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7話 シュミレーション「お見合い」

予告通り投稿できました

お気に入り登録して下さった皆さんありがとうございます。


これは友人に誤字の指摘を受けたので修正したものです。

皆さんも誤字などなにか思うところがあったら遠慮なく言ってください。(三人称視点は心情描写難しいので)


あとがきに次回予告をしていますのでよかったらみてください。


では本編どうぞ

「ええと、お茶をどうぞ」


「あ、ありがとうごさいます」


 2人は居間におり、尚輝は少女にお茶を出す。2人は何故か間に机を挟み、正座をして座っていた。今朝の出来事のせいか2人は下を向いて決して顔を合わせようとしない。


(ど、どうしたらいいんだ。めっちゃ気まずい。それになんだこの座り方、お見合いでもやってんのか)


 尚輝はこの雰囲気に参っており、どうにかしたかった。しかしこの状況を打破するための良い方法が思いつかなかった。


(とっとにかく、何をするにもとりあえず何か話せばいいじゃないか。オーソドックスに自己紹介でもすればいいじゃないか)


 尚輝は話そうと少女に声をかける。


「「あの」」


 どうやら向こうも同じことを考えていたのか声が重なってしまう。その事でさらに気まずい空気が流れる。


「えっと、何?(ちょっとぉぉぉぉぉ。さらに気まずくなったんだけど、俺この子と同じ思考しているの)」


「いえ、そちらこそ(なんでこうなってしまったの)」


 それぞれの思考を巡らせながら互いにあちらの意見を優先しようと譲り合う。尚輝の思っているとおり気まずい空気が部屋を包んだ。


「(兎にもかくにも、なにか話題を)と、とりあえず自己紹介でもしないか」


「そ、そうですね。お互いのことを知るのは大事ですしね」


 意を決して尚輝は自己紹介を始めるように提案し、少女もそれに賛成する。


「俺の名前は篠原尚輝。呼び方は変なあだ名じゃなければなんでもいいぜ」


「私の名前はキリア=ドレット=リーズベルグ。できればキリアと呼んでください」


「じゃあ、キリア」


「なんでしょうかひー君」


「ひー君?」


「いけなかったでしょうか。尚輝(ひさき)だからひー君。呼び方はなんでもいいとおっしゃっていましたので」


「いやぁ、その呼び方でいいぜ。ただいきなりだったから少しびっくりしたんだ」


「じゃあこれからはひー君と呼ばせていただきますね」


「ああ。じゃあキリア」


「はい」


 少し会話したからなのか先ほどよりは落ち着いて


「ご趣味は?」


「魔法の練習です」


はいなかった。

 さらに2人の熱をあげたようだ。

 何故か尚輝は一番聞くべき昨夜の件を聞かずに趣味を尋ね、キリアもそれに答える。これでは本当にお見合いのようである。

 その後もお見合いのような状態が続く。


「魔法か。キリアも魔法が使えるんだな」


「はい。補助系統の魔法は得意なのですがその他はあまりできませんが」


「いや、それでもすげぇよ。俺なんて一つしか使えないしな」


「1つ?昨夜の剣の魔法ですか。あの魔法だけで悪魔を倒すなんて強いんですね」


「そんなことねぇよ。俺の剣はまだまだ直すべきところもあるしそれにいろんな魔法が使えるキリアのほうがすげぇと思うぜ」


「そ、そんなありませんよ。私は本当に補助の魔法しか使えませんしそれに比べたら昨夜、剣を振るったひー君はかっこよかったですよ」


「あ、ありがとう。キリアもかわいいと思うぜ」


「あ、ありがとうごさいます」


 お互いのことをかっこいい、かわいいと言い合って甘い空気が流れる。

 2人とも照れからなのか顔が赤くなっている。

 そして段々惚気のような話になっていくのだが


「ごめん、尚輝。お姉ちゃん朝は寝呆けていたよ。尚輝があんなことするわけないもんね」


 またもや突然、今度は襖が思い切り開かれる。

 そして正座して座り、お互いに顔を赤らめている様子を見た姉は


「なんでお見合いみたいなことしてるの?」


 尚輝と同じ黒髪と蒼い瞳、ただパーマでなくストレートであり年上とは思えない小柄な体型の姉、『篠原 佳奈』が尚輝とキリアを見たときの第一声だった。










「つまり、キリアは昨日俺を公園に呼んだのはある事を手伝って欲しいからということか?」


「はい、端的に言えばそういうことになります」


