一月十八日 (前編)頼みがあるんだけど
十八日前半です
星暦二千百十一年一月十八日 日曜日
今日はっ。お昼です。十二時過ぎてます。
周りは屍の山です。
あきれ顔でみんなを眺めているカミーラがとっても怖い顔してます。
「お早うございます」
と挨拶してみる。
「お早う。今 こんにちはって言いながら起き上がってなかったか?」
「こんにちは」
挨拶、やり直します。
「いいよ、別に怒ってるわけじゃないし。元々こーゆう顔だ」
やっぱ気にしていらっしゃる。ごめんなさい。凜々しいお顔でした。
「いちいち、言い直さんでよろしい。メグ達はさっさと仕事行ったぞ?。わたしもさっきお昼摂ってきたし」
おお、さすが社会人は違います。受付嬢の四方はきっちり定時に出社及び帰宅されて行ったそうです。
しっかりシャワー浴びてから。
そういえば、夕べは順番にお風呂入ったけど、凄かった。
五~六人いっぺんに湯船に入れるよ?のんびり伸び伸びで。詰めれば十人位楽勝?
みんなで入ったらきっと溺れる人がいただろうな。
絶えず誰か床を転げ回ってたから。
等と思い返しておりますと。
「んー」
と言う声とともに起き上がるのはミュラ姫。
「鹿乃子ちゃん、カミーラちゃん。お早うございます」
と、ふわふわした感じでご挨拶。
「お早うございます。睡眠足りてます?」
「だいじょうぶ。七時間も眠れたから平気ですよ。鹿乃子ちゃんこそだいじょうぶ?」
「わたしは五時間も眠れれば充分なので今日は寝過ぎた位」
「鹿乃子ちゃん位だったら八時間は睡眠時間あった方が良いと思いますけど」
「何分、少し前まで三時間眠られれば良い方だったので」
「なるべく多めの睡眠を取って下さいね?」
「ありがとうございます。努力してみます」
そんな会話を交わす。
そうか、五時間じゃまだ少ないのか。もう少し延ばしてみようかな。
「おあよー…」
「ユリカが四番だ」
「鹿乃子早過ぎー。起きる前に悪戯しようと思ったのにー」
「させないよ?」
「ふふふ…」
ミュラ姫に笑われちゃったよ。
「じゃーさつきちゃんに悪戯するー」
「しなくて良いから」
「やだー。つまんないー」
「おま、子供じゃないんだからさ」
ユリカとじゃれていたらさつきが起きた。唐突にガバッと。右手を高く上げて。
「ユリカちゃんのほっぺになるとを描きます!」
「描かなくていいよ?」
「描きたい描きたい!」
「あはははははははははははははは」
なんなの?この娘達。これがデフォルト仕様なの?
「んふふふふ。朝から元気ねぇ」
いや、ミュラ姫?もうお昼。
「あら、お昼なのね。ゆっくりし過ぎちゃったかしら」
「おーひーるー?おーなーかーすーいーたー」
「なー?だめだ。かおり。それはパンじゃない。わたしのほっぺだ」
あー。かおりとルミも起床。
「さつきちゃん。赤のサインペンをください」
「はーい。わたし青使う!」
「二人とも。何をしたいかだいたい判るけどやめなさい」
ユリカとさつきがサインペン片手にユリアに向かってるんですが。
起きろ。ユリア。大惨事の予感しかないぞ。
「ここはあたしも参加した方が良いのかしら?」
ミュラ姫までサインペンを手にしたぞ。ユリア。起きろ。
「鹿乃子が呼んでる?」
良かった。通じましたよ。
ガバッと跳ね起きて辺りをキョロキョロするユリア。
しばらく、近づく途中で固まったユリカたち三人の顔を見て、視線を手元に持って行く。
三人揃ってペンを持った手を背中に隠します。そして後ずさる。
「なーにーをー。する気だー?お前らー!」
叫ぶと同時に立ち上がる。
「「「おこったー」」」
一斉に逃げ散るユリカ、さつき、ミュラ姫。
「かおりー、ルミー。顔あらお?」
「はーい」
「わかった」
答えつつも四人の鬼ごっこを見ているね。
「ほっといていきません?混ざりたいんなら止めないけど?」
洗顔に向かう模様。連れ立って移動です。
カミーラがひらひらと手を振ってお見送り。
三人でさっぱりして戻ってきたら死屍累々。四人揃ってぐったりと。
カミーラがさっき居た場所にいない?部屋の反対、隅っこに避難していらっしゃる。
肩をすくめて処置無しのポーズ。了解です。
