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8話 突然の転入生

遅れてすみません。

今週は時間とれますので日曜日以外も投稿するかもしれません。


とりあえず本編どうぞ

「ふぅ、物が少なかったけど案外大変だったな」


 ベットやクローゼット、机に本がそこそこ入れてある本棚がある部屋。逆に言えばそれら以外、目立った物がない部屋の掃除をようやくし終えた。

 そして掃除を終えたことを下の階にいる2人に伝えるために階段を下りる。


「姉さん。掃除は粗方終わったよ」


「じゃあ、キリアちゃんにお部屋に案内してあげて」


「了解」


 尚輝は佳奈に掃除を終えたことを伝えると部屋に案内するように言われる。尚輝はそれにうんと答える。


「んじゃ、部屋に案内するからついてきて」


「はい」


 尚輝はキリアについてくるように言うとキリアも肯定の意志を示す。


「そしてそのままベットに押し倒してガバッとやっちゃうんだよね」


 佳奈はにやりと笑いながら言う。


「いやいや、そんなことするわけないだろっ。何言ってんの姉さん。」


 尚輝は顔を赤くして必死に否定する。


「押し倒す?やっちゃう?」


「キリアさん、あまり深く考えないほうがいいですよ」


 佳奈の言ったことがよくわかっていない様であるキリア。


「キリアちゃん、つまりはね・・・」


「何説明しようとしちゃってんの。世の中知らないことがいいこともあるんだよ、姉さん」


「尚輝、そんなこと言って何も知らないキリアちゃんを毒牙にかけるんだね。恐ろしい子」


「だからそんなことしないって言ってるでしょ」


 佳奈に終始いじられっぱなしの尚輝。

 自らの弟をいじって満足したのか、佳奈は悦に入った笑みを浮かべる。


「とにかく、キリアは部屋に行くからついて来て」


「は、はい」


 この場から離れることで難を逃れようと思ったのか尚輝はキリアの手を握って部屋に向かう。

 そのときに佳奈がニヤニヤと見ていたのは言うまでもないだろう。

 階段を再び上り、また同じ部屋に行く。そして部屋に入る。


「ここがキリアの部屋。物はあまりないから何か必要な物があったら言ってくれ。可能である限りそろえるから」


「すみません。何から何まで世話になってしまって」


 尚輝はその言葉を聞いてため息をつく。


「何か私失礼なこと言ってしまいましたか?」


 そんな尚輝を見て失礼なことをしてしまったのではないかと慌てるキリア。


「いや、別にそういうわけじゃねぇよ。ただ自分が好きでやってることなのに謝れるとなんか申し訳ないと思ってしまってな」


「ひー君が申し訳なく感じる必要なんかありませんよ。むしろ私がご迷惑をかけているのに」


「だから迷惑とか思うなって。こっちはさっきも言ったけど自分の好きでやってんだ、気にするな」


「でも」


 気にするなっと尚輝は言うがどうしても迷惑だと思ってしまうキリア。そんなキリアに


「だったら礼を言えばいいんじゃないか」


「お礼ですか?」


 ひとつの提案をする。


「迷惑かかっても自分のためにやってくれてありがとうってな。そっちのほうが気分がいいし。まあ、俺は自分の為にやったんだけど」


 妙な意地をみせながらも尚輝はキリアに提案した。


「わかりました。では」


 キリアは尚輝の顔をしっかりと見て


「ありがとうございます、ひー君」


 さすがに面と向かって言うのは恥ずかしかったのか頬を赤らめた笑顔を向けてお礼を言った。


「ど、どういたしまして(やばい、めっちゃ可愛いこの子)」


 その笑顔に見惚れそうになったため、尚輝は若干声を大きくして返した。


「じゃあ俺は自分の部屋に行くから何かあったら呼んでくれ」


「はい、ありがとうございます」


 ドクン。また、心臓の鼓動が速くなったのを感じた尚輝は自分の赤くなっているであろう顔をキリアに見られないように部屋から出る。

