人物一覧・あとがき
人物一覧
この人物一覧はかなり適当に作ってあります。キャラの紹介は作中で全てした、というのが新月のスタンスだからです。それでもいい、と言う方だけご覧下さい。
カルノー・ヨセク・オスカー
身長は170の半ばを超えた位か。痩躯であり、よく鍛えられた身体をしている。黒い髪の毛は黒曜石のように硬質な光を持ち、瞳の色は濃いブラウンで、肌は少々浅黒い。髪や目の色はともかく、浅黒い肌はアルヴェスク皇国ではあまりない色合いで、もしかしたら異国の血が混じっているのかもしれない。
ライシュハルト・ロト・リドルベル
身長は180センチを越える長身で、またがっちりと鍛えられた強靭な肉体を持つ巨躯だった。髪は短く刈り込まれた銀髪で、目は深い藍色をしている。彫りの深い顔立ちながらも目鼻立ちは涼しげで、まさに美丈夫と呼ばれるに相応しい容姿をしていた。
エルストロキア・レダス・ロト・アルクリーフ公爵
髪は細い金髪で、瞳は薄いアイスブルー。肌はまるで雪のように白い。身長や体格はカルノーとほぼ同じなのだが、彼の場合は麗人と呼ぶに相応しい端麗な容姿も相まって繊弱な印象を人に与える。ただしそう見えるのは見た目だけで、彼の頭の中は外見とは裏腹に図太く、神経はさらに図太いかもしれないとカルノーなどは思っていた。
アザリアス・オズモーネ
元は旅の吟遊詩人。レイスフォールに気に入られて彼の御伽衆となった。謀略によって皇王となる。
ブレミシェス・ユディル・ロト・フィディル伯爵
レイスフォールに信頼された侍従長。アザリアスの謀略に加わり、宰相となる。
レイスフォール・イスシオス・グラニス・アルヴェスク皇
賢君と謳われた皇王。
オルブレヒト・リクトル・ロト・マクレイム伯爵
オスカー家が住む領地を治める貴族。
アーモルジュ・ヨセク・ロト・カディエルティ侯爵
カルノーが慕う師匠。文武の両方において大きな功績を残す。そのため弟子入りを望む者が多かったが、彼が弟子にしたのはカルノーただ一人だった。
ベリアレオス・ラカト・ロト・リドルベル辺境伯
よく鍛えられた身体を持つ、武闘派の貴族だった。歳はこの時点で47才。黒目に黒髪で、立派な口ひげを蓄えている。背はライシュよりは低いが、それでも彼に見劣りすることのない堂々たる体躯をしていた。
ジュリア・ルシェク・アルヴェスク
歳はライシュより四つ下で、今年19になる。身長は長身の兄と比べると頭二つ分以上も低い。ライシュと同じく銀色に輝く髪を持ち、目の色は深い藍色。目鼻立ちは整っており、つり目気味の目が彼女と言う存在に生気を与えていた。
フロイトス・エルフルト・グラニア・アルヴェスク
レイスフォールの後を継いだ皇王。まだ幼い
アールレーム皇子
レイスフォールの嫡子。レイスフォールの遺書を書き換えたアザリアスらによって謀殺される。
ラムサリス将軍
アールレームに仕えていた将軍。後に謀略によって処刑される。
ヤフディール将軍
アールレームに仕えていた将軍。後に謀略によって処刑される。
クロムウェル
カルノーの父親
ルクセラ
カルノーの母親。
オズベッド
カルノーの叔父。クロムウェルの弟。
イセリア
フロイトスの母親。
レムエル
オスカー家の長兄。
ミクロージュ
オスカー家の次兄
ホーエングラム大将軍
近衛軍の司令官。アザリアスの謀略に加わる。
ラクタカス将軍
近衛軍の将軍
ジェイル・アニル・ロト・グリーク男爵
