一月十三日 刺激
十三日目です。
ちょっと事件発生
星暦二千百十一年一月十三日 火曜日
昨日に続き公園経由で登校。
「お早う」
とホームルームに入ると、
「「?」」
ビクッと此方に振り向くルミとかおり。
「おはよー」
ユリカはいつも通り。あれ?
「どうかした?この二人」
「鹿乃子の気のまとい方がふつーの人と同じになってるから絶賛戸惑い中。だと思うー」
ユリカの答えにぶんぶんと首を振る二人、絶賛縦方向。
「昨日の今日でなぜ?」
納得いかん。と、ルミが騒ぐ。
「違和感なく ふつーの人状態ですね。昨日までだったら、校門当たりから存在感絶大だったのに。ホームに入ってくるのにも気づけませんでしたよ?納得できません」
かおりも絶賛困惑中の模様。
戸惑ってるのこの二人だけなんだよなぁ?…
あれ?いつもならここで答えが来ても良さそうな。
「ユリカはふつーじゃん。何で?」
口にして訊いてみた。
「あたしは元々気配で人を見分けてはいないのだー」
「この子は特別。参考にならない」
「ちょっと能力が特別すぎて、扱いに困ることがよくありますねぇ」
ルミとかおり、ユリカの扱いがなかなか雑。
気にした様子も見せないユリカは…大物なんだよな?きっと。
「鹿乃子が気の扱いマスター出来たら説明するねー。今話しても頭に入んないと思うしー」
そうですか。それで?現状はどうなっているので?
わたしも絶賛混乱中ですよ。ユリカさん。
戸惑っていたら教室の入り口から声。
「おはよ!鹿乃子ちゃん。神気収まってるね!おめでとー!」
さつきとユリア。それは本当ですか?
「お早う鹿乃子。考えてる事かなりわかりにくくなってるから言葉にしてくれるとありがたいかな」
「ああ、ごめん ユリア。今まで思った途端に答えが返ってきてたからすっかり癖になってた」
「あははははははははははははははははははははははははははは。」
笑う毛玉が誕生した。何がおかしいんですかね?小一時間ほど問い詰めたい。
「まぁ、今考えてる事は察しが付く。ほんとーにユリカはねー」
ユリアが額に手を当て しみじみと。
頷く一同。
「とりあえず、鹿乃子ちゃん、ダダ漏れの気が無くなったって事!良かったじゃ無い!でも一日で止まるって凄いね!」
「何にもしてないんですが?」
さつきの言葉にますます困惑が深くなりましてね?
あれやらこれやら心配しつつ午前の授業。半分位聞き流してたな。成績の心配まで増えました。
お昼休み早々、試しに訊いてみたら、カミーラがお昼にクラブルームにいるというので、食事そっちのけで向かう。
「おー。見事に安定してるな。予想外」
「それは、この後どうなるか予想が付かないという…?」
「それは無いよ。多分適当な封印の重ね掛けで、これまでの状態が異常だっただけだろ。心配ない」
開口一番、ますます不安なお言葉に心配を口にすればこれが正常とのお答え。とりあえず安心です。
ありがとう!カミーラ様、崇めて良いですか?
「それはヤメロ」
あれ?色々漏れなくなったのでは?
「人に向かって手を合わせたり、想定外の答えで動きが止まったり、表情変化少ないくせに 分かり易すぎ!」
行動に問題が山積みだった模様。納得したと手をポンッとしたら、それは見事な溜息を頂きました。
授業が終わったら予定通り神気と通常の気(衛気と真気があるんだそうな)、両方を薄めるコントロール訓練と指示をいただき、午後の授業に戻る。
今日の授業が終わり、現在クラブルームに向けて移動中。
途中購買に寄って焼きそばパンとパック入りミルクコーヒーを購入。結局お昼は食べ損ねましたが何か。
部屋に到着。適当にソファを占拠してかなり遅めのお昼をもぐもぐと。
「ユリカ。こいつ馴染むの早過ぎね?」
「そりゃ、鹿乃子だもの」
「なるほど」
カミーラ様とユリカの謎の会話が繰り広げられております。なぜそれで納得されていらっしゃるのでしょうか?
「鹿乃子、[様]付け禁止な」
「なぜばれた?」
「あはははははははははははははははははははははははははははは」
不思議に思って声を上げれば笑う毛玉爆誕。
楽しそうで何より。お昼に戻ろう。もぐもぐもぐ。
お昼を終えて、カミーラの指導により訓練開始。
とりあえず、自分の存在感が薄れていくのをイメージしつつ、周りのメンバーを観察。
正面のカミーラはじっとこちらの観察中。
隣のユリカは後ろを向いてミュラ姫とお話中。
さつきとユリアは端末に街の地図を表示して打ち合わせ中。
かおりとルミは何かのレポート作成中?課題じゃ無いよな。まだそんなの出てなかったはず。
副会長は今日も別のクラブ活動中。らしい。
自分以外の様子をうかがうことに集中していたら突然、
「鹿乃子、今の状態が気の放出ゼロ達成な」
と声を掛けてきたのでビックリ。
「はい?」
「あ、元に戻ったか。どんな状態でいたか理解出来てる?」
反射的に返事を返したら自己分析出来ているかを問われる。
「他のメンバーが何をしてるか気になってそっちに集中してました…」
正直、自分がどうなっているか全く失念してたね。
「まあいいや。観察対象に自分を含めてもう一回」
「はいー」
もう一度。自分が存在しないイメージを強めつつ周り…じゃなくて部屋全体を観察…。
みんなの意識が隣に集中。さっきまでユリカが居た場所にミュラ姫。向かい合ってお話ししているのもミュラ姫。と、いう事は。
「ユリカー。」
わたしの隣、ソファの座面に後ろ向きで正座していたはずのユリカのお尻をはたく。ペちっと小気味よい音。
「うきゃ?」
叫び声とともに隣のミュラ姫がユリカに変わる。
「なんて悪戯してるのさ。吃驚するでしょうが!」
ミュラがユリカに?あれ?
「ごめんね、少しは刺激が必要かな…って、鹿乃子?」
「あ、やばい。ミュラ、校医に連絡。ユリア!ストレッチャー」
なんだか周りが騒がしい?
えーと…
十四日に続きます。
次回、ちょっと鬱な説明展開です。
苦手な方は飛ばしていただいても良いかと思います。




