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12.楽しい船旅といったな、あれは嘘だ

誰だ楽しい船旅とか言った奴。出てこい。

フラグっていうのはこういうことを言うんですかね。

柄にもなく反省しております。


「ルナ!また来るわよ!」


「了解!」


えー、ただいま飛ぶ魚の群れに襲われております。

空を飛ぶ訳じゃ無いけど跳躍力おかしいって。


デビルフィッシュ:Lv22


しかも雑魚敵のレベルが20以上しか見かけなくなってきた。

敵も普通に強いやつが多いから困る。

試しに感電させてやろうと雷属性の魔法を撃ったが鱗のおかげなのか何故かほとんど効かなかった。


カエデは魔力操作があるからいいが私は短剣だから少しキツい。

魔法が効かないとなるとどうすればいいかな…


ザバンッ!


今度は何?忙しいなぁ。

水面からワニみたいなのが飛び出てきて船の上に乗る。

はぁ……なんでもありだね。


グラムアリゲーター:Lv25


グラム?聞き覚えが無いけど地名か何かかな?

とりあえずあのワニを倒さなくちゃ。


いきなりワニがその場で口を開ける。


「何を…っ!?」

横に転がるように避ける。

なんとかギリギリで避けることが出来た。

というかこいつ魔法使えるんかい。


さてどうしたものか。まだ魚も襲ってくるしそっちも対処しなきゃいけない。


…とりあえずあのワニを倒すか。

ワニが再び魔法を放とうと口を開ける。


「サンダーアロー!」


バチバチバチッという音と共に肉の焼ける匂いが漂ってくる。

後は魚か。


まあ、倒すのが難しいなら出てこれなくすれば良いか。


「ウィンドバリア!」


船の周りの水面に風のバリアを張る。

これでもう飛び出てくることは無いだろう。

これで安心…


「ゴアアァァ!」


出来ませんでした。自分で言うのもなんだけどフラグ乙。

それで一体何が出てきたの?


「カエデ!今のは!?」


「分からない。いつの間にか霧が濃くなってて…」


つい2.3分前は霧なんて無かったのに。

気づかないうちに周りが見えないぐらいの霧に包まれている。

というか、これは本当にただの霧なのか?


さっきの叫び声も気になるけど周りには何もいない。

不気味な雰囲気の中船は進んでいく。

あんなにうるさかった魚ももういない。


とても静かなのに嫌な予感しかしない。


ふと、船の前方を見ると何か影のようなものが見えてきた。

何かの建物?

霧が濃くてよく見えない。


「カエデ!ちょっとこっち来て!」


「分かった、今行く!」


影が少しずつ大きくなってくる。


………今、少し影が動いた?


「ルナ!どうしたの?」


「あの影ってなんだと思う?」


「…まさか、モンスター?」


「分かんない。でもまだ遠いから近づく前に正体が知りたい」


「それならこの霧をどうにかするしかないわね。私たち探知系のスキルは持ってないし」


う~ん、霧…か。一番最初に思い付くのは風とかだけどそううまく行くかなぁ。

でも、悩んでても仕方ないしまずはやってみますか!


