間
生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生死生――
無限に繰り返される生と死。ウロボロスのように死から生へとシームレスで続いていく異様な感覚。核戦争の時を上回る、凄まじい速度で生死を繰り返していく私。
私はどの成長段階で転生しているのだろうか。受精してから十ヶ月、外の世界で生きられるようになった赤子なのか。あるいは、受精卵。もしかすれば精子?
おそらく後ろの二つが正しいのだと思う。赤子ならばたとえ自我がまだ虚ろだったとしても、死の際の苦痛は免れないところなのだろう。しかし、今の私にその感覚は無い。
まるで1と0。死と生の点滅を繰り返しているということだけが今の私には分かった。
《神》は私が死んでいる間に何をしたというのだろうか。まさか今現在も私を殺し続けているというわけでもあるまい。そんなことをしても何の意味も無い。
おそらくは人間が生きられない環境に私を放り出したのだろう。しかも生半可では復帰できないような、死そのものを体現したような地へ。私は、たとえば火山の噴火口に投げ入れられても何度目かでそこから離れた地に転生し、無限の死からは免れていた。
無限の生と死に伴う、無限の時間。なぜだろう。脳髄が細胞から分化する遙か以前に私の存在はリセットされているというのに、こうして私は時間を感じ、ものを考えることが出来ている。
もはや肉体という箱船を必要としない、一個の思念体とでもいうべき存在になってしまったのではないかと思う。生物には進化による適応力を持っている。本来ならば有性生殖によってより環境に適した遺伝子を選択し、自然淘汰の形で進化していくのが生物としての在り方だ。
そういう意味では今の私は進化とはまた違った形で宇宙を彷徨っているのかもしれない。それは、もはや《覚醒》と呼べるのかもしれない。
漂っている……。死に続けている……。生まれ続けている……。
この果てしのない旅路の果てに、いったい何が待っているというのか。
《虐殺神》は何を狙って、私をこんな目に遭わせたというのだろうか。
漂っている……。
漂っている……。
漂っている……。
こうして何かを考えているこの事実が、もはや虚しいものと感じられるようになってしまった。
漂っている……。
漂っている……。
漂っている……。
ただ……私は……漂っている。
どこまで……。
ああ……。
私は……。
そして無限の時は経って……。
私は旅路の終着点に立った。