 佳奈にことのあらましを伝えた。

 佳奈の登場により冷静になった尚輝とキリアは落ち着いて会話ができるようになっていた。

 次に尚輝はようやく自分を呼んだ理由を聞くことができたのだがあまり要領の得ない答えが返ってきた。


「ある事って何?なんで見ず知らずの俺を頼ったの?」


 当然の疑問をキリアにぶつける。


「ある事の内容についてはまだ言うことができません。ですがあなたを昨夜呼び出した理由は話せます」


「それは何かな?できたらお姉さんにも教えて欲しいけど」


「もちろんそのつもりです。巻き込んでしまったのは私ですから」


 申し訳なさそうに言う。そして一拍おいて次に尚輝に向かってこう言った。


「あなたが私に惚れなかったから私はあなたを選んだんです」


「えっ!?」


 一瞬まぬけた声を尚輝はあげた。


「正確には私の魔力に惹かれなかったからです」


 それを聞いて尚輝は自分のなにかの核心をつかれなかったと安堵した。そのなにかはわからないが。


「それはどういうことなのかな?」


 そんな尚輝の心情もお構いなく佳奈は質問し、話は進んでいく。


「私は生まれつき大きな魔力を持っています。そして魔力の性質として人の気を引くという特性があります」


「人の気を引く?」


「はい。私の場合は人を魅了してしまいます。なので私の魔力に惹かれなかった人に協力を頼んだのです。詳しい詳細は今はまだ話せませんがどうか協力してくれませんか。もちろん無理強いはしません。危険なこともある事なので」


 尚輝に協力を求めるキリア。佳奈は尚輝の意志に任せるといわんばかりに目線をむける。そんなキリアに尚輝は


「いいぜ。協力しても」


 即答した。

 元々ダメ元で頼んでいたのかキリアは凄く驚いた。

 あまり自分の素性を話せずしかも協力して欲しい内容も話さない。そんな相手に協力してくれるとおもってもいなかったのだろう。


「ほ、本当にいいのですか。断ってもいいのですよ。昨夜のような危険もありますし」


「いいって言ってんだろ。気にすんな。それにキリアが言ってくれたように俺は剣に自信があるしな」


「キリアちゃん。尚輝はこういう人助けのようなことに対しては頑固というかわがままになるから素直にお願いしますって言ったほうがいいよ」


 姉の言葉に対して尚輝は「人助けとかじゃねぇ」と言って恥ずかしがっている。そんな尚輝にキリアは


「ではお願いします。ひー君。」


「ああ、頼まれた」


 2人は右手を出して握手をした。


「そういえばキリアちゃん。泊まるところあるの?」


 ふと思ったことを質問する佳奈。


「いえ、最悪野宿でもしようと」


「だめだよキリアちゃん。女の子が野宿なんかしたら危ないよ。家にしばらく泊まっていきなさい」


「「えっ!?」」


 驚きの声が2つあがる。


「佳奈さん、そこまでしていただけなくても」


「大丈夫だよ。家には尚輝と私2人しかいないからね。キリアちゃんもいたら楽しくなるよ」


「で、でも姉さん。姉さんは普段あまり家にいないじゃないか。その、男女が一緒の家に住むのはまずいんじゃ」


「今朝みたいなことが起きるから?」


 今朝の出来事を思い出しまた顔を赤くする尚輝とキリア。


「それも大丈夫だよ。これから尚輝が気をつければいいし。これは決定事項。わかった?2人とも」


「「はい」」


 佳奈に結局賛同する2人がいた。


「よし、決まったところで尚輝。二階にまだ空いている部屋があったからその部屋を掃除してきて。いきなり汚いところはだめでしょ」


「わかったよ。姉さん」


「あの、そこまでしていただけなくても」


「いいの、キリアちゃん。それよりもキリアちゃん、女の子同士でちょっとお話しましょう」


「じゃあ俺は掃除してくるぜ」


 そう言って尚輝は立ち上がって二階に行った。

 尚輝がいなくなってしまったのを確認した佳奈は


「キリアちゃん。あなた魔族でしょ」


 そうキリアに言った。


次回予告


「キリアちゃん。あなた魔族でしょ」

佳奈の問いかけにキリアはどう答えるのか。そしてキリアの正体は?

一方尚輝は学校生活に変化が。

そして動きだす不穏の影。

次回、自己中なお人好しと魔王娘『突然の転入生』


キリア「私は・・・」



次回もお楽しみに

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