまして二人でお待ちしてました」


「付き合う。今日はどうせ(ひま)


「ご配慮(はいりょ)(いた)み入ります」


「鹿乃子。時々言葉が(むずか)しい」


 お礼を言ったらルミちゃんから首を(かし)げながらダメ出しでした。


「ありがとう。(よろ)しくね」


「了解」


 という事で出発。


 走って行こうか?と言ってみたら全力で拒否されましたね。




 チューブウエイでサクッと移動終了。


 いつものように玄関口へ突入。


 正面受付カウンターは、今日はリディアさん担当。


 手を振ってご挨拶(あいさつ)。するとちょいちょいと横を指差されまして、


 そちらを見れば小さめなカウンター。最初来たときユリカが突撃したところですね。ユリアが居るんでそちらへ向かう。


「お早う。来ると思ったから待ってたよ」


 それはありがとうございます。


 四人でぞろぞろと。


 さつきの部屋に向かわないんですか?


「カミーラもこっちにいるから彼女の研究室に行くよ」


 とエレベーターで地下へ。判ります。宇宙船の中ですね。


「おはよー!」


 とエレベーターから出るなり さつきの声が聞こえる。


 直通ですか?直通エレベータがありますか?


「元々宇宙船の中央部だからね。個別に出入り出来る部屋が多いんだ。この辺り」


 ユリアから補足説明です。ありがとうございます。中央だからと個別に出入り出来る理由が今ひとつ(つな)がりませんが。


「あー。宇宙船の成り立ちに起因するんで機会があったら自習してくれる?」


 (わか)りました。宿題を頂きました。


 それはさておいて、当初の予定を見失っておりました。


「さつき?何かどえらい代物もらったんだけど。」


 一昨日(おとつい)のお仕事。振込金額見て絶句いたしました。その前頂いた金額の倍近いんですよ。あれで総額の六分の一というのが信じられない。


 カミーラがあれで買えるよって言ってたから、裏返すとあの金額がないと買えないという事ですよね?


「あれ?カミーラちゃん?なんて説明したの?ちゃんとメンバーズの装備品て言った?」


「言った。…あれ?言ってないな。さつきから改造して渡してくれって言われたとしか」


「カーミーイーラーちゃーん。鹿乃子混乱してるじゃん!ちゃんと伝えてー!」


 あ。さつきがお怒りだ。カミーラの説明不足が判明。


「昨日ひどかったんだぞ?わたし(いじ)り倒されたんだぞ?言う暇なかったんだからな!」


「その件に関しまして、誠に申し訳ありませんでした」


 カミーラの反論が余りにも(もっと)もなので素直に謝罪。


 ちょーっと弄りすぎた自覚はある。反省はするけど再発防止対策はいたしません。


「それ、反省してないからな!」


 ですよね!わたしもそんな気がした。


 さっきから後ろで、わたしに付き合ってくれた二人が(もだ)える気配。


「うん。大変だったね!その調子で頑張って!」


 さつきの励まし?


「わたしの立場。現状維持?」


 叫ぶカミーラ。


「あはははははははははははははははははははは」


 (すみ)っこでぷるぷるになって必死にこらえてたらしいユリカがついに決壊。


 後ろの二人も巻き込まれた模様。


「鹿乃子ちゃん。専用のチャージャーと専用エネルギーパック五本。渡しとくね!」


「ありがとう」


 惨状を完全無視してチャージャーを手渡される。


「こっちは放置かよ」


 カミーラが騒いでる。気持ちは分かる。耐えて。


「エネルギーパックの形が違うね?」


 一般に販売されているパックは一型から五型まであって、乾電池の単一から単五とほとんど同じ大きさでプラス極の出っ張りがない感じなんだけど、これは四角い板みたい。


「公共機関や軍で使う高出力型だよ。普通のパック五百本分入ってます!」


「どうやって?」


 さつきのあんまりな説明に吃驚(びっくり)。大きさが。体積が三型パックとたいして変わらないよ?


「これ見てくれる」


 ユリアが何か手にしてる。針?


「直径一点五ミリ、長さ十五ミリ。中が直径一ミリ、長さ十四ミリのパイプなんだけど」


 そう言いつつ手渡され、


「中にこの液体が入ってます」


 今度は(あざ)やかな緑色の液体が入ったアンプルを渡される。


「市販のエネルギーパックの中身ってこれなのよ。後は保護用のパッケージ」


 はい?


 …


 え?これだけ?中身これだけ?パック一本で確か一般家庭用のエアコン、二時間ぐらい動かせるって聞いたよ?これで?


