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猫人  作者: Wosss
第二章 中
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第3話

小鳥の鳴く音が聞こえる。

男は大胆に身体を起こし、目を瞑ったまま数秒間静止した後に、ゆっくりと立ち上がった。

大きく伸びをして、半目開きで少女を見る。

少女はまだ眠っている。

「少し、散歩でもしてくるか。」

そう独り言を言って秘密基地から出る。

今日は快晴、夏の終わりかけであることもあって、気温も丁度良い。

ここの山は一周できるようになっていて、散歩をするにはもってこいの場所であった。

男が清々しく山を周っていると、麓の方で声が聞こえてくる。

「もしもし、報告です。子供二人が人鬼を匿っていた場所が分かりました。はい。はい。夕方…承知しました。」

せっかくの散歩日和が台無しである。

男は秘密基地へ戻り、少女を起こした。

「そろそろ調達の時間だ。起きろー。」

「ん〜おはよう」

猫人初めてのおはようだ。おはようと言った。

猫人は寝ぼけながらも男について行く。

日が出ている内は男しか盗みを働かない。猫人は荷物持ち役。でも共犯である。

一仕事(犯罪)を終えた帰りに、男はこれからのことについて話した。

「お前は明日、俺の従兄弟の家に行く。一応俺も一緒に行くが、念のために地図を用意してある。」

渡された地図は鮮明に書き記されていて、左上に 中野(ちゅうや)と書かれていた。

「中野っていうのは俺とその従兄弟の苗字だ。事情は話してあるから、難なく受け入れてくれると思う。多分。あ、因みに連絡手段はケータイではなく公衆電話だぜ。」

聞いてない。てか今時公衆電話なんてあったんだ。珍しい。

秘密基地が見える頃には日は殆ど沈み、星がいくつか空に浮かび上がっていた。

秘密基地の入り口に近づいたあたりで、中から声が聞こえた。

「なんだいねぇじゃん。ここにお目当ての人鬼がいるって話だったのに。夕方まで待って損したわ。は〜あ、帰るかー。」

猫人と男は身を潜める。

小鳥が移動する音

「ん?そこに誰かいるな?出てこい。」

確かに小鳥の移動する音だったが、不幸なことに見つかってしまった。

猫人と男は秘密基地から出てくる声の正体と対面する。そしてわかった。

声の正体は、組織の一員であった。

「あれ、お前、ホムラだな?中野 炎。君の隣にいる少女はお目当ての人鬼さんじゃないか。一石二鳥。おい、そこの嬢ちゃん。このお面に、見覚えはあるかな?」

言って、赤い狐のお面を取り出した。

あの時に見た、若を刺した、狐の仮面。

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