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鹿乃子の日常奇譚  作者: みゆki
星暦二千百十一年一月
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一月十九日 帰宅

十九日目です

 星暦二千百十一年一月十九日 月曜日


 お早うございます。


 昨日(きのう)約束したとおり、待ち合わせ時間に外に出ると同時に かおり、()ぐにルミが出て参りまして。


 なぜか二人ともお腹に手を当て さすさすな状態。


「昨日、笑いすぎてお腹の筋肉痛がとっても痛いです」


「同じく」


 わたしはなんともありませんが?


鹿乃子(かのこ)が原因!」

 ルミちゃん。少々大きな声を上げて直ぐお腹を押さえ。


「痛いの」

 とうずくまる。


 それを見ていたかおりがお腹を押さえてうずくまる。


「わ。らわせ。ない。で。くだ。さい。まし。おなか。いたい」


 二人とも、全身がぷるぷるです。


 一般型のコミューター拾って登校することになりました。


 ホームルームに入ると、ここにも全身ぷるぷるが二人。


「っはよー」


「お早う。ユリカは元気なんだな。もしかして二~三日後に来るタイプの人?」


「違うしー。わたし。鍛えてるもーん」


 おお。四人のぷるぷるが高速化した。


「このぷるぷるエネルギー。回収出来ないかな?」


「あはははははははははははははははははははは」


 ユリカ、大笑い。四人は大悶絶中。


「「ひ……ひ ど い」」


「「や。めて。お。ね。がい」」


 息絶え絶えですね。


 結局、授業受けられる状態じゃなくて保健室に避難して行きました。




 戻ってきたのは二時限目に入る前。


「ひどい目に遭いました。早く鹿乃子ちゃん耐性獲得しないとお腹の筋肉割れちゃいます」


 そう言いながら、かおりが口をとがらせる。


「頑張れ。むきむきのかおりは見たくない」


 机に突っ伏したまま、ルミがぼやく。


「絶対に獲得して見せます」


 ふんす。とやる気です。


「それにしても四人とも回復早かったね」


「サヤカちゃん特性、超強力シップ」


「五分で痛みがなくなり(・・・・)ます!」


「…それ、麻酔って名前のお薬じゃない?」


 何で?と思って、回復が早かった謎を質問したらユリアとさつきの あんまりなお答え。つい成分疑っちゃいますよ。


「正解。弱くゆっくり長く効く。美姫(みき)センセ特性。湿布型の麻酔薬」


「筋肉痛は成長の印だから治療しちゃだめって言って、痛いのだけ取りましょうねって貼ってくれたの」


 ルミとかおりからお答え合わせいただきました。


「え?成長しちゃうんだ。じゃお腹割れちゃうね」


「いやーーーー」


 かおりちゃん顔を(おお)って大絶叫です。


「うちの子、いじめないで」


 ルミに怒られた。


 じゃれ合っていると二時限目のチャイム。自分の席に戻ってお勉強タイム開始です。




 授業が終わって、クラブルームです。


 五人揃って部屋に向かいます。


 さあ。


 今日もカミーラと向かい合って気のコントロール訓練です。


「張り切ってるとこ悪いけど、もうやることないぞ?鹿乃子」


 はい?


「鹿乃子、昨日自分で神気(しんき)の封印解除しただろ?」


 (りゅう)さんがやりました。


「そうか。まあいいや。んで、現在封印無しで神気の漏れがない」


 そうなんですか?


「…通常の気の方も、一般人レベルで安定してる」


 なぜでしょう?


「はあ…後はその超判りやすい体の動きを直せば良いだけだから、わたしの管轄外。OK?」


 是非引き続いてご指導のほどを。


 なんだかさっきから考えるだけでお答えをもらえる状態に戻っているのですよ?


「やだよ。そんなわかりやすいジェスチャー 直す自信皆無だよ。自分でなんとかして」


 そんなー。


 あー。また大爆笑して転げてる。毛玉っ娘め。


 まあいいや。お口で言葉にしなくても判ってもらえるのって、超便利だし。


「その考え方を ヤ メ ロ」


「えー?」


 あ、毛玉の動きが止まったよ?小刻みな痙攣(けいれん)になってますね。


「生きてるかーい?」


 とりあえず聞いてみる。


「わ」


「わ?」


「わ・らい・し…む」


 お顔真っ赤ですね。我慢は良くないよ?おてあ…


「トイレと違うしー。もうそれ以上ぼけるのやめてー」


 再びお腹を抱えてどったんばったん。


「息ぴったりだな。この二人」


 昨日の悪夢再来。


 カミーラとわたし以外。決壊しました。





「鹿乃子ちゃん 身体能力だけでもエスパークラスだし、先ず計測してみましょうか」


 ミュラ姫の提案で部屋の更に奥へ移動。広い廊下があって、両側にドアが沢山。


 その一室に入ります。


 スポーツジムとか言うところに置いてあるようないろんな機械がありまして。


 トレーニングウエアに着替え、体のあちこちにいろんなコードをペタペタと。


 測定開始です。





 おわりました。


 どんなことをしたかって?


