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55.2018年 戦争の始まり

 2018年4月、気温の上昇と共に3か所、正確には朝鮮半島・日本・露西亜の三方向からによる同時攻撃が開始された。24時間休息なく行われる制空権を得る為の航空戦、それは宗国のレーダー網や監視網を飽和させ、同時多発的に大規模投入された制空機に対応するため宗国空軍は混乱している。

 その状況だからこそ、生物・化学兵器工場及び研究所を破壊する為、そして核兵器配備基地と保管施設破壊の為に強襲作戦は実行される。

 全方面への戦闘機投入と同様に航空基地への爆撃は並行されており、航空基地防衛と制空権の奪い合いは苛烈な物であるが為だ。



 核兵器配備基地・各兵器製造工場

 優先順位は高く、米国・英国・仏・独の連合特殊部隊が3箇所同時に攻撃していた。表向き発射・爆破システムに何ら問題はないが、諜報機によって実際には全ての機能を喪失しており暴走した内部兵による発射や爆発は防がれている。潜入工作員により処理済みと情報はすでに両国空挺部隊に伝えられていた。

 前日までの配備人員、内部施設情報、核兵器保管庫の解除コード、秘匿通信コード、全てが詳細であることから、単純な奪取・破壊作戦であるとも判定されている。

 そのため2か所は一切の問題が発生せず順調に制圧したのだが、一か所では管理する責任者の独断で核弾道弾の発射ボタンが押されてしまった。しかし弾道弾及び制御システムはダミー基盤に接続されており、本物の回路はズタズタに破壊されて機能を停止しているため何も起こらなかった。

 他国は潜入工作員による破壊工作と判断しているが、実際には基地の整備技術者の脳を眠っている間にこねくり回し一時的に制御下に置いたことでダミー基盤に接続を変えている。心理面や家族・友人関係まで詳細に調べても問題がない人員が突然工作員となる、この星の住民では如何なる対処もできない方法であった。


 全ての核兵器の奪取及び核濃縮施設の破壊、問題なく作戦は成功を遂げ核兵器による脅威からは解放され安全確保はされた。残るは原子力発電所であるが、そこに手を出せば宗国そのものが被害を被る。やや劣勢な制空権争いの最中とはいえ、発電所は国家の命であり軍民語わず防衛に関しては極めて厳重であった。



 生化学兵器研究所。

 2か所あるが核よりは優先度が低く、有志多国籍連合による破壊と奪取が規定され、危険なウイルスを研究している1箇所へミグラント国が対応する。以前の漏えいから世界への秘匿性を上げる為集積し2か所へと減らしていた。

 1箇所は研究所ではあるがデータシミュレートや机上研究が主でありウイルス原体の保管はされていない。あくまでバックアップ施設であり主研究所に何か問題が発生した場合おいて、ウイルスを移動させ研究を継続する為の施設であった。それ故にミグラント国が対応する第一研究所こそもっとも危険性が高く、最悪の場合はミグラント国の兵士ごと核によって周辺領域の滅却が決定されている。

 それだけ生化学兵器とは危険な物であり、生化学発展のために研究するものだとしても決して使用してはならない兵器なのだ。

 核施設への攻撃と同時刻、研究所地域を担当する防空レーダーを破壊のためMF-23/Mによる攻撃が始まった。

 英国連邦においてある程度の情報公開されているMF-23/Cとは異なる。使用されている吸電磁波材によるステルス性能もそうであるが、推力及びシステムも異なるだけではなく完全密閉型コックピットであり有視界は存在しない。むろん擬態として密閉型パイロット席は存在し擬態パイロットも搭乗はしている。

 大まかなスペックを知っているのは英国連邦空軍の中でも精鋭である英国空軍のみ。


 宗国レーダー網を突破し規定位置に到達、そのままウェポンベイを開き空対地誘導弾の射出を行う。ようやく僅かな反応が出た事で宗国空軍の対空レーダー群は把握のためにシステムを集中してしまった。発射した空対地誘導弾はパッシブ・レーダー・ホーミング式、レーダー波によって戦闘機の位置を把握しようとしているレーダー施設目掛け加速していった。

