第2話
雨が降ってきた。
男と猫人は急いで秘密基地に戻る。
全身が少し濡れてしまったが、食べ物は無事なようだ。
雨の音を聞きながら、調達した(盗んだ)食べ物を頬張る。
「お前もいつかは食料や金を自分で調達していくことになる。俺はこう見えて、忙しいんでな。だから、俺が直々にその調達方法を伝授してやるよ。」
急にそんなことを言うもので、猫人は心構えができていなかったが、そんなことも気にせず男は話し始める。
話は雨が止むまで続いた。空はすっかり暗くなっている。
「よし、実践だ。まずはあの家から。」
どうやら男は、休ませる。という言葉を知らないようだ。
男が指差した先に、窓が全開の家があった。
「あんなもん、どうぞ盗んで下さいと言っているようなものさ。行くぞ。」
山を下り、家に侵入する。
数分経って、男と猫人は家から出てきて、颯爽と山を登って秘密基地へ戻る。
狙われた家の中はとんでもないことになっていることだろう。家主には同情する。
案外物を盗むのはあっという間で、それでもかなりの量のお金と食べ物が手に入った。
夜は特にやることもない。猫人はうとうとしている。
男が口を開く。
「あと二日…あと二日でここを出て行くことになる。俺は指名手配犯だからな、ずっとここに居座るわけにもいかない。」
猫人は眠くなりながらも聞いた。
「会えなくなるの?」
「そうだな、会えなくなる。」
すると男は何かを思い出したかのような素振りをする。
「そうだ、俺の従兄弟の家に住まわせて貰えばいい。そうしよう。」
猫人は首を傾げた。
男はそんな少女を見て、寝るぞ。とだけ言って横になった。
猫人もまた、隣で横になって眠りについた。
今夜は綺麗な星と並んで、月が満遍なく輝いていた。




