9.ゴーレム戦 ~縛りプレイを添えて~
やっぱり戦闘シーンが下手な気がする。
そんなこんなでログアウトいたしました。
とりあえず寝ましょう。もう結構眠いです。
というわけで朝です。カエデに連絡したら今日も遊ぶとのこと。
ただ、10時までは宿題をやりたいらしく、どうせ終わってないんだからルナもやったら?
と言われた。なぜ分かったし。
しかし宿題ねぇ。…どうせそんなことやっても意味なんて無いのにね。
現実なんて変わらないし、別にどうでもいい。そもそも興味ない
…あぁダメだ。どうしても思考がマイナスになっちゃう。
ゲームをやってる時は何も考えなくて済むのになぁ。
でも、終わらせないと怒られるしおとなしく宿題やりますか。
10時になったので宿題は終わりです。
さっさとログインしましょう。
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「ふぅ……あれ?」
いつの間にか狼はいなくなってる。
でも怪我が直ったなら良かった。もしかしたらまた会えるかもしれないしね。
「お待たせ、ルナ。…あれ、あの狼いなくなっちゃったんだ」
カエデは結構動物好きなんだよねぇ。
「まあ、残念だけどしょうがないよ。…それで?今日はゴーレム倒すの?」
「もちろんよ。マップを見る限りここからそこまで遠くないわ」
「じゃあ行きますか」
はい着きました。山頂です。山脈のちょうど真ん中ですね。
…いや、途中別に何も無かったというか、特別変わった敵もいなかったからしょうがないよ。
「かなり楽だったわね、本当ならもう少し大変だったんだけど」
「というと?」
「私たちは大きく回り道をする形で進んできたの。道は険しかったけどその分敵もほとんどいないのよ。ただ普通の道は緩やかな上り坂だから敵も多いの」
「ふ~ん、ただの偶然なのかな?」
「あの狼のこと?」
「うん。条件もよく分からないけど、何かの隠しクエストだったんじゃないかなって」
「あり得るかもね。ただ、今はゴーレムに集中しましょう」
「そうだね、だって縛りプレイだもんね」
「縛りプレイって…」
「だってそうでしょ?魔法を使わないなんてさ~」
そう。ゴーレムの核というレアドロップ品の取得条件。
それは魔法を一切使わないということだ。
ちなみにゴーレムの弱点は魔法であり、物理には高い耐性を持っている。
「どうやって倒すの?」
「一応魔力だけならセーフだからそれでなんとかするしかないわね」
うーん、楽しくなってまいりました。
やっぱりゲームって難しくないと面白くないもんね。
というわけでゴーレム戦開始です!
ゴーレム:Lv12
見た目は石で出来た巨人だね。ただ1つの人形っていう感じでもない。
複数のパーツが組合わさった感じ。ちゃんと指もあるね。石だけど。
それぞれのパーツは宝石や鉱石みたいなもので繋がっている。
そして、例の核は胴体の中心にある。魔法使いたいなぁ…
半透明で丸い石みたい。
さて、魔法が使えないのならとにかく攻撃するしかない。
ただ、攻撃力が高いので安易に近づくのも危険だ。どうしようかな。
「はあっ!」
カエデは魔力操作を使って遠距離攻撃。
…なら私が前衛をするとしますかね。
「カエデ、後ろお願いね」
「何分くらいかかりそう?」
「う~ん、初めての敵だし全体を見づらいからな~、…5分は欲しい」
「分かったわ」
幸いゴーレムの攻撃はそこまで早くないので油断さえしなければ当たることは…
「…!ルナ、下がって!」
「っ!……危な…カエデ、助かったよ!」
今、カエデの声が無かったら避けきれずにぺしゃんこになっていた。
いきなり倒れてくるのはさすがに予想外だよ。
起き上がるまでに時間がかかるみたいだからある意味チャンスなのかもしれない。
「どう、ルナ。出来そう?」
「顔がないから分かりづらいし、大きいせいで見づらいけどなんとかして見せましょう」
「ふふっ、じゃあよろしくね」
ゴーレムの倒れこみ以外は避けやすい攻撃ではある。
ただ、こちらの攻撃もHPを余り削れてないのでかなり長期戦になりそう。
「ルナ、関節は狙える!?」
「ごめん、無理!もう少しでつかめるからその時はよろしく!」
「分かったわ!」
まだ情報が足りない。あと少し。
関節や手足が回ったりはしないから考え方は普通の人型と同じでいい。
細かい動きは不可能。
ダメージを受けたときは反撃
離れた場合は追撃
こちらが体勢を崩すと倒れこみ
近づき過ぎると腕を振り回す
……行けるか?
