第弐話
空が明るくなってゆく。
猫人は縁火の家へと足を進める。
虚な目。
猫人は疲れ切っていた。
…
あともう少しで家に着く、あと、もう、少し、で、家、に…
「マオレン!」
倒れそうになる猫人へと駆けつけ、抱きしめたのは縁火だった。
「マオレン、よく、帰ってこれたな…」
縁火は涙を堪えていたが、猫人の大泣きにつられて泣いていた。
「ホムラがぁ、ホムラを守れなかっだぁ。」
「そうか、そうか、」
縁火は猫人をずっと抱きしめた。
涙が止むまで、ずっと。
日の出を迎え、猫人と縁火は家に戻った。
「それじゃあ、朝飯でも食べよっか。」
…
…
…
数ヶ月が経って、猫人はバイトを始めた。
縁火の助けもあってか、今は飲食店で働いてる。ファミレスだ。
縁火はもう完全に保護者だ。
店長から、猫人はよく働いてくれると聞いて、縁火はほっとしている様子だった。
場面は変わる。
とある男が、猫人の働くファミレスへと向かっていた。
「はぁーあ、やっと退院できたってのに、腕が動かないんじゃバイク握れないじゃん、全く。いやーしかし、長らく意識が無かっただなんて、信じらんないなー。俺にとっちゃ、ただ寝てたみたいなもんなのに。」
男は入店し、案内された席へ座った。
「うっし、さて、何頼もっかなー。」
あー、ながい、はよ選べ。
「えーと、ボタンボタン、あった。ぽちー」
「ご注文はお決まりでしょうか。」
店員のお札には[猫人]と書かれていた。
「え?マオレン?」
「え?」
とある男の名前は、平木 渦真だった。
猫人は驚きのあまり、伝票を落とした。