「クロスストーム!」


船を中心として四方八方に竜巻を発生させる。

一時的なものだが、霧が霧散していく。


少しずつ影がはっきりと見えてくる。


それは、


真っ直ぐにこちらを見つめていた。


レイクイーター:Lv30


姿は竜、中でも首長竜と言えば分かりやすいだろうか。

ただ、かなりでかい。この船と同じぐらいだろうか。

さっきまでの不自然な霧はこいつの仕業か。


「ルナ、どうする?この船このまま真っ直ぐ進むわよ。自動操縦だから進路変更は出来ないみたいだし」


ですよね-。

まだ湖の真ん中ぐらいだからこの船から降りる訳にもいかないし、そもそも泳げるような環境じゃなさそう。


「戦うか-。落ちないようにだけ気を付けないとね」


「どうする?命綱でも作る?」


「う~ん、あんまり意味なさそう」


「まあ、無いよりはましでしょう」


カエデがスキルで命綱を作る。じゃあ戦うとしましょうか。

まだそれなりに距離はあるけど油断は出来ない。

まずは様子見で魔法を放つ。

そこまで速くはないかな。


「魔力操作《大砲(キャノン)》!」


わーすごーい。…段々私も魔力操作が欲しくなってきたよ。


無い物ねだりをしてもしょうがない。

とにかく被虐願望のカウントを増やしつつ魔法を放つ。



…おかしい。

少し距離があるとはいえHPの減りが遅い気がする。

被虐願望もカウントは10を越えてるのにまだ10分の1も減ってない。


「ルナ、被虐願望はちゃんと発動してる?」


カエデもおかしいと思ったらしい。


「うん。ちゃんと発動してる」


この場合パターンとしては二つ。


一つはただHPが多いだけ。

これは攻撃してればそのうち倒せるんだからそこまで問題じゃない。


もう一つは魔法に耐性があるタイプ。

この場合はかなりめんどくさい。

こうしてる間にも船はどんどん近づいていく。


…少し試してみるか。

「アイアンランス!」


魔法で鉄の槍を作り出し放つ。

…普通の魔法よりは効くけど消費MPが多いからダメだね。


お返しとばかりあいてが口を開く。

そして水のビームの様なものが飛んでくる。

身を屈めてやり過ごすが敵の攻撃が船に直撃し大きく揺れる。


「うわっと…危ないなぁ」


「不味いわね。このままじゃ私たちより先に船が壊れるわ」


恐竜は再び口を開く。


「カエデ!盾を作って!」


「分かった…魔力操作《(シールド)》!」


「マジックシェル!」


カエデが作った盾を私の魔力障壁で支える。


「くっ…!」


これだけやっても結構ギリギリか。

早く倒さないとじり貧になるな。


突然ドボンッ!という大きな音と共に敵の姿が消える。

まさか潜った…?


「カエデ!命綱ってどれぐらいの衝撃で切れる?」


「魔力で作ったものだから切れることはないはず…ルナ、まさか…!」


「援護はよろしく!…後剣借りていい!?」


「まったく……任せて!」


船が不自然に揺れ始める。やっぱり突撃してくるか。


大きな衝撃と共に船が大きく揺れる。竜は船のすぐ目の前に姿を現す。

両手には短剣と片手剣を持つ。

ここしかない。被虐願望のカウントは十分。


風の魔法で補助しつつ竜に向けて船からジャンプする。


竜は向かってくる私に向けて口を開く。


「ゴアアアァァッ!」


「させない!《大砲(キャノン)》!」


「はああぁっ!」


カエデの攻撃が竜に当たり私への攻撃がずれる。


二つの剣を竜の背中に深く突き刺す。

先程までとは比べ物にならない速さでHPが減っていく。

だがまだ7割程残っている…なら!


とにかく剣で敵を斬る。こんな不安定な場所だとなかなか思う通りに出来ないが、被虐願望のおかげで良いダメージが入る。


よし、このままいけば…


「ゴアアアアアァァァァッ!」


っ!?

竜が頭を下げて水の中に潜り始める。


「《(チェイン)》!…ルナ!決めて!」


「分かった!」


鎖によって竜が一瞬動きを止める。

その隙に竜の背中から首の方へ走る。


そして、


二つの剣を深く刺す。

竜は断末魔と共に消えていく。


「やった!」


「ルナ、今引っ張るわ!」


カエデに命綱を作って貰っておいて良かった。

レベルも良い感じに上がってきたしここまでかなり順調にこれたんじゃないかな。


フィールドボスまで後どのくらいかは分からないがせっかくなら一番乗りがいいよね。

残りの船旅も頑張りますか。


ーーーーーーーーー

特に何も無かったでござる。

後半は結構穏やかだったね。


そして新エリア。


試練のグラムヘイム


ここに来てまさかのダンジョンである。

近くの町で聞いた話によると先へ行くにはダンジョンの最上階にあるアイテムが必要らしい。


しょうがない、ダンジョン攻略と行きますか。



ーーーーーーーーー

ルナ:Lv25

HP3000

MP290

《スキル》

被虐願望

簡易調合


カエデ:Lv25

HP1500

MP290

《スキル》

魔力操作

魔力操作・具現


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