NPCとモンスターはAIの性能の差が大きい。
NPCは人と変わらないレベル。本当に生きてるんじゃないかと思うくらい。
モンスターはそこまでの性能はない。
もちろん高レベルだったり人型のモンスターだったりすると人間と同じくらいのAIを持ってるやつもいる。
ただ、このゴーレムはそこまでじゃない。
少しずつ反応を見ていったけど、ほぼパターンといってもいいだろう。
「カエデ、行けるよ!」
ゴーレムと距離を取ってカエデの近くまで下がる。
「ありがとう、ルナ。私も準備出来たよ」
「準備?」
カエデの方をチラッと見ると剣に魔力をまとわせていた。
だが、その魔力は今までの刃のように飛ばすのではなく鞭のようになっていた。
「なに…それ?」
「鞭というか蛇腹剣みたいなイメージかな。これで関節を斬るわ」
「…なるほど、じゃあそれは任せるよ。私の短剣じゃキツイからさ」
それじゃ始めるとしよう。
まずはゴーレムの右側から近づく。
ゴーレムは当然右手で攻撃しようとしてくる。
ここで少しだけ止まって姿勢を低くする。
こうすることでゴーレムは叩き潰す、つまり殴って来る。
「よっ…と…あっぶな」
そうしたらその右手の上に乗る。
するとゴーレムは私を落とそうと右手を高く上げる。
その高さを利用して、地面に飛び降りそのまま左側へ走る。
左へ向き始めるので後ろから股の下を通り抜けてゴーレムの右側へ出る。
そして、立ち止まる。
これによりゴーレムの下半身は左へ向いたまま上半身は右に寄る形になる。
ここからゴーレムの反応を見つつ動き回る。
腕を振り回す距離までは近づかない。ただし、ターゲットがカエデに移らない距離を保つ。
「カエデ!お願い!」
「任せて!」
ビュオン!という風を切る音と共に魔力が鞭のようにしなり右足の関節部分を砕く。
ゴーレムは立っていられなくなり、両手を地面に付け支える形になる。
続けざまにカエデが左腕の関節部分を砕く。
よし。HPも減ってきた。ここでもっとダメージを与えたい。
「っ!?」
地面が揺れた…?
!ゴーレムの核が半透明だったのに赤く光ってる?
まずい…!
急いで離れる…でも間に合わない。
「ぐぅ!?…これ…は」
ゴーレムを中心に地面が盛り上がり針のようなものがいくつも出てくる。
「ルナ!」
体に魔力が巻き付きカエデの所まで運ばれる。
そんな使い方もあるんだねそれ。
「大丈夫?」
「なんとか、ヒールポーション買っといて良かったよ」
ポーションを飲みHPを回復させる。リジェネポーションだと最悪回復中に死ぬからなぁ。
被虐願望のカウントは9。
なるほど多段ヒット系の魔法か。
ゴーレムは土から手足を再生している。HPは回復しないみたいだからまだいいか。
「カエデ、またさっきみたいに関節を狙って欲しいんだけど。出来ればあの上半身と下半身を繋いでるやつをお願い」
「それはいいけれど、ルナはどうするの?」
「まぁ、足止めかな。短剣じゃダメージが低すぎるから。一応チマチマ攻撃はしてるんだけどねぇ」
そう言って再びゴーレムの元へ向かう。
攻撃は避けることは出来るし、魔法も核に気を付ければ大丈夫。
カエデは狙ってくれてるけどやっぱり関節に当てるのは結構難しいみたい。
全部カエデに任せるのも悪いし私も頑張らないと。
狙うのは左腕の関節。普通にやったら届かないので短剣を投げつける。
砕くことはできないけど一瞬動きを止める。
「カエデ!」
「任せて!」
カエデの攻撃で胴体部分の関節が砕かれ、ゴーレムは倒れる。
ただしまだ死んでない。
HPゲージはあと3割ほど。
「カエデ!一気に叩こう!」
「分かったわ!…はあっ!」
魔法に気を付けて近づく。再生は始まっているが再生する前に押しきる!
短剣を拾い関節を斬る。
カエデも魔力で攻撃する。…あと少し!
ここまで来たら相手の魔法も気にしない。
ひたすら斬り続ける。
そして、遂にゴーレムのHPが0になる。
アイテムにはちゃんとゴーレムの核とある。
「やった!」
「ふぅ…お疲れ様ルナ」
「いやぁ~疲れた~」
「ふふっちょっと休憩しましょうか」
「そうしよ~……あれ?」
「どうしたの?」
「あれ…」
そこには昨日助けた狼の姿があった。