「あはは。パニクってるパニクってる!」


「さつき…静かに。で、この中に百分の一立方センチのエネルギー溶液が入ってて、それを電力に変換すると一キロワットの家電品が一時間運転出来るのよ」


「えー?」


「あのね?e=(エナジー・イコール)MC(エム・シー)スクエアって公式有るでしょ?」


「アインシュタインさんの公式」


「この溶液、比重が零点八あるんだけどそれで計算すると百分の一立方センチで千分の八グラム。計算で得られる電力って、約二十万キロワットアワーになるはずだからかなり効率悪いんだよ」


 えーと?


「実際には原液を五千倍に希釈(きしゃく)したものが入ってるから()れだけで理論値からかけ離れちゃうんだけどね」


 ……


「ユリアー」


「何?」


「鹿乃子、ゼンマイが切れてるよー」


「……あらら」


 ……は!


 ユリカの手が目の前で振られてる。割とよく見る光景だ。


「あー帰ってきた帰ってきた。おかりー」


「ただいま?」


 とりあえずお返事?


「どの辺まで理解出来たー?」


「無理」


「あはははははははははははははははははははは」


 ユリカの質問に正直に答えたらこれですよ。


「あー。じゃ、()いのがいっぱい入れてあるから強力だよって事で納得して?」


「うん。それなら納得()出来る」


 ユリアの簡略化したらしい説明に納得する。ちょっとやらしく感じたことは秘密です。


 (にら)まれた。上目遣(うわめづか)いになってて可愛い。ちょっと赤くなってる。


 …やばいから話戻そう。


「でも、危険じゃないの?そんなでっかいエネルギー」


 そう訊けば、んっんっと咳払(せきばら)いしてからお答えを。


「液体のままなら全然へーき。エネルギーとして取り出しちゃってから放出したら大惨事だけどね」


 その様に理解すれば良いらしい。うん。原理なんて理解不能です。安全に使えるようになってるって判ればOKって事で。


「昔から存在する乾電池一個だって馬鹿な使い方すれば火災になるんだから気楽に使ってくれ」


 カミーラから追加説明。使い方次第ですね。


「ただ、昨日渡したヘアバンドはチャージ終えた段階でエネルギーの(かたまり)なんで注意書きに書いといただけ。一応覚えとくように」


 おもむろに、持ってきたヘアバンドを取り出して


「怖いからお返しします」


 と差し出してみる。


「ほらー。カミーラが説明端折(はしょ)るからこうなっちゃう。ちゃんと安全性含めて説明して」


「…苦手。任す」


 ユリアが文句。カミーラはそっと横を向いて丸投げ。


「はー」


 深い溜息に、お疲れ様?説明よろ?と期待の視線を送ってみる。ヘアバンド前に出したまま。


 ユリア、それをがしっと(つか)んで作業台へ。


「あっ!」


 カミーラが悲鳴を上げる。


 金属の分厚い台があって、その上にバン!と(たた)き付けるように置く。


「わ。わ。やめ。待って待って」


 カミーラが慌てふためくが。


 いきなり近くにあったでっかい両手ハンマーでぶったたく。


 ガキーンとすさまじい音が響きまして。


 なんか凄い火花も飛び散ったぞ?


「と、このように頑丈さには定評があります。心配ないから装備してね?」


 と、(にこ)やかな、それでいて二、三歩後ずさりたくなりそうな笑顔で(のたま)います。怖い。怖いよその笑顔。


「じゃ説明したから色々修理してね。カミーラ」


 その笑顔のままカミーラを振り返るユリア。


 定盤(じょうばん)がー。とか、測定器が。とか、又 研磨(けんま)からやり直しだー。とか騒いでいたカミーラがビクッと。


 見ればバンドの部分があっちこっち破れてボロボロですな。


(わか)った。悪かった。反省した。すぐ(なお)します」


 とっても素直に従うカミーラ。表情がかなり引きつって、頭からでっかい汗が二つほど。完全に涙目になってます。


 頑張れ。


 ユリアが、別の作業台へとヘアバンドを持って修理に向かうカミーラを視線で追っかけます。未だにでっかいハンマー持った笑顔のまま。ホント怖いからね?


「もう。鹿乃子もそんな危険があるもの渡すわけないんだからビクビクしないの!」


 ごめんなさい。


 ユリアが真顔になって メッ! されました。


 …


 そこでずーっと笑ってる毛玉(ユリカ)に八つ当たりしても良いでしょうか?