 そして部屋を出た先にはニヤニヤとこっちを見ている姉がいた。











「疲れた」

 翌日の朝、学校の教室の自分の席で珍しくうなだれている尚輝の姿があった。

 昨日、キリアのことで姉にいじられっぱなしだったのだ。疲弊しないほうがおかしいだろう。


「どうしたのよ。珍しく疲れた感じだけど」


 いつもと違って一緒に登校して来なかった杏が声をかけてきた。


「昨日姉さんが帰ってきたからな」


「佳奈さん帰ってきたの?だから昨日は学校来なかったのね」


 尚輝の一言で何があったのか理解できたような様子の杏だった。もっともいつもとは違う意味で昨日は疲れたのだが。


「確かに姉さんはいつも物凄くくっついてくるな」


 いつもと違っていじられて疲れている尚輝はどちらにしろも物凄く疲れたと遠い目をして思った。


「そういえば、お前も物凄い美少女なんだよな」


「昨日佳奈さんにどれだけ溺愛されたのよ」


 突然変なことを言いだす尚輝を杏はかわいそうなものを見る目で見た。


「いや、お前が思っているようなことじゃないと思う」


「?」


 尚輝の言っている意味がわからず思わず首をかしげる杏。

 尚輝は疑問に思ったのだ。


 なぜ、同じ美少女なのに杏だとドキドキと心臓の鼓動が速くならないのかと。

 なぜ、キリアを見る度に気持ちが高揚し、キリアの声を聞く度に自分の居場所はそこだと言わんばかりに落ち着くのかと。


 そんな風に疑問に思っていると突然教室のドアが開かれる。


「席に着け。ホームルームを始めるぞ」


 どうやら担任が入って来たようであり、今まで騒がしかった教室も静かになりクラスメート達は席に座る。


「今日は転校生が来ている。早速紹介しようと思う」


 教室がざわめく。

 当たり前であろう。

高校生になって転校生という者はほとんど居なくなる。編入試験などめんどくさいからだ。ましてや尚輝達が通っているのは魔法学校だ。

 魔法学校に入れるのは最低限の条件で魔力を持っていることだ。

 転校生なんていないと思っていたのだろう。

 ざわめいていた教室は


「静かに」


 担任によって静まる。


「では、入ってきてくれ」


 転校生が入ってくる。

 赤い髪と同じように赤い目を鋭い目つきでクラスを見渡す男子生徒。

 尚輝と離れた席に座っている菜月は転校生を見て驚いている。

 転校生は黒板に自分の名前を備え付けられているチョークで書いていく。


「『如月 京介』だ。外国人みたいな容姿だが国籍は日本だ。よろしく頼む」


 堅い言い方で自分の名前を言う転校生。


「後、もうひとり転校生がいる」


 担任の発した言葉によりまたもや教室がざわめく。そしてまたもや担任が静まるように言う。


「では入ってきてもらおう」


 担任が廊下にいるであろう生徒に声をかける。

 そして教室に入ってきた生徒に尚輝はひどく驚いて思わず席を立ってクラスから注目を集めてしまう。

 なぜならその生徒は


「おはようございます、ひー君。今朝方振りですね」

「なんでキリアが転校生になってんだよ」


 今朝まで家で一緒にいたキリアだったから。










「ではお嬢様はあちらの世界に?」


 暗い大きな部屋で老人が言う。


「はい、そのようです」


「まったく困ったものだ。魔王様の娘だというのに」


「お迎えにあがりますか?」


「それがいいであろう。ついてきなさい」


 老人は空間に歪みをつくり、その歪みに向かって悪魔を引き連れて歩いていった。

 魔王の娘を連れ戻そうとするために。


次回予告


転校生として転入してきたキリア。新たに始まる尚輝の学校生活。

そしてもうひとりの転校生の正体とは?

次回、『自己中少年と魔王娘』悪魔襲来







アンケートの御協力お願いします。詳しくは活動報告で。



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