ローグ-1
少女は笑っていた。憂いとか屈託とかをなくした笑みを浮かべ、「にっ」 と笑った
ドレスは不慣れなようで彷徨うように裾が引きずられていた、
「大丈夫か?」と横にいるものが喋る、黒く、濁った目をしていたその何かに少女は、
違和感なく話す、異様な光景だ。
「邪魔なのか?」「それじゃあ切ってしまおうぜ」少女は笑って言った、でもそれは冗談とは違う。
黒く錆びた鋏を出しジョキジョキと切り始めた、綺麗なドレスは無残な姿になっていた。
ボロボロのスカートのようだった、少女は満足気に回ってみせた、
みせた足はとても綺麗ではなく、義足だった、それでも笑う少女を「僕は美しい」と感じた。
この街は霧が濃くとてもじゃないが遠くを見るのは難しい、
幻想的な霧といつからあるのか分からない落書き、そこらに転がる死体、それがこの街の全てだ。
僕がここにいる期間は少なくとも5年はいる、最初はここから出ようとか考えていたんだけど、
だんだんその感情も消えていって、「これが世界の全て」そう思った。
最近ふとこういう事を思い出す。
まるでそれを自分に言い聞かせてるように、まるでここから出れると考えさせないように。
それから幾分と時間が経った、足は人形のように止まってしまい動かなくなっていた、
気付けばあの黒い何かはいなくなっていて、少女と僕だけになっていた。
会話も続かず、僕はそれでも足を動かした、
「ゴトン!」
突然、僕の体は膝をつき突如、視界は反転し、その後も2回ほど回ったあと暗転してみせた。
最後に見た光景は、少女が自分の足に手をかけている光景だった。
どうもお初にお目に掛かります、眼球と申します。
今回は僕の処女作というか童貞作を読んで頂き、有難うございます!
まだまだ見苦しい点が多いのですがよろしくお願いします!
以上、堅苦しいあとがきでした。
次回からはもう少し肩の力を抜いてあとがきを書きたいですね。
ではまた会いましょう。