6.巨大スライムとスキル取得
話によって文章の長さはかなりバラバラになると思います。
最低1000文字以上で投稿します。
どうしてもあのシュワシュワ感を全身で感じてみたかったのでやることにしました。
まず、スライムを一ヶ所に集めます。
スライムは何でも消化し、消化中は逃げないように表面が硬化する性質を持っている。
なので、適当な枝を消化させながら引っ張れば簡単に移動させることが出来る。
集めたはいいけどどうすればいいのか分からない。
穴でも掘って簡易的なお風呂でも作るか、それともスライム×30の群れに飛び込むか。
そんなことを考えていて気づくのが遅れた。
スライムの数が明らかに減っている。
しかも一つ一つのスライムが大きくなっている。
あれ?まさか…合体してる?
気になったので少し離れて放置してみる。するとスライム同士が合体していく。
5分後には巨大なスライムが出来上がっていた。
大きさは2メートルくらい。…これならばいけるのでは?
防具を外し巨大スライムに近づく。
そして、全身が呑み込まれる。
全身がシュワシュワ~としてとても気持ちがいいです。
これははまりそうですねぇ。
目を閉じて堪能していると少し騒がしい気がする。
目を開けると溶かされるので顔付近に空気の泡の様なものを作る。
どうやら冒険者のパーティが巨大スライムを見つけてしまったらしい。
そういえばプレイヤーの呼び方って冒険者でいいんだっけ?確か公式サイトに書いてあった気がする。
彼らは何を話しているかは分からないけどだいぶ近い。
「私は大丈夫なので近づかない方がいいですよー」
しかし魔法の準備をして戦おうとしてる。
まぁ、こんなのがいたら気になるよねぇ。
私もあっちの立場だったら戦おうとする。
彼らは4人パーティのようだし、スライムぐらいなら簡単に倒せるだろう。
……普通のスライムなら。
相手は巨大スライムなのだ。まぁ犯人私だけど。
そういえばスライムの名前を確認してなかった。
スライム【ex】:Lv4
ん?…ex?
これは…やらかしたか?
さっきから魔法のダメージがあんまり通ってない。消化中で表面が固くなっていることを考えてもそれなりにダメージは与えられるはずなのだが…。
スライムは核に魔法を当てなければ倒せないが、それ以外でもダメージは与えられるはずなのに。
おっと。考え事をしてたらそろそろHPが0になる。
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さて、帰ってきたはいいけどあれどうしようかなぁ。
とりあえずさっきの場所に向かう。
あれ?さっきの人たちがいない。諦めたのかな?
しかしどうしようかなぁ。
さっきの戦いを見てても倒す方法はこれしか無いかなぁ。
ちゃんと見えるように顔に空気の泡を作ってスライムに近づく。
よし、とりあえずスライムの中に入れた。
ここからは時間との勝負になる。
といってもやることは簡単。
外からダメなら中から攻撃すればいいじゃない!
まぁ捨て身の攻撃になっちゃうけどね。
火の玉、氷の針に風の刃、思い付く限りの魔法を放つ。
HPゲージは残り3割、でもこっちの残りHPも残り200。
MPは残り10。HPはまだ余裕があるが正直かなり厳しい。
こんな状況でも少し気持ちいいのがまたなんとも言えない気分になる。
その時だった。
頭の中にシステム音声が聞こえてくる。
『スキル取得条件を満たしました。スキル「被虐願望」を取得しました』
ちょっと待てやコラ。なんだ被虐願望って!?
初めて聞いたんだけど!?
急いでステータスを確認する。
ルナ:Lv1
HP150
MP10
《スキル》
被虐願望:1
なにこれ。というか数字は何?スキルにはレベルは無いはずなんだけど。
【被虐願望】
モンスター及び自傷行為による攻撃回数によって攻撃力UP
※ダメージはLvの5倍以上でなければ発動しない。
※自傷ダメージは自動でLvの5倍ダメージになります。
なるほど。色々言いたいことはあるがせっかくだし利用させてもらおう。
というか、このゲームPKは出来ないけど自分での攻撃は普通にダメージになるんだよね。
気をつけないとただの自殺になりそう。
そうと決まったら話は早い。短剣で自分の腕を何回も切りつける。
もちろんHPには常に気を付ける。
60…50…40…30…20
消化ダメージ的にこれが限界だろう。
被虐願望:14
後はイメージ。火の玉なんかじゃ足りない。この巨体すべてを焼き尽くすぐらいの炎。
「フレアバースト!」
視界は白く染まり、次の瞬間全身に衝撃を感じ、スライムの外へ吹き飛ばされる。
「うわっ!……う…つぅ……スライムは…?」
そこにはスライムはもういなかった。
素材とかはアイテムボックスに自動で入るから心配はない。
というかあれだね。自分も魔法の衝撃で死んだねこれ。
スキルを取得出来たのはいいけどどうしようかな~。
ピロン♪
ん?ゲームじゃなくて外部メール?誰だろ。
From:斎藤楓
To:北条瑠奈
件名:せっかくだから
本文
悩んでたけどせっかくだから買うことにしました。
というか、あなたが勧めてきたんだからちゃんと付き合ってね?
これからチュートリアルを終わらせます。
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楓ちゃん買ってくれたんだ。良かった、これで一緒に遊べる!
そうだ、ちょうどいいしエスフィレアに戻ったら少し相談してみよう。