表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鹿乃子の日常奇譚  作者: みゆki
星暦二千百十一年一月
17/252

一月十五日 校医さん

十五日目です

 星暦二千百十一年一月十五日 木曜日


 ものすごく懐かしい夢を見たな。


 ものすごく嫌な夢でもある。




 目を開けたらユリカがのぞき込んでいる。


鹿乃子(かのこ)。ごめんなさい。」

 ずっと泣いていたみたいだ。


「目が真っ赤」


「鹿乃子もね」


 わたしもか。ちょっと(まぶた)に腫れた感じはあるな。


「大丈夫。ちょっと変なスイッチはいっただけだから」


「大変だったの、知ってるから」


 首を振りつつ答えるユリカ。


「詳しいお話はまだ出来ないけどね?鹿乃子がこの街に来れるようにちょっと頑張ったの」


「すっげー謎な台詞ありがとう。突っ込んだ方が良いのかな?」


「任せる」


「話せるようになってからでいいや」


「ありがとう。そんなに待たせないと思うよ?」


「了解」


 起き上がろうとしたら、背中やら腕やら結構痛い。


 ユリカが補助してくれて、やっと起き上がる。


「すっげー筋肉痛なんだけど?」


「昨日丸一日寝ていたからだねー」


 調子が戻ってきたみたいだ。


 ほれ、と端末の画面を向けられる。一五日だと?一五時だと??マジか???


「ユリカがミュラ姫の気配まねして、わたしが怒って偽装が解けただろ?」


「うん」


「あの、誰かが別の人に変わるのが効いたらしい」


「まるっと他人(ひと)事だね!」


 説明したら怒られた。何でだ?


「あぅ、ごめんなさい。八つ当たりだった。そうかー。そこに引掛かっちゃったんだ」


「多分、もうへー気だと思うよ?ここに来る前の半年で充分リハビリ出来てるし、気配なんて感じる訓練したのが初めてだったから大げさに反応したんじゃ無いかな」


 大雑把に感じたことを話してみる。


「うん。サヤカちゃんの見立てと一緒。ホントに平気そーだね。良かったよー」


「だれ?」


「学校の校医さん。美姫(みき) サヤカちゃんっていってね」


「おま、年上をちゃん呼びって、…今更か」


「そーそー。いまさらー」


 馬鹿なことを言い合っていると部屋の外がざわざわと、そういやここどこだ?


「中央区の病院よ。一応、大事を取って入院してもらったわ」


 初めましてな女性が入ってきた。その後ろにいつものメンバーが大勢。


美姫みき先生?」


 さっきユリカが口にした名前を呼んでみる。


「初めましてだね。ユリカちゃんみたいにサヤカで良いわよ?こいつらも大概(たいがい)名前呼びだし」


 と親指でくいっと後ろの連中を。


 結構身長高いな。綺麗な軽く癖のある長い髪。光の加減で(あお)く光っているが、染めてる?目が猫みたいにくりっとしててかわいい系の美人さん。


「ご心配をおかけいたしました」


 みんなに向かってぺこりと頭を下げる。


「あー、へー気へー気!心配してたのユリカちゃんだけだし!」


「さつきちゃん?それはひどいと思いますよ?少なくとも私は心配してましたからね?」


「かおりも大概。さつき以外、みんな心配してた」


「ルミちゃん!?」


 相変わらず辛辣(しんらつ)だなこの二人。


「申し訳ない。もっとゆっくり慣らすはずだったんだが、こんな一気に覚醒すると思わなくて」


 カミーラが頭を下げてくれるが、


「大丈夫だよ?さっきまで(うな)されてはいたみたいだけど懐かしいなーとか思える程度には平気になってるし」


「強いわね!どうゆう精神してるかなこの子」


「じいちゃんに鍛えられたからかなー」


 そう答えたらサヤカさんに呆れられた。


「それじゃ、私はユリカを家に置いてくる」


 そう言うとユリカの首根っこ辺りを(つか)んで部屋の外に出て行くユリア。


「やー。まだここにいるからー。はーなーしーてー」


 それを見送って困ったように(つぶや)くさつき


「あの娘。丸二徹(にてつ)なのよ」


「うえ?」

 それは申し訳ない。ありがとうユリカ大明神。


 ぱん!と、ユリカが引きずられていった方に手を合わせる。


「なむなむ」


 スパコーン!と小気味よい音が。


「それは不謹慎だからな?病院だぞここ」


 まねして手を合わせ、お経もどきを(とな)えたルミがカミーラにどつかれる。


「そうだった。失敗」


「学園でなら許す」


「了解」


 敬礼で答えるルミ。ゆるされちゃった?大丈夫か?この連中。


「仏教イコール弔事(ちょうじ)って考え方もどうかと思うんだけど…」


 と、その様子をあきれ顔で見ていたサヤカさん。


「じゃ、これから脳波と精神波の検査、後 採血やら念のためいくつか検診ね」


 あー、採血ですか。注射嫌いなんだけど。


「検査で注射針なんて使わないから平気よ?チクリともしないで採血出来るから安心なさい」


 と、サヤカさん。久しぶりに考えただけでお答えがいただけました。便利だなー。


「採血って聞いた途端、腕を抱き込めば、だいたい、誰にでも察しが付くと思いますよ」


 ミュラ姫が呆れた顔で(おっしゃ)います。そうですか。動いてましたか。


「じゃ、なんともなければ明日退院。みんなはこれで解散。で大丈夫?」


 そうサヤカさんが声を掛ける。


「判りました。それじゃ月曜日に学園で待っていますね」


 とミュラ姫。


「まだ顔色少し悪い。ゆっくりする」


「それじゃ、また学園で」


 ルミとかおりが続く。


「土日、暇になったら連絡ちょうだい。ユリユリペア引っ張っていくから!」


 さつき。その省略の仕方は危ない。


「月曜のクラブまで気の訓練はやめておくように。少し間を開けた方が良さそうだ」


 カミーラもそう告げて出て行く。


「副会長もありがとうございます。中まで来てくれても良かったんですよ?」


 扉の外で待つユウジ副会長に声を掛ける。


 女子の病室だから外で待ってくれたみたい。


「無理しないようにな」


 手だけ振って見せて、帰って行った。なんかかっこいい。


「かっこいい?惚れちゃった?」


「それは無いです」


 即答したら 何か、すごく残念なモノを見るような目を向けられた。何で?



 その後、次から次へ、いろんな機械に放り込まれ、あれこれ調べられること三時間。


 やっと開放された。もー動きたくありません。


 夕食はふつーにおいしかったです。お風呂にも入れてさっぱりです。



 それでは、おやすみなさい。

十六日目に続きます

明日投稿の予定。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