 かおりとルミは…。さつきも一緒に隅っこで震えてました。怖いよね?さっきのユリア。やっぱ、怖いよね。


 四人で(うなづ)き合っていたら、ユリアに鼻で笑われた。ユリア最強伝説。


 いや、この状況で笑い転げてるユリカが最強か。


 ユリユリ最強。


「やめて。変なまとめ方しないで。とっても危険」


「あはははははははははははははははははははは」


 楽しそう。




「出来たぞー」


 しばらく、大人(おとな)しくお(しゃべ)りしていたらカミーラの声。


 とっても疲れた表情で、修理の終わったヘアバンドをぽいっと渡される。


 とりあえず、付けてみる。


「おお。変わってない。強度が凄い」


 昨日付けたときとおんなじ感触。凄い。頑丈(がんじょう)


「いやいや。かなり変形してたからな?さすがに。戻すの大変だったこと」


 壊れないんじゃなかったんですか?


 ギギギと振り返り、そっとユリアを見つめる。


「変形しただけでしょ?壊れたらこの部屋(へや)跡形(あとかた)もないわよ」


 アハハ、と笑い飛ばされました。


 変形するのは壊れた内に入らないようです。


 早まったかもしれない。


 肩をぽんと叩かれてそちらへ振り向くとユリカ。


「鹿乃子。それが壊れるような衝撃受けたとき、鹿乃子自身木っ端微塵(こっぱみじん)だからもう痛くない。全然へーき」


 へーきなのか?それ。まあ、気にならなくはなってるかな。その状況。


「判った。考えないことにすれば良いんだ」


 ぐっとサムズアップするユリカ。わたしもぐっと返す。


「ついに麻痺しちゃいましたねー」


「みんな通過する道」


 後ろでかなり怖い会話が交わされております。


「鹿乃子ちゃん。この後の予定は?」


 さつきに問い掛けられたので、


「帰って昼寝?」


 と返したら、


「「「「「それは違うでしょ?」」」」」」


 一斉に突っ込まれましたよ?


「いや、巫女さんやってた時って時間があれば睡眠取ってたからその(くせ)がなー」


 そう白状いたしましたよ。


不憫(ふびん)な子」


 目をうるうるさせたルミに言い子良いこと頭をなでなでされております。


「お前らさー。用事終わったならさつきの部屋にでも行けよ。わたしこれ研磨し直さなきゃだからさ」


 なんだかしおれた感じのカミーラが涙目のまま追い出しに掛かって参りました。


 こんなにへこんじゃってとユリアがひっぱたいた金属の台をなでなでして黄昏(たそが)れてます。


「悪かったわよ。それは私が研磨まで依頼出しとくよ」


 さすがにほっておけなくなったのかユリアが弁償を口にする。


「そうしてもらえると多少手間が省けるよ」


 なかなか浮上してこない。


「判った。判りました。本社に頼んで仕上げてもらいます。」


「ホントか?」


 徐々に表情が戻って参りました。


「私が八つ当たりの先を考えるべきだったからね。周辺の測定器も校正してもらうよ」


「ありがとう。助かる」


 ようやくぺかっと明るい表情に。


 但し、その他五名様は話の内容について行けないのでただ首を傾げて呆けたまま(なが)めているだけなんですけどね?


 そんな大事になっちゃうの?


 ふと、此方(こちら)、五人の様子に気が付いたユリアが、


「ああ。この台。精密定盤(せいみつじようばん)って言ってね?個人用のコミューターが二、三台買えちゃうお値段です」


 五人(そろ)って目を見開く。


「後、この周りのいろんな道具は精密測定器でね?さっき私がドカンした衝撃で多分、精度が狂っちゃって使えないと思うの」


 五人揃って(こお)り付く。


「定盤乗せてる台もひずみ取らないとだめかー。やっちゃったなー」


 言いながらどこかに端末で連絡を始めるユリア。


 固まったままのわたし達五人。


 いかにもほっとした感じのカミーラ。


 対比がひどい。


「か…カミーラ?」


 やっとの思いで声を掛ける。


「一体どれだけ被害が出たの?」


「中型のクルーザー一(てい)分位かな?」


 さらっと回答が。思い切って(たず)ねた結果がこれですよ。


「妙に(くわ)しいけど、ユリアも生産職の人だったんだね」


 感心して口にしたら、


「「「「そっちかよ。気にするポイントが違うでしょ!」」」」


 他四名様からダメ出しですよ。なんで?


 カミーラは口を開けたまま呆れてるし、ユリアは端末放り出して笑ってるし。


 その後五分と掛からず運搬業者の方が大勢やってきて、問題の一角にあった諸々(もろもろ)全て梱包(こんぽう)して運び出して行かれました。


「あー。社員割り利くかなー」


 頭をポリポリしながら呟くユリア。支払いに問題はない模様…。


「わ…わたしがぼけたせい?」


 恐る恐る質問いたします。


「いやいや。イラッときた原因はカミーラだから。実際壊したのは私。二人で乗っただけで鹿乃子に責任ないよ」


 えらく漢前(おとこまえ)なお答えです。()れて良い?