内乱の際に皇都の防衛を任されていた近衛軍の隊長。後にカルノーの副隊長になる。
ラスディオ・クーゲル
アーモルジュの部下。ジェイルの士官学校時代の友人。
アンネローゼ
エルストロキアの妻。ギルヴェルス国王の孫姫。身長は160センチ弱。卵形の美しい顔立ちをした女性だ。瞳は上質なエメラルドのように深い緑色をしていた。蜂蜜色の髪の毛。
スピノザ・ジェルク・ロト・カディエルティ
アーモルジュの甥。カディエルティ侯爵家を継ぐ。
アトーフェル将軍
リドルベル領軍の将軍。年の頃は四十路の手前。赤褐色の髪の毛は短く整えられている。長身のライシュと並んでも見劣りのしない巨躯。
ルノアバウム子爵
内乱の際にライシュに味方した貴族の一人。堰の攻略を任される。
マリアンヌ
ライシュハルトの妻。長く伸ばした濡羽色の髪の毛が美しい成熟した大人の女性。
ジュミエル
ライシュハルトとマリアンヌの息子
アンジェリカ
エルストロキアとアンネローゼの娘。
イングリッド・テーラー
カルノーの副官となる女性。歳はカルノーの二つ下。女騎士らしく凛々しい顔立ちだが、大きな目のおかげか、ありがちな鋭さはあまり感じない。身長は170センチ強だから、女性としてはかなりの長身である。実際、成人男性のカルノーと比べても背丈にあまり差がない。赤毛の髪の毛を、纏めることも結うこともせずにそのまま背中に流している。
ガーベラン子爵
盗賊団の被害にあった貴族。中央に泣きつく。
レイザック・ハーベルン
盗賊団の首領
バールハッシュ・セフラ・ロト・フリーデン男爵
アルミシス州を任されている代官。小太りで完全な文官。
クレニオ・カレア・ロト・ブランメール伯爵
南方に領地を持つ、有力貴族。黒い目に黒い髪。ライシュには及ばぬものの、彼もまた長身である。肌が浅黒いのは生まれつきではなく、日に焼けているためだ。目元の傷は、若い頃に海賊と戦った際のものであるという。なるほど、確かによく鍛えられた身体をしていた。
ステラ・ルシェク・アルヴェスク
ジュリアとライシュハルトの母親。リドルベル辺境伯領の土着の豪族の娘。ジュリアとライシュの銀髪は彼女譲り。
ラグルム将軍
メルーフィスの隻眼将軍。ある戦いで右目に矢を受けたのだが、それ引き抜き眼球ごと地面に投げ捨ててそのまま戦ったという猛将。
アルバート
メルーフィス王国国王
シルディアーナ姫
アルバートの娘。メルーフィスの王女。
ゾルターク
メルーフィスの宰相。シルディアーナ姫に懸想する。
アントニヌス将軍
フラン・テス川を渡河するべく、カルノーと戦う。
シリーザー将軍
フラン・テス川を渡河するべく、ラクタカスと戦う。
ユーリアス王子
ギルヴェルスの第一王子。アンネローゼの父親。
サンディアス王子
ギルヴェルスの第二王子。
ハウザー・ロト・メディル
ライシュの侍従長。元々はリドルベル家の執事だったが、ライシュが摂政になったことで侍従長に抜擢された。
フレイヤ
ユーリアスの妻。アンネローゼの母。娘とよく似た外見。
ブロガ伯爵
サンディアス派のギルヴェルス貴族。
デレスタ子爵
サンディアス派のギルヴェルス貴族。
メルディア
ユーリアスとフレイヤの娘。
トレイズ
ユーリアスとフレイヤの息子。
バフレン将軍
ギルヴェルス国軍の将軍。ユーリアスへの忠誠心に篤い。
ラジェルグ将軍
バフレンの副将。
グリフィス公爵アレスニール。
