満月の日の兎の陰
今回は思いついたままに書いたものなので文章がおかしいかもしれません。
ある日の夜私は窓の外を見た偶然にもその日の月は満月だった。
そういえば小さいころ本当に月にうさぎがいて餅をついているんだと本気で信じていたっけ、そんな昔話を思い出しながら月を窓から眺めていた。
何かの本で書いてあったことを思い出す。本当に月にウサギの陰のような模様が見えるらしい、それを確かめたいと思い目を凝らして観察した。
「・・・見えないじゃん」
私にはうさぎにはどうしても見えなかった。なんだかそれがひどく悲しくて何度も何度も見るけれどうさぎには見えなかった。ほかの人には見えるものが自分には見れないのだ
でもその日の月はすごくきれいだった。月の近くの夜空が少し明るくなって深い青色になっていた。
たまには月をこうして眺めるのもいいな、うさぎの陰に見えなかったことは残念だけどこれから月を見るのが楽しみになるかもしれない、そう思うとなんだか悲しい気持ちもどこかに行ってしまった。月は月なのだ、私にほかの人のようにうさぎの陰が見えなくても月は見れるのだ。
「明日も見ようかな」
その日の夜は満月を見飽きることなく見続けた。引き込まれそうなほどに真ん丸で大きかった。生まれてからこんなに月をじっくり見たことなんてあっただろうか?
「こんなにきれいな月を見なかったなんてもったいなかったなー・・・」
自分の部屋の窓が一つの絵画のように見える。自分の部屋がまるで小さな美術館だ。
月の光が窓から部屋に差し込んできて私を優しく照らしている。柔らかい、太陽とはまた違ったぬくもりを感じた。
うさぎを見れなかった私を慰めるように思えた、それはきっと私の思い過ごしだけど今はそう思っておきたかった。