 色々です。


「体力だけでエスパーAクラスですね。持久力はカミーラちゃんより劣ってるけど瞬発力は超えてますよ」


「五十メートル二秒切ってるもんね」


「垂直跳び十三メートル…」


「この前測ったときより倍位になってますね」


 ミュラ姫、ユリカ、ルミの呆れ声に答える。


「この前? あぁ、地球出る前の…えーと。ホントだ。ほぼ倍になってますね」


 やっぱり、有るんだ、入学前に測ったデータ。何やらタブレット端末を(いじ)りながら確認してる。


「鹿乃子ちゃんを保護してた人、地球の保護担当職員ですよ?姫野(ひめの)グループの」


 ミュラ姫?親戚の家庭に居候(いそうろう)してたんですが?


「という事にしないと余計に気疲れしちゃうでしょ?会ったこと無い人でも親戚なら少しは気が楽かなって」


「あー」


 わたし、母の実家も知らないや。そういえば。


 かけらほども疑ってませんでしたね。お世話になりました。


「ここに来て伸びたってより、あの封印が そもそも全ての元凶じゃね?」


「カミーラに一票!」


 さつきを始め皆さん(うなづ)いてらっしゃる。


「あっ。龍さんから。えーと。[鬼神様(きじんさま)(おっしゃ)るとおり]だって」


「「「「「「「あー」」」」」」」


 皆さん。同情のこもった視線が恥ずかしいです。見つめないで下さい。


 そしてカミーラ様。封印を解いて下さってありがとうございました。


「だから。様は ヤ メ ロ」


 どっと笑いが広がる。


 一拍おいて、ミュラ姫が


「じゃ、明日は鹿乃子ちゃんが習っていたという護身術の確認をしましょうか。対人経験って有りますか?」


「えーと、組み手位」


「判りました。明日の授業終了後に確認できる様 準備しておきますね。カミーラちゃん何か確認したいことありますか?」


「明日で良いよ」


「他のみんなは?」


「「「「「明日で良いでーす」」」」」


「何かあるって事ですか…そうですか」


 明日は体調不良になってお休みしようかなー…


「だいじょうぶですよ。そんな無茶なことするわけじゃないですから。…多分」


 多分て言ってますよ。怖すぎますよミュラ姫。


「まあまあ」


 まあまあじゃ無くてですね。おーい。


 結局押し切られましたよ。着替えて帰宅準備ですよ。


 他の皆さん? 笑って(なが)めてやがりましたが何か?


 特にカミーラの笑顔がとっても素敵だったのが最も怖かったです。




 帰宅ルートですが、かおりとルミ。公園突破コースで通学でした。


 意外と多いらしいです。特に運動系のクラブ所属者に。


 駆け足で三分位と言ったら絶望的なお顔をされておりまして。


「せめて駆け足十五分にしよ?」


 と仰いまして。三キロ無いですよ?


「いやいやいや、一キロ一分の駆け足って時速六十キロですからね?コミューターの市街地最高速度と同じですよ?」


 あまりに必死なご様子なので、どのくらいなら普通ですかとお聞きいたしましたら、ルミちゃんから


「歩いて四十分。小走りで二十五~三十分。一生懸命走って十八分」


「歩いては(わか)るけど、随分(ずいぶん)ゆっくりですね」


「「ゆっくりじゃ無いよ?世間一般の人はそんなもんだからね」」


 お二人同時にお怒りです。


「私たちじゃ汗をかかずに急ぐなら十分が限界です」


 汗をかいても良い場合はどうなんでしょう?


「「五分で勘弁して下さい」」


 それはそれは丁寧なお辞儀(じぎ)を頂いてしまいました。どうしましょう?


「かおりと二人。いつも三十分で歩く(・・)。他の生徒が驚愕する」


「運動部の方がジョギングで移動するのと変わらない速さで歩いてますから、それはもう吃驚(びっくり)してらっしゃいますよ?」


 あれー?それってわたしを見たらどうなるんでしょうか?


「絶望する?」


「えー?」


「一週間程度で皆さん慣れて下さると思いますけど…メンバーズクラブ所属はもう結構広まってますし」


 所属してると問題なくなるの?


「それはもう。ユリカちゃんがやらかしまくってますから。皆さんメンバーズクラブ所属と言えば納得して下さいますね」


 結構問題児?


「名物少女?」


「多分そんな感じです?」


 そんな()り取りをしつつ。


 それでも二十五分程度で帰宅。三人して軽い小走り位の早さで帰ってきましたよ。


 明朝の時間を約束してそれぞれの部屋へ。


 今朝の待ち合わせ時間ちょっと早いなと思ってたんだけど、そうかー。普通の人は一キロ一分で移動しないのかー。


 新事実が判明いたしました。


 町中(まちなか)でみんななぜこんなにゆっくり移動しているんだろうと常々不思議に思いつつ合わせていたんですが。


 走っても歩行速度の倍ぐらいにしかならないんですね。しかも走ると()ぐ疲れてしまって長く移動出来ないと。


 知らなかった。


 コミューター使う方が時間が掛かるなと思ったのも もっともなことですよ。


 普通はあれでも充分速かったんだとは。


 じいちゃんもその辺教えてくれなかったしなー。


 いや?そういえば、クラスの遅い方から五人くらいをよく見て走り方まねしとけって言われたな。


 意味分からず言われたとおり、してたんだ。


 そーゆー事だったようです。


 明日から気をつけたいと思います。もう手遅れかも知れんけど…



 今日もゆっくりお休みしますよ。また明日も良い日でありますように。



 それでは、おやすみなさい。

二十日目に続きます

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