サザーネギア連邦の南部に領地を持ち、またその周辺に強い影響力を持つ。現在57歳。優れた武将でもあり、若い頃には軍勢を率い北進してきたナルグレーク軍を打ち破るなど、幾つも輝かしい武功を持つ。ただし武一辺倒な人物ではなく、ナルグレークと交易を拡大するなど、領主としての手腕も確かである。
バルバトール公爵エドモンド。
サザーネギア連邦の西部に領地を持ち、またその周辺に強い影響力を持つ。現在49歳。サザーネギアは西の隣国ギルヴェルス王国との間にこれまで何度も戦端を開いてきたが、その際に進攻や迎撃の中心となるのは常にバルバトール公爵であり、エドモンドもまた当代の当主としてその任を全うしてきた。大小を問わず経験した戦場の数では年長のアレスニールをも凌ぐ、国内随一の猛将である。
ロベリス公爵代理カルナリア。
ロベリス公爵家はサザーネギアの北東部に領地を持ち、またその周辺に強い影響力を持つ。最近当主が病死してしまい、またその後継者がまだ幼かったこともあり、現在は当主の妻であるカルナリアが当主代理を務めている。現在37歳。内政のみならず軍勢の指揮においてもその手腕は確かであり、アレスニールをして「稀代の良将」と言わしめ、また二人の男性公爵に対しても物怖じしない女傑である。
リーンフィアラ
ライシュハルトとマリアンヌの娘。
スアレス
カルノーとジュリアの息子。長男。
リオネル
カルノーとジュリアの息子。次男。
レキエル
エルストとアンネローゼの息子。
フラニッター伯爵
ギルヴェルスの貴族。エルストに批判的な意見を述べる。そのため粛清も覚悟したが、後に重用されることになる。
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あとがき
終わりました。終わって、しまいました。
まずは感謝を。読んでくださった方、感想を下さった方、本当にありがとうございました。「書き始めたからには、書き終えたい」と思ってやってきましたが、こうして本当に書き上げることができたのは皆様のおかげです。本当にありがとうございました!!
さてさて、いつものことですがこの作品についての裏話を少々。
前々作と前作である、「乱世を往く!」と「403 シングル・ルーム」を書き上げ、「次、書くならどんなのがいいかなぁ」と考えていたわけですが、まず頭にあったのは「前の二つとはなんか感じの違うもの」でした。ファンタジー要素を抜こう、というのもかなり最初から考えていました。「異世界ならファンタジーだよ!」という異論は認めます。
それで、最初はSFにしようかと思っていたんです。でも無理でした(泣)。マシンも武器も詳しくないのに書けるわけないじゃん! って話です、はい。SF、読むのは結構好きなんだけどなぁ……。
あと、VRMMOもどうかなって思ったんですよ。でも新月、MMOやったことないし。あと、「今更VRMMOかよ……」とかちょっと思っちゃって、「止めとくか」ということに。それにMMOにするとファンタジー要素が絡むので、それもボツ要因でした。
とまあ、そんなわけで戦記ものになったわけです。しょ、消去法じゃないんだからね!
で、新たに物語を書くにあたって決めたことがまず一つ。それは「今回は長くしないでおこう……!」ということです。実際、100話以内100万字未満ということで、そんなに長くなっていないはずです!