「着替えて食事にしようか?」
と二人に問えば、無言で頷き返します。
三人で着替えてダイニングルームに向かいます。
既に、テーブルの上に食事が用意されております。
できたて状態で三人分。
「凄い。何も言わないのに用意されている」
思わず零す。
「こーゆーのはタイミングが命だよー。起き出した気配を察知して準備するのだ」
説明しながら新たな食事をのせたワゴンを押して、メグが入ってくる。
「残り四名 気が済んだみたい?」
ほっといて良いものなのか心配なので訊いてみる。
「着替え始めたみたいだから もうすぐ来ると思うよー」
「どっかから見てるの?」
「気配察知という技能です」
「そんな技能があるんだ。これ 頂いても?待った方が良い?」
「冷めないうちにどうぞー。早く来ない娘がいけないんだから」
「「「いただきます」」」
うむ。とっても美味しい。例える言葉なんて知らぬ。わたしはリポーターではないのだ。
「美味しいねー」
満足げに声を上げるかおり。ルミは無言で集中している。
三人でもぐもぐしていると、
「おいてけぼりにされたー」
「美味しそうな匂いだ!」
「はしゃぎすぎましたー」
「えらい目に遭った」
四者四様、騒がしくやってくる。
因みに、ユリカ、さつき、ミュラ姫、ユリアの順。
「なんでメグがおさんどん?」
メグを見るなりユリアが?顔。
「あんた達いつ起きるかわかんないじゃん。専属スタッフに押しつけられたよ」
腕を組んでプンプン顔です。おこ?おこですか?メグさん。
「メグちゃん!」
思わず[さん]呼びで考えた瞬間、ぐりんと顔を向けられまして。
「あい。了解」
ちょっと怖かったです。
「メグちゃん。勤務時間中ですよね?にゃんこさん。装備しなくて平気なの?」
ミュラ姫は〔にゃんこさん装備〕お気に入りの模様。
「あんた達相手にそんなものいりませんよーだ」
ぷーんと顔を背けるメグちゃんは かなりご立腹の模様。
「「「「ごめんなさーい」」」」
「よろしい!」
そしてやっと配膳が始まった。後から来た四名様、お許しが出た模様。
良かったね、鬼ごっこ始めなくて。とルミとかおりに視線を送る。
二人ともぶんぶんと頷いております。
やっと全員の食事が終了。お茶を頂きのんびりタイムです。
「この後の方針は?」
ユリアが質問を飛ばす。
「頼みがあるんだけど。良い?」
思い切って声を上げる。
みんなの視線が集まる。
「夕べ、久しぶりに龍さんの声が届いたんだ」
視線で先を促される。
「カミーラの封印はとても良い封印で、神気を押さえているにもかかわらず、淀みなく体内を巡っていると」
頷きが返る。
「ただ、以前の封印で淀んだ神気から澱が生まれ、もうすぐ穢れに変わると」
一度切って続ける。
「穢れに変わる前に一度 澱を放出したい。封印をどこか人里離れた場所で解いて欲しい。樹木が多く有る方が良い。そう告げてきた」
まっすぐにカミーラを見る。
「人の住む場所からどの程度離れれば良いか判るか?」
そう訊かれ、
「うん、感覚で伝わってきてる。半径百キロ位かなぁ」
と、答える
「ユリカ、良い場所知ってる?」
カミーラからゆりかへ質問が飛ぶ。
「森の中って事は自然の浄化に任せようって事だろうけど…」
ユリカがそう言いながらユリアの方に視線を送るとユリアが答える。
「日本列島(仮)しかないっしょ。まるっと自然保護区だし。」
…突っ込みません。今真面目なとこ。
ミュラ姫…何でガッカリ顔してますか?ちょっとはっちゃけ過ぎてません?
そこの二人組はなぜ後ろを向いたんですか?肩、ぷるぷるしてませんか?
「「「あはははははははははははははははははははは」」」
ユリカと一緒に さつきとメグまで大爆笑。
「決壊しちゃった」
「だからさ。鹿乃子わかりやすすぎ…」
ユリア。額を押さえて頭を振ってます。
「しりあすがぜんぜんもたねー」
カミーラはテーブルに突っ伏した。
だってなー。何で(仮)なんだよ。(仮)がなきゃこうならないじゃん。(仮)って付けたやつ呼んで来いよ。
ぷくーと膨れてみる。
全員決壊しました。
後半に続きます




