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有能なメイドは安らかに死にたい  作者: 鳥柄ささみ
2章【告白編】

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24 愚痴

「……疲れました」

「お疲れ様です」


ロゼットが苦笑気味に愚痴聞きしてくれる。2人きりのときの家事は、こういう個人的な話ができるから、ちょっと落ち着く。


今は昼食準備中だが、ロゼットもだいぶ手慣れたようで、会話しながら調理ができるようになってきた。


「ペルルーシュカ様は悪い方ではないのだけれど、どうにも話を脱線するというか話が迷走するというか」

「ふふ、それでよく姉も振り回されてました」


お話好きな方なので悪気はないのでしょうけど、思ったことをぽんぽん話す方なんですよね、と言われて確かにその通りだと改めて思う。


ロゼットも過去を懐かしむように話す。ロゼットの姉とペルルーシュカはお互い趣味は似ているけど、こういう性格の違いからあまり仲が良くなかったらしい。


というか、話し振り的にロゼットの姉が一方的にペルルーシュカを嫌っていたようだ。確かペルルーシュカは一人っ子であったし、そういう部分が性格に現れているのだろう。


私も興味の範囲が広いので、思考はとっ散らかるほうではあるが、ペルルーシュカのそれはどうにも私を超えている。悪いことではないのだが、会話する上では疲れることこの上ないのだ。


「ペルルーシュカ様は多趣味でいらっしゃるから、引き出しも多くて色々なことをご存知なんですよ」

「そうなんですね」

「えぇ、珍しく外遊もなさっているようで、リーシェさんのように他国語が話せるとか」

「そうなんですか。知りませんでした」


先日の会話ではそういう話題は出なかった。たまたまだろうか。


「ロゼットさんはよく覚えてますね」

「えぇ、無駄なことを覚えるのが得意というか。好きなんです、人のことを知るのが」

「人好きなんですね。私は自分が重要だと思わない情報以外はサッパリで」

「人好きというか、……実は私、ちょっと書き物をしてまして。そういうのに役立つのです」

「書き物?え、ロゼットさんが?」

「えぇ、お恥ずかしながら」


鍋のポトフを掻き混ぜながら恥じらうロゼット。年上に可愛らしいというのも失礼だろうが、可愛らしい。というか、物語好きなのは知っていたが、まさか自分でも書いていただなんて。


「凄いですね!私、文章書くのなんかからっきしで。書けるものと言ったら書簡のような堅苦しいものばかりしかできないんです。だから、物語を書けるなんて本当尊敬します!あの、もしよければ、読ませていただけませんか?」

「え、そんな!リーシェさんに読んでいただくような代物では」

「ぜひぜひ!私、先日ロゼットさんからいただいた物語からハマり出して、今、物語を読みたい欲求に駆られているんです」


そう。何を隠そう、先日誕生日で肖像画ともう1ついただいたプレゼントの書物を読んでからというもの、読書欲求が急上昇中なのである。今まで読んだことのなかった部類の恋愛小説だったのだが、見事にどハマりしたのだ。


あまり恋愛ごとに疎かった私でも、ドキドキと胸が高鳴り、続きが気になってしまって一気に読破してしまった物語。あの感動が癖になって、あれからちょこちょこ恋愛モノを読むようになったのだ。


船旅にいくつか持っていこうと算段していたくらいにはハマっているし、持っていくならシリーズモノであれば全巻持っていきたいくらいの勢いである。


長い船旅、暇はたくさんあることはわかりきっているので、暇を埋めるための読書は大事だし、今回このように素敵な物語をくれたロゼットには大変感謝している。


「まぁ、そうなんですか?では、ぜひまたオススメのを紹介しますね」

「えぇ、船旅に持って行くので、オススメもお願いしたいです。が、ぜひともロゼットさんのお話も読みたいです!」


ロゼットに顔をずずいと近づける。私の様子に、眉を下げながら苦笑するロゼット。


「……拙い文章ですし、恋愛モノですよ?」

「もう恋愛モノが読みたいです!ぜひとも読ませてください!!」


まさに懇願と言った様子でお願いする。こういうおねだりはあまりしないが、末っ子気質ゆえか、おねだりしてダメだったことはあまりない。


「……もう。わかりました、では今夜お部屋でお待ちしてますね」

「ありがとうございます!楽しみにしていますね」


内心でガッツポーズを取る。ちょっとペルルーシュカによって疲れてた気持ちが浮上した。夜の楽しみができて、私はホクホク顔でメインディッシュの魚のソテーを仕上げる。


会話をしていても、手元は狂わない。それができるメイドクオリティーだ。

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