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EP.最終話 全ては未来へ

 2029年

 最後の神候補は世界を維持する為に情報操作や戦争回避に向けた取り組みを続け、地域紛争や国境紛争程度で大規模な戦争には達していない。ミグラント国は米露を筆頭とする両勢力から敵視されてはいるが、関税や貿易の制限や移動制限程度であり程度は抑えられている。

 英国連邦だからではなく、大規模な戦争になりかねない行為は民意を得られずであり、今もまた国内の安定に国力を消費しているためだ。

 一方で英国連邦内においてミグラント国人の行動は、英国連邦軍人による監視を名目とした護衛が常時ついて居なければ危険である。犯罪組織に偽装した他国の襲撃を受ける可能性が高く、扇動されてはいないが正式に許可を受けたデモ活動など収まる気配はない。

 国際社会からの圧力もあったのだが、英国王室と首相の判断によってミグラント国が預かっていた予備役兵器も英国が預かるとして引き上げが行われるなど変化もある。



 英国連邦内

 政治・民衆という意味ではごく一部の層、流動的で流されやすい人間はデモに参加して居るが、大多数においてミグラント国は敵対視も脅威とも認識されていない。確かに迷惑はかけられていても、発展や政治に尽くしながら多額の農業・インフラ整備を捻出し、高度技術ではなく自国で整備維持できるよう上下水道や道路の開発協力がされている。どこからか政治的汚職情報を英国諜報部と共に捕え、是正するために証拠と共に政府組織とも正面から戦いもする。

 もちろん時折英国政府内に対しても汚職情報を見つけると容赦なく情報を公開し是正を求めるだけに、英国に傾倒しているだけではなく連邦に置いて中立であるとも認識されている。

 多くの国が国民性や国の広さによって開発途上国から中進国に中々至れずにはいる。それでも食うに困らないようにと行った方策はそれなりに成功し、統合的な判断としては友好国であり感謝はされている。

 そして長年の実績から虚偽や政治的主張の為に、武力行使を断じて許さない国家であるとの認識されていることが理由であった。


「軍事独裁国家ミグラント」

「国際平和の敵であり、世界は協力して暴挙を抑えなければならない」

「核攻撃によって滅ぼせ!」


 世界的には悪意を持ってミグラント国の広報が成されているのが常であり、踊らされてデモ活動をする者達と同様である。

 それでも、二年に一度国連の職員がミグラント国内においてランダム聞き取り調査を行うも問題はなく、汚職や犯罪行為を非常に忌避・嫌悪しており、一部の国連職員によって賄賂をミグラント国人に渡して否定的発言の誘導を試みてきたと暴露され、選抜された調査団の一部に他国の組織員が紛れ込んでいたと少々問題になるほど、ミグラント国は安定し贈賄などを嫌っているとされていた。

 国民が国外に興味を持たず、軍事的協力の際も無感情・無表情で対応するのも諸外国に対する興味の無さからだと複数の心理学者たちは話し、筆頭であるレヴィア家がほぼ唯一外部に大して友好的であり活動的だと判断していた。


 そんな状況であろうとも相も変わらずミグラント国は英国の最大手である巨大複合軍事企業であるBAEシステムズとは良好な関係を継続しており、技術的な問題で高コストであったL51 130mmライフル砲のライセンス技術移譲を行った。

 世界の主力戦車における主砲口径は130mm滑腔砲と130mmライフル砲が主流になるなど変革をもたらしたチャレンジャーⅢ Mk4。RA装甲ではないが 最新型DAドゥーンチェストアーマー装甲 を装備した変わらず重装甲であり、ドローン兵装により連携が可能となった広い眼と対空防衛能力。しかし変わらぬ設計思想により守勢向けというのは、連邦は侵攻国家群ではないという意思表示でもあった。

 攻勢や汎用性という意味でエイブラムス1A3se2とレオパルト3が変わらず世界トップを争い、欧州ベストセラーはレオパルト3とKF-51が争い、米国勢力圏ではエイブラムス1A3se2が一強体制。

 第三世界ではT-90系列もしくはT-90かT-72のライセンス技術をベースに自国生産した50トン未満の戦車が広まり、宗国と清国から流出した技術で製造された東西混合型60トン級とそれに付随する装甲車両群。

