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10.山を越えて

なんであの狼がここに?


疑問はあるが、悩んでいる暇は無い。

こちらが考えている間にもこちらに近づいてくる。


「ルナ、どうするの?」


「…様子をみよう」


狼はゆっくりと私に近づいてくる。


そして、私とカエデの前に来て地面に座る。


「…?え…と…こんにちは?」


「なんで疑問系なのよ」


急だったんだからしょうがないじゃないか。

しかしどうしたものか。


…ん?なんだ?

狼が遠くの方を見てる。そして…


「アオォーーーン!!」


これは雄叫びというやつだろうか。

それにしてもなんで今?


…!今遠くから同じような声が聞こえた。

もしかして仲間を呼んでる?


逃げた方が良いのか?でも狼に敵意は無い。

チラッとカエデの方を見ると何故か狼をモフモフしてる。


危機感!!いや、気持ちは分かるけど!


「あの~、カエデさん?一体何をしてるんです?」


「…あっ、…だって…昨日触りたりなかったから…」


うーん、やはり私よりカエデの方が変わってる気がする。

両方変わってるとか思ったやつ出てこい。


まぁいいか。

もしかしたら何かクエスト的なものかもしれないし。


ーーーーーーーーー

というわけで5分後です。


???:Lv35


まさかの親登場である。しかも私たちよりも大きいんですけど。

そしてLv35。

どうすんのこれ。しかも2頭いるし。


(人の子らよ。そう恐れずともよい)


!?…今のってまさか…


(そうだ。今汝らの頭の中に直接語りかけている)


マジか。カエデもかなり驚いてる。


(まずは我らの子供を助けてくれたこと、礼を言う)


「いえ、無事に戻れたなら良かったです」


(汝らはロメアに向かうのか?)


「はい、これからロメアに向かいます」


(ならば我らの背に乗るがよい。町までは行けぬが山の麓までなら連れていってやろう)


なんと。こちらとしては是非ともお願いしたいぐらいだ。

カエデも賛成してくれた。


「では、よろしくお願いします」


ーーーーーーーーー

「すごい!はやーい!」


というわけでただいま山を駆けています。


(楽しむのはいいが決して手を離すなよ?この速度で落ちれば命は無いぞ)


確かに。時速で表現すると60はあると思うよ。たぶん。

カエデは狼の背中に乗りながらまだモフモフしてる。

いや、あれはどっちかというと必死でしがみついてるような…

目も閉じてるし。


「カエデー!さっきからどうしたのー!?楽しいよー!」


「無理!絶対無理!怖いもん!」


もんって。長い付き合いだけど初めて聞いたぞ。

そういえばジェットコースターとか乗ってる所見たこと無いや。


(着いたぞ。ここから東に2分程歩けばロメアだ)


早!まだ10分ぐらいしか乗ってないのに。


「ありがとうございました」


(それから汝らにはこれを与えよう)


そう言って光る石の様なものを渡される。

カエデも貰ったようだが形は特に変わらない。


「これは…?」


(我らの欠片だ。どう使うかは汝らの自由だ)


それを最後に狼達は山へと戻っていった。

それじゃロメアに向かうとしよう。

歩きながらカエデに話しかける。


【フェンリルの欠片】


「フェンリル…カエデどうするのこれ?」


「うーん、これ単品じゃ効果は無いみたいだしアクセサリーにでもしてみる?」


カエデと喋っていると突然頭の中に声が響く。


『特殊クエストをクリアしました』


「!?…カエデ!やっぱり…」


「ええ、本当にクエストだった。ええと…クエスト名は『異種との絆』ね」


ふむ。私もクエストを確認する。なるほどなー。


「ルナ、このクエストすごいわよ。発生条件を見て」


何々…パーティ人数が2人以下でLvが8以下であること。

また、欠片を1つ以上所持しておくこと。


「そういえばルナ、スライムの欠片を持ってたよね?」


「うんこれで2つだね。どうせなら集めてみようかな~」


「いいんじゃない?多分多い方が効果も上がるだろうし」


「そうだね~あっ、町が見えたよ!」


「もしかしたら私たちが一番なんじゃない?」


町に入って転移門を確認する。

どうやら本当に私たちが一番らしい。


「どうする?もう開けちゃう?」


「……辞めた方がいいわ。どうせ2時間で自動的に開くんだから放っておきましょう」


「確かにそうだね。…それよりもカエデ!早く作ろうよ!」


「そうね。素材は充分だし始めるとしましょうか」


ーーーーーーーーー

「それで?実際どうやって作るの?」


「鍛冶は各町や村で出来るわ。ただ少し時間がかかるの。私は鍛冶スキルを持ってないからまず取得することから始めないといけないし。でもちょっとした装飾品ぐらいならすぐ作れるわよ?」


「じゃあネックレスとか欲しいなぁ」


「いいわよ、ちょっと待っててね」


そう言ってカエデがネックレスを作ってくれた。特に効果はないけどこういうのもいいかもしれない。


「じゃあ、始めるわね」


「ふーん、じゃあカエデが鍛冶をしてる間、私は調合でもしてようかな」


「素材はあるの?」


「カエデがログインする前に集めておいたんだ」


「それじゃ1時間半後に町の広場に集合にしましょう」


「いいね。じゃあまたあとでね!」


ーーーーーーーーー

さて、調合をするために調合セットを買う。

簡易版だけど。本格的なのは調合するための釜だけじゃ無くて

素材を加工したり、熱したりするための道具もある。

簡易版だとポーションのレシピぐらいしか無いんだよねぇ。


しかしただ、ポーションとかを調合するのも面白くないよなぁ。

うーん、やっちゃうか?

どう使うかは自由だって言ってたし…

とりあえず簡単なポーションを作って調合スキルを取得しよう。


『スキル取得条件を満たしました。スキル「簡易調合」を取得しました』

というわけでスキル取得です。

調合程じゃないけどこれで少しは上手く出来るだろう。


まずは薬草とか鉱石とかの素材を適当に入れる。

そうだ。スライムゼリーも入れてみるか。


……私は何を作ってるんだろう。

まぁ、ぶっちゃけ暇潰しみたいなもんだし気にしなくていいか。

最後にスライムの欠片とフェンリルの欠片を入れる。


うん。今まで見たことも無いような色になってるのは何故でしょう?

どうしようこれ。


待てよ。

そういえば調合に装飾品を使うと装備品が出来るって話があったような…

でも素材の相性が悪いと失敗するんだっけ?


…もう迷ってる暇はないか。

しょうがない。なんとかなるでしょ!


釜の中にネックレスを入れる。


あれ?なんか静かになった…?

釜に近づいて中を見る。


「うーん?失敗したのかな…」


ピキッ


ん?


ピキピキッ!


あ、ヤバい。


ドオーン!


「う…どうなった…?」


いきなり爆発した。失敗で爆発なんて聞いたこと無いんだけど。

とりあえず釜があった場所まで行く。

釜は跡形も無くなってるけどそこにネックレスの様なものがある。


「もしかして成功したの?」


ネックレスを取る。

名前は希望の欠片…?

効果は…HP2倍!?


これはかなり有用なのでは!?

被虐願望の弱点を大幅にカバー出来る!

しかもまだ効果がある。

ただし、こちらは欠片を5つ集めないと発動しないと。


これはかなり面白いものが出来た。そろそろ時間だし広場に向かうとしよう。



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