 誘導弾の方式に気付いたレーダー士官が止めようとするも、元よりレーダー設備を破壊する為のパッシブ・レーダー・ホーミング誘導弾は極めて高速であり対応が遅すぎた。着弾によってレーダー設備は次々と破壊され空の目を失い、続いてレーダー施設上空へと到達したMF-23/Mの誘導爆弾による管制施設への攻撃へと遷移と共に宗国防空レーダーの一地域が失われる。本来は複数の防空レーダー網が少しずつ交差し一部が喪失してもカバーするのだが、周辺のレーダー網はすでに飽和状態であり故障や異常などが起きても対処する余裕はなかった。


「対空設備破壊完了、タイフーンへと攻勢部隊を移行。 防衛部隊の排除を行う」


 MF-23/Mによる近隣の対空システムの破壊から爆装したタイフーン編隊へと切り替えられる。研究所の防衛部隊である宗国の陸軍基地には研究所支援のために歩兵戦闘車や装甲車両などが充足し、排除するには滑空爆弾や誘導爆弾による攻勢が必要であった。

 しかし防衛部隊は対空能力を失ったが故に退避以外は出来ず、救援を各所へと求めても劣勢の制空権争いの中で支援部隊を陸軍以外送れるわけもなし。空挺や陸軍歩兵が搭乗した輸送ヘリなど長距離飛ばそうものなら戦闘機の標的として狙われるために無事に到着できる可能性は低く、航空管制が飽和状態では正確な誘導などもできない。


「現在 デルタランス4に向かっている航空部隊無し。 作戦を続行せよ」


「了解。 任務を遂行する」


 意味のない通信、それでも司令部に対して証拠としての通信記録。低空へと高度を下げ目標へと向かう爆装したタイフーンの侵入は確かに複数の宗国レーダーに捕捉されてはいた。しかしあらゆる軍事基地に対して航空攻撃を仕掛けるべく制空権争いが起きている中、すでに落ちたレーダーサイトと救援を求める表向き価値の低い小規模基地への支援など行われるはずもない。

 同じ宗国軍にとっても極一部以外は生化学兵器研究所がある事を知らず、その防衛基地からの救援であることなど当然のように知らない。知っている事は漏らす事は出来るが、知らなければ秘密を漏らす事も出来ないためだ。だがそれが現在弊害を起こしている、生化学研究所を守る戦力の派兵が出来ないのだから。

 低高度侵入を果し爆撃は基地の主要設備を破壊し、そして戦車や歩兵戦闘車など機甲戦力に至るまで攻撃目標として撃破していく。


「司令部へ。 目標の破壊を完了した。 帰還する」


 タイフーン編隊による低高度精密爆撃は宗国基地に存在する兵士と設備を破壊に成功。作戦は次の段階へと移る。

 装甲兵器及び基地施設破壊完了に伴い垂直離着陸大型輸送機 ローク 7機による空中からワイヤー降下による総人数270名の強襲、破壊し占拠と共に残存兵力の掃討は容赦なく行われる。

 その間にも着陸したロークの後部ハッチから降ろし、ウォーリア歩兵戦闘車3台 歩兵装甲輸送車1台をによる生化学研究所の制圧と奪取作戦へと移行。擬態兵であるために互いに何かを話す必要性がなく、無言無表情の兵士による排除は機械として処理が行われる。

 残された僅かな武装警備兵だけの研究所の警備体制、そのため研究者や職員は降伏の意を示す者は多いのだが。


「た、助けて!」

「降伏する。 国際法に則り」


 部屋に隠れている外見上武器を持たない研究員を射殺、挙がる悲鳴も助命の懇願さえもマスクとゴーグルに覆われた擬態兵にとって何の意味も持たず無言で任務を遂行していく。

 軍人は法によって動く暴力装置。ただしそれは本当の意味での降伏であり、銃や致死性薬剤を隠し持つ対象は降伏ではないと判断している。襲撃中の研究所の性質上、世界条約で禁止されているウイルス兵器を製造していることは明白、降伏し捕虜になったところで後の裁判などで死刑もしくは無期懲役の判決が行われる可能性が非常に高い。研究者たちが生き残るには逃げるしかないのだ。