それで実際に話を作っていくわけですが、この時点で新月はネタ、つまり場面や使えそうなエピソード(史実を含む)、台詞なんかを考えます。そして困ったことに、ネタを考えると全部使いたくなるんですよねぇ……。
ただ、実際のところそれは難しい。例えば主人公の造形にしても、背景となるネタ(設定)を詰め込みすぎれば、設定同士が矛盾して破綻してしまいます。それに設定が細かすぎると話が作り辛い。
ただ、やっぱり使いたい。それで今作は主人公格を3人登場させました。いまいち3人を動かしきれなかったような気もしますが、新月的にはやりたいことは大体できたかな、と思っています。
新月はラストから作るタイプ、というのは色々なところで書いたことがあると思います。いきなりラストを決めることは稀ですが、結構早い段階で着地点を決めてしまいます。今作もそうでした。ただ、今作では途中でそのラストを変えました。
当初の予定ではこんな感じでした。
まず、ギルヴェルスの内乱のところで、ジュリアがカルノーと一緒に行きます。あとはユーリアスが死ぬところまでは一緒です。そしてアンネローゼが女王に、エルストが王配になったところで、彼がカルノー率いる近衛軍に攻撃を仕掛けます。つまりこの時点でライシュと対立する道を選んだわけですね。
突然の攻撃に際し、カルノーとジュリアは殿を務めることに。そしてカルノーは少数を率いて敵陣に突入。エルストと一騎打ちに。カルノーが勝ったところで、こんな流れの会話を予定していました。
『私以外の全てを見逃せ! そうすれば命は助けてやる!』
『……お前と、ジュリア姫以外は見逃そう』
『なぜジュリアまで捕らえる必要がある?』
『決まっている。ジュリア姫がお前を助けるために軍勢を率いてきたら、俺が負けるではないか』
カルノーとジュリアを捕らえたエルストは、二人を離宮に軟禁します。ここではこんな台詞を考えていました。
『やることがないなら、子供でも作ったらどうだ?』
人質を増やすための策略ですね、はい。
こうしてアルヴェスクとの亀裂は決定的になり、エルストはライシュとの決戦に挑みます。決戦の前に、二人だけで飲むシーンを予定していました。仇敵同士とは思えないほど、和やかで楽しげな雰囲気の酒会にするつもりでした。
決戦の最終局面はライシュとエルストの一騎打ち。結果はライシュの勝利。エルストはここで戦死します。ただしライシュは重傷を負い、そのために追撃戦を行えず、ギルヴェルス軍は悠々と退却していきます。
総司令官を失ったギルヴェルス軍はアルヴェスク国内から退却しますが、国境付近で警戒を続けます。一方のアルヴェスク軍はライシュが重傷で動けず、両軍はにらみ合いの膠着状態に陥ります。
そしてそこへ意外な人物が。その人物とは、人質になっていたはずのカルノー。女王アンネローゼはエルストから言われていたとおりに、彼をギルヴェルス側の代表に任じてアルヴェスクと交渉をさせることにしたのです。もちろんジュリアを人質に取られてのこと。まあ本人は結構望んでやってますが。
で、カルノーがギルヴェルス側の代表としてライシュと面会。そこではこんな会話を予定していました。
『私もジュリアを人質に取られている。手は抜けないぞ』
『最後の最後に、難敵だな。これは……』
交渉の結果、ギルヴェルスが賠償金を支払うことで決着。両国は軍を退き、カルノーとジュリアもアルヴェスクに戻ります。
重傷を負ったライシュは摂政の職責を果たせないと判断。その職を辞します。ですが皇王フロイトスに政はまだ無理。そこでカルノーが宰相に。
と、まあこんな感じでした。
ただ、書いているうちにキャラに愛着が。殺すのは惜しいなぁ、と。
加えて、感想欄の最初の方を見ていただくと分かるのですが、田中芳樹先生の「マヴァール年代記」に似ているという感想を幾つか頂いています。実際、新月も読んだことがあるので、影響を受けていることは否めません。
それで、このラストにしちゃうと、ちょっと似すぎかな、と。それは不味いということで全員生存ルートにしました。
ただ、やっぱり考えたネタは使いたい。それでこうしてネタだけで発表となったわけです(笑)
あと、地味に大変だったのが雰囲気作り。なるべくカタカナ言葉を使わないようにしました。チャンス=機会、ニュアンス=雰囲気、メリット=利点、ルート=行程、etc。こんな感じです。どの言葉を使えばいいのか、悩むことが結構ありましたね。
それと、今作を含め、長編を三作書いて気付いたこと。新月は最終章が一番長くなる! 着地にどれだけ苦労しているかがよく分かるというものです。
さて、なんだかグダグダになってきましたね。あとがきもこのへんで終わろうかと思います。
物語をどこで切るかは、いつも悩みます。今回は、「三人が経験した、最も激動していた時代」を書いたつもりです。最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。