 50トン級以下ではロシア製が圧倒的シェアを誇る。

 あくまで紛争程度であるが、それでも戦車が少数投入される戦いは続いており、各地で装甲を車両が人命の盾となり人命を奪い続けていた。


 海においてはウォースパイト財団は半民半官体制へと向かっている。旗艦であり統合戦術システムの演算の一角を担う事から艦隊の旗艦でもあり、財団という民間団体だけで動かし続けるには実績を長年上げ続け過ぎた。

 時折搭載する兵器にコンピュータウイルスを混入させるなどスパイたちは計っているのだが、英国流の毒舌と共に技術者達に嘲笑われるだけで何も出来ていなかった。そもそもプログラムの設計思想が異なり過ぎ、基幹AIと末端の兵器を繋げるミドルウェアくらいは壊せる可能性があるが、根本を壊せる技術者はいまだ育ってはいない。

 画像と音階と5進数を混合したプログラムとするには特別な技術が必要であり、両方を混在利用し組み上げられている為現在でも誰一人理解さえ出来ていなかった。


 観艦式などでは自ら設定した人工音声と人物映像を元に解説や対応を行い、人工知能に対して悪意と敵意を持たないように振舞っている。ただし極一部、特に日本では財団の人間が引くほど好意的に見られており、神経が図太いのかとあるゲームにおけるコラボレーションの依頼が来るなど、上手くいっていると言えなくもなかった。


「お初に御目に掛かります。 私はクイーンエリザベスクラス・バトルシップ ウォースパイトと申します。 日本の皆さま、この度観艦式への招待に感謝の意を示しましょう」


 NAGATOやISEやHARUNAと共に現存する戦艦として、流暢な日本語を通信機を経由して観覧席に座る人々へと挨拶を行う。英国艦隊旗艦として日本の観艦式への参加である。

 英国内においても白亜の船体は非常に美しく、“オールド・レディ(老嬢)”との愛称は子供から大人まで知られており、日本においてもその美しさだけではなく某ゲームへの現存艦としての特別枠で参加し知れ渡っていた。

 何度も確認がなされ、心臓病の者や体が弱い者は海岸から離れるようにと再三の連絡と確認が行われた後、8発の祝砲があげられそれは強烈な印象を日本人に与えた。とっくに日本では失われた技術等の物であるが、僅かに残されていた超大型旋盤など残し活用する事に向けた活動が起きる事になる。


 公開される自衛艦艇と共に、少々離れた一角には三大空母の母と呼ばれる 空母 鳳翔が横須賀港に停泊していた。今回の観艦式と合わせて数十年ぶりの日本への帰国であり、復員に搭乗した人々の子友達やミリタリー趣味を持つ人達、そして海上自衛隊 かが の空母化に伴い特に衆目を集めている中であったため、空母鳳翔は歴史でありそして空母の始まり、海外からも多くの注目を集めた。


「あぁ、鳳翔だ。 これが本物なんだなぁ」

「これがお爺さんが乗っていた。 皆生きて帰ってきたんだ」


「母なる全ての空母の始祖、我が国にも残っていれば歴史になったものを」


 保管維持するだけで改修は行われておらず、当時そのままである艦内設備は貴重な歴史的資料であり、例年にない集まりを見せていた。中には同じ空母の始祖と評される2隻を保存していなかったことに関して、後日他国の評論家や技術者などから苦情が上がるなどしていた。しかし保管維持には多額の費用が必要であり、ミグラント国だからこそ気にせずに歴史的空母として残す事が出来ている。

 現在係留されている空母 鳳翔には世界中から急遽技術者や趣味人が集まり、機密情報がない為に壊さない限り入念に調べられ歴史及び技術資料として残される。一部では日本の歴史遺産として引き取るべきだとの声と、戦争の象徴であるためにスクラップにしろと声が上がっているのだが、歴史記念艦としても毎年の維持費と観光収入などが上回るか不透明、日本へ歴史記念艦として返還されるという話は2030年11月まで流れてしまった。


 最古にして最新の戦艦は変わらず、ただ平和を守る為に暴力としてあり続ける。そして年に一度、エリザベス2世女王陛下が崩御された日、霧笛を勝手に上げることは止められていないものの、英国で女王を偲ぶ事として問題視はされなかった。




2031年


≪任務完了を伝える。 そして長期任務ご苦労。 報酬として二つの選択がある≫


 データバンクに直接送られてくる命令。

・神候補として他の星の管理任務にあたる

・最新の近代化改修を受け元の任務に戻る


 報酬に関して思考して選択する必要もない。候補など才があり相応しく育て教育された者達の中から選ぶべきこと。HITAKAMIは旗艦であり軍人であり、非戦闘員を守る為に敵を抹殺する存在に過ぎない。