「劣等共に追い返せ!」

「白豚共を殺せ! 我々宗国人こそが世界なのだ!」


 武装警備兵が数か所の部屋にバリケードを築き抵抗を試みていた。声を上げ挑発し自らを鼓舞しながらの防衛、音の反響さえあれば正確に位置を把握できる擬態兵にとって、呼吸を行う人間が室内や通路の角などで伏せていても判断が出来る、そもそも至近で7.62mm弾を受けたところで壊れる事もない兵士の脅威とはならない。

 秒数と壁の反射を利用した手りゅう弾の投擲に通路の角や室内へ投擲。物体を認識し声を上げる前に吹き飛んでしまう。さすがにウイルスの保管や研究されている部屋に立て籠る者は居ないが、室内で手りゅう弾を使用するのは基本的に推奨はされない。部屋内部にあるPCなど設備を破壊し回収が不可能になってしまう。

 人間の残骸だけが散らばる研究所の制圧作戦は30分で終了し、認識と共に傍受と合わせ意図して通信による報告を上げた。


「研究施設の制圧成功。 ウイルス兵器の原体を漏えいなく確保した。 捕縛者は研究員5名のみ」

「作戦は最終段階に入る。 敵の奪還に注意せよ」


 通信完了と共に有志連合の回収部隊が続々と到着し、ウイルスやデータが運び出されていく。元より諜報機によって全て判明している管理状況に施設内部の詳細な情報、予定時刻通りに全てが運び出され最後には大型焼夷弾によって施設周辺そのものが全て焼き払われた。元より他地域の研究所でウイルスは漏えいしている、最悪の事態を想定し周囲1kmに渡り無差別に全てを焼き払い微量のウイルスが漏えいしていた可能性を考量した行動であった。

 第二研究所も同時刻に制圧とデータ回収が無事成功し核及び生化学兵器の奪取作戦そのものは成功した。


 数年後にはデータ及びウイルス原体は後に国際機関で解析され、世界に広がったウイルスの原型であると判明し、宗国制圧作戦は 是 であると世界及び歴史に再度認められた。

 それは残存している宗国人にとって止めのようなものであり、国際連合監視下で公的に自治を求めている彼等への再び世界の目は厳しくなっていった。




 2018年5月

 日本

 在日米軍と一時的に間借りしている在日英国空軍による攻勢であり、航空自衛隊はエスコート及び防空のみとしようとしたのだが、湾岸戦争時の実績として最低限と言うべきか外人部隊というNATOに派遣する為の部隊があり再編と共に陸海空の少数部隊を派遣している。

 相も変わらず一部の層は派遣に否定的でありデモ活動などしているが、その程度はいつの世もどの国でも変わらぬ層であり、主要とならなければ何ら問題はない。

 航空自衛隊からもF-15の編隊のみが米軍に協力という形で参戦させられている。あくまで輸送機の護衛という形であるが、護衛である以上非常時は戦闘をしなければならない。いくら戦闘機を大量に保有している宗国とはいえ、世界中から24時間集中的に攻撃を受けている現在では保管航空燃料の激減によって防空は出来ても要撃を行う余裕は一ヵ月と経たずに喪失している。ただの名目的行動さえとらぬのなら、もはや世界は日本に興味を失うだろう。



 ベトナム

 今回は局外中立の宣言を行い、さらに宗国とベトナム共和国間で不可侵条約の締結を行ったために行動を起こさないが、念のため宗国と国境線に面している事から封鎖する為に兵力を集中させており、隣国との関係強化にいままで以上に尽くしてきた。それでも隣国から少数の越境を試みようとする軍からの離反部隊である武装組織から攻撃を受けており余裕はない。