「やめろ。私はノーマルだ」


 即座に拒否られました。


「総会長予算から事故扱いで出しとくよ。カミーラ就業(しゅうぎょう)中だから通るでしょ!」


 端末を弄りながら、ここにも漢前な方が。


「通ったよ。OKだって!」


「「はー。ありがとう」」


 ユリアとカミーラ揃って深ーい溜息(ためいき)です。


 さつきさん。姉御(あねご)と呼んでも良いですか?


「ヤーメーテー!鳥肌立つー!」


「それはひどいと思います」


 あんまりな拒否発言に思わず叫んじゃう。


 周り爆笑。


 腕を抱え込んでさすさすしてるさつきとぷんすこのわたしを除いて。


 五人がヒーヒー言ってるとこにチャイムが鳴り響く。


「お昼だ。食べてく?」


 さつきの提案にみんな頷きます。


 行ってらー。と手を振るカミーラを巻き込んで全員で移動。


 ユリカに背中を押され、表情を落としてされるがままに歩くカミーラから哀愁(あいしゅう)が漂う。


 食堂に到着。土曜日なのに社員が多い。この前来たときも思ったけど。みんな休日出勤なんだろうか?


「鹿乃子はまだ知らなかったか。ここの従業員、月二十日勤務すれば休日は自分の好きな日に取れるのよ。連続勤務は二十一日以内としてるけどみんな割とフリーダムだね」


 そうユリアから説明された。


弊害(へいがい)で、たまに誰も居ない日なんてのも出来ちゃうけどね」


 てへっ!と舌を出して追加するさつき。


「そんな日は大抵メグちゃん達が来客の対応にてんやわんやしてますよね。あの子達、勤務日決まっちゃってるから」


「それを含めてのお給料でしょうに」


 かおりが受付嬢の苦労を口にすれば、即座に対価は払っているとユリアの経営者発言。


「警備部も似たようなもの」


 ルミが燃料、追加投入します。


 一から十まで楽ちんな仕事なんてないですよね。逆の仕事はよくあるみたいだけど。


 そう言ったら、ここの皆さんは、ご自分から苦労を購入なさりたがると返ってきまして。


 しなくて良い仕事まで進んで手を出す人が非常に多いそうです。残業してまで。


 そんな会話をしつつ、今日はスクリーンがないことにほっとしながら食事が終わる。


 いや、視線は半端なく飛んで来てましたけどね?始めから終わりまで。


 厨房(ちゅうぼう)も含めて、ほぼ全員から期待のこもったやつが…


 二週続けて娯楽提供はご遠慮(えんりょ)いたしたい。


 そう思ってぺこりとお辞儀をして退出しようとしたら盛大な拍手に送られました。なんで?


「今、社内注目度ナンバーワンだからね。鹿乃子ちゃん!」


 いらない情報でしたよ。さつきちゃん。がっくりと肩を落とす。


 仕事があるカミーラと別れてさつきの部屋へ。


 二度目の訪問はダイニングへ。


 初めて来た時の部屋は応接用の小部屋だったのでこの人数はちょっとつらい。 さつきの部屋はダイニングとキッチンが独立して分かれ、続き間になっていた。


 仕切っている壁を収納して約十坪の大部屋に。普段ダイニングは使っていないとのこと。


 のんびりお茶しながら水曜日の事件その後の展開を聴く。


 レイナさん。フルネームは、レイナ・モリオカさんと(おっしゃ)るそうで、無事部長職で新設の総部隊長という役になり、現場指揮主体の仕事となった模様。


 警備部部長には、同期で経理課長だった山中弥生(やまなかやよい)さん。更に大問題だった諜報(ちょうほう)課の課長さんは班長職に降格の上、停職三ヶ月。辞表を提出してきたが預かりとしてやり直せと。能力があるのは事実らしいが、色々内部事情を知っているので解雇出来ないのが本音だとか。当分は監視付きとなる模様。頑張れ。


 後釜(あとがま)は、安積(あづみ) (りよう)さん。男性で珍しいAクラス登録の能力者だそう。


「これで一つやっかいごとが減ったね!」


 とは、さつきの言葉。あと幾つあるの?やっかいごと。と訊いてみたら、


「…たくさん」


 と、遠くを見る目で一言。


 してはいけない質問でした。


 それをきっかけに、さつきとユリアの機嫌がマイナスへ触れ始めてみんなで回復作業が(こく)でした。


 内容は色々とさわりがあるので黙秘します。


 帰宅したら十二時近かったです。


 さすがに二週続けてのお泊まり会は遠慮いたしました。


 やれやれ。


 それでは、おやすみなさい。

二十五日目に続きます

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