4話 暗闇の影
たまたま暇があったから直ぐに投稿しました
では、本編どうぞ
「今日はあの約束(?)もあるしそろそろ帰るか」
授業も終わって魔法実習もあったせいか、いつもよりも遅い時間である5時を指していた。
尚輝が帰ろうと席を立つと後ろからうざったい声が聞こえてくる。
「篠原。また新しく書いた力作の小説を見てくれ」
そこには、自作の小説が書いてあるだろうノートを持った男がいた。
「今回のはマジで力作なんだ。ブラザー」
髪をワックスでたたせ、眼鏡を掛けた『谷 隆次』が尚輝に絡んでくる。
「俺はお前の兄弟じゃないから読まなくてもいいな」
「またまたぁ、そんなこと言わずに」
うざい感じに谷はからむ。本当にうざいとしか思っていない尚輝は
「今日は読む時間がないんだよ。それにどうせ官能だろ」
どうでもよさげに答える。
「俺がいつも同じもの書いてると思ったら大間違いだぜ」
自信満々に谷は言うが
「どんな内容だ?」
尚輝がそう尋ねると
「女の子が十八歳未満は禁止のニャンニャン体操を・・・」
「結局官能じゃないか」
尚輝はいつも持ち歩いている木刀を竹刀袋からすぐに取り出し谷を殴る。
谷は ぐはっ と声を出して倒れ気絶する。
クラスメートも ああ、また谷の奴がやられている としか思っていないようで何事もなかったようにそれぞれの時間を過ごしている。
この谷という男、いろいろと残念な男である。
そんな谷を無視し、気絶させた本人はとっとと教室を出た。
▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽
「このぐらいの時間でいいのか」
今、尚輝は公園にいる。もちろん今朝に黒髪の少女と約束した公園だ。
現在、午後の7時を回っている。もしかしたらもう少し遅い時間での待ち合わせかもしれないのだか生憎約束の時間を聞いていないので暗くなり始めた時間に来ている。しかし
「やっぱ時間を聞いとくべきだったか
」
案の定まだ黒髪の少女は到着していなかった。
ここまで来るのにかなりイキイキしていたため、尚輝のテンションは下がった。そのテンションの下がりようはまるで行列に並んでいたのに結局商品を買えなかったときのようである。
「まあ、ここで待っていればそのうち来るか」
尚輝はベンチに座りそのまま寝そべった。別に不貞寝しようとするわけではあるまい。
一時間経過
未だに来る気配なし。持って来ておいた今日中に終わらせるべき課題も終わってしまった。
二時間経過
まだ来る気配なし。待ちきれずに寝てしまった。よく寝られるな、こいつ。
三時間経過
尚輝の目が覚める。そして携帯で時刻を確認する。
「やばっ、12時過ぎてる」
携帯の液晶画面には0:01と表示されていた。
「結局あの子は来なかったけど帰らないけどまずいよな」
尚輝の家は基本一人暮らしだが、たまに仕事から帰ってくる姉がいる。とはいっても本当にたまにしか帰って来ないので別に門限があるわけではないが夜、特に深夜の時間帯は早く帰らなければならなかった。
尚輝は帰ろうと起き上がると声が聞こえてきた。
「放しなさい。私はやらなければならないことがあるのよ」
「姫、ツレ帰る」
暗闇で視認しづらいがそこには今朝に会った少女とその少女の腕を異形の手でつかんでいる影がいた。
誰が見ても少女が影に襲われているとわかるこの状況を見て尚輝はすぐさま持ってきておいた木刀に自分が唯一使える魔法を使う。
魔法式が編まれそこに魔力が込まれ木刀は悪魔をイメージするような剣を新たに形作る。
その剣を取り、影の腕を両断する。
「悪いな。この子は俺が先約済みなんだ。ナンパなら他をあたってくれ」
尚輝はそう口にした。
ようやく話進みました。
感想待ってます