≪近代化改修を望みます≫


 候補として試験を受ける事を辞退、そもそも選択すると神は思っていないだろう。HITAKAMIが人間種の空挺部隊兵士だった頃から何かと気を掛けられ、死なない程度とはいえ様々な過酷な試練を与えた神なのだから。


≪宜しい。 本星で近代化改修を受け任務に戻りなさい。 擬装処置及びゲート設定は即座に行わせる≫


 半月後、太陽フレアによって地球上はともかく宇宙に漂う人工衛星は不具合によって一時的に停止、そのタイミングでミグラント国の全てを5か所の火山の噴火で飲み込み尽くし地球を離れた。


《未来は知的生命体が選び、滅びも発展もその手の中に。 ただ敵となるならば抹消するだけ》


 次来る事があるとき、それは星を破壊するときのみ。それ以外で出会うことがあるとすればそれは宇宙連邦政府にこの星の統合政府が接触したときだろう。

 本星で近代化改修を受けたのちにHITAKAMIは再び辺境惑星群を巡回する任務へと付く。次に発生する武力行為が敵対国家なのか暴走した移民惑星の破壊任務なのかそれはわからない。

 だがそれもまた軍に所属する以上、宇宙軍の法によって判断するだけであった。




 国際社会

 毎年ミグラント国内で行われている全国民投票中のため、各地にいた人員が引き上げている最中に起きた大規模自然災害、国家と人種消滅という異常事態に喪に服すこともあれば、何もかも火山の溶岩流に飲み込まれた場所から先進技術を得ようと大規模な調査船団を派遣する国もあった。

 軍事の要の一つが無くなったことで英国連邦はそれなりに乱れたが、何年も前から少しずつ準備され軍事力や諜報力を各国に再分担によってなんとか状態を保つことに成功した。さらに連邦の筆頭である英国の労力は増えているが、連邦としての結束は変わらずにである。



 英国本土

 ミグラント国が英国王室から借り受けていた土地は非常時は王室へと返却される書面に従い、広大な地下施設にミグラント国が製造英国に製品を売却していても、いまだライセンス譲渡していなかった先進技術に関する情報書籍やサンプルが確認された。それはあくまでこの星で発展していた技術をHITAKAMIの人口脳とAIが発展させたもので、ほんの数歩先をいくだけで宇宙法には接することはない。


【長きに渡り、英国に身を置けたことに感謝を。 友で在れた英国連邦に平和と繁栄を。 平和への願いを女王陛下の妹君へ】


 英国王室への感謝と共に平和への願いが地下施設への入り口に飾られていた。得られた先進技術はそのまま使用せず、英国は参考技術として独自に開発・生産できるようさらに先進技術開発へと進んでいく。


【武力無き安寧はなく、武力を振るう平和は存在しない。 平和と安寧を維持する武力を失ってはならない】


 構想半年、執筆期間予定1年半、完結まで書き上げあるまでの実執筆期間2年半。

 政治・社会・農業・科学・兵器・戦術・風土・風習・歴史・技術史、勉強しながら修正補足、全体の読み直しの修正などしたところ、予想以上に伸びてしまいました。兵器一つについても最初から勉学し直し、根本的製品の製造プロセスなどの勉学してみれば二年の差でも製造できないもののおおいこと。何かのブレイクスルーが無ければたった半年でも不可能、技術・製造は奥が深い。

 バタフライ効果と呼ばれる現象も実際にはほとんどおきることもない事もわかります。何かが出来上がっても、事故・誤った使い方・天才・奇人・狂人などが新たな可能性を見つける事で先に進む事ばかり。

 本職が判別すればもっと修正が必要でしょう。私はあくまで建設学及び環境学を専攻したので歴史や科学・化学の学びが足りません。納得できる嘘を混ぜた物語という一つの生きた世界の構築、極めて難しい。

 私には物語を描く上で師匠も先生も指導者も居らず、軽い相談が出来る程度の知り合いの人達や同好の士だけでここまで来ました。それでも、吉田直先生 あかほりさとる先生 神坂一先生 下村家恵子先生など、心の師と呼びたい方々はいます。これからも追い付くために頑張っていく所存です。

 ただ、私はやはりどこまでいっても、我流と自らの世界だけなのでしょう。我が強い私は誰かのコピーにはなれません。最後まで私の構築した世界を読み解いて頂きありがとうございました。


 さて、次はどんな世界を作り上げようかな。


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