 さすがに空軍は少数であるがベトナムが独力で購入したサーブ39グリペンが少数配備されている。それでも自衛という意味では周辺国との関係もあり数は多くない。

 今回の配備についても英国連邦から何度も説明を交渉を経ている。軋轢になっては困るのもあるが、大体において英国連邦は周辺国に対して侵略の意図はないと理解を求める必要、そして理解を求め理解してもらう活動を止めてしまえば、欧州系というだけで過度に嫌われ敵対視されてしまう。安全を得る為のコストである。

 ただし、宗国との不可侵条約に従い、国連及び英国連邦の駐軍はしないということになっており、宗国に面する国家の中でもっとも軍事力に劣る場所でもあった。



 宗国

 各地から送られてくる軍、最新の実験兵器からもっとも量産されている兵器まで送り込まれ、実戦データの取得としての形ももちろんある。それでも方向性は間違えておらず制圧作戦は順調に推移していた。

 抵抗するのは国軍だろうと各地の軍閥だろうと、構わずすべて破壊し心をへし折り、のちのちの抵抗をする感情と武力を失わせる考えであった。

 そしてこれをしたところで、世界中に蔓延しているウイルスによって死亡した各地の被害者の怒りは収まるか分からない。過激な言葉を上げる層にいたっては核を使用し完全に抹消しろと活動を行うほどに、恨み辛みは消化されずにいる。誰だって家族の突然の病死は非常に重いのだから。


「ウイルス兵器であり、得られた情報から宗国が製造国家であることが確定しました」


 原因不明であったのならここまで世界世論の加熱はしなかった。各国のウイルス解析能力が高く、そして諜報機関によって得た情報、全てから判断され確定したからこその発言、それは宗国内でも多数の感染死傷者が出ていたことから戦意の低下と離脱が起きた。

 地球とは異なるこの星では愚かであった、それは個体差なのか文明差なのかはわからないが、少なくとも支配欲と傲慢さは地球の酷似した国家を超える。

 そしてルールは強者が作る、それに従い国際連合の各議題には宗国の攻撃目標や民間人対応案などが次々と提出され、民間人被害に対して是とされ爆撃や対人地雷など限定許可と共に戦地で使用される。

 対人地雷の大量使用や絨毯爆撃の増加など容赦のない攻勢が行われていた。


「人権に従い、対人地雷の使用の停止を我々は求めます」


「ウイルス兵器で多くの人々が病み、仕事を失いそして死亡した! それに対して人権は放棄するという事か!」

「被害者、苦しみ死んだ被害者家族への人権はないのか!」


 人権団体が声を上げようとしたが、ウイルス感染被害者団体と激しくぶつかり合った。人権団体は世界規模ではあるが纏まりはなく、感染被害者団体は世界規模で統一して報復を叫ぶ数十億の団体、連日のデモ隊のぶつかり合いやメディア放送の中行われた公的場での討論によって感染者の人権は無視をするのかという言葉と、民意操作を兼ねて国家が助力したことでそれが押し切るきっかけとなり各国の人権団体はかなりの力を失った。

 良くも悪くも現実が見えていない人間はそのまま残り声を上げているが、利権や現実が見える者達は新たな団体を作り上げるという方向へと移っている。

 久しぶりに行われた絨毯爆撃は、若干米国の兵士に任務であるとはいえ精神的負担が大きくトラウマを与えるなど影響は小さくなかった。



 北東部

 自ら望み制圧する領域において露によって行われたのは、条約を締結していないために焼夷弾だけではなく白リン弾による凄惨な破壊は連日行われ、被害者などという考えは持たぬために全て破壊し、その上の陸軍部隊が生き残りや再制圧に来た兵士を排除し進んでいく。

 割り当てられている目標地点、北清鮮と宗国の国境線最南西端からモンゴル国境まで、さすがにモンゴルの制圧については不可能であったが、少なくとも自国の主義の正しさを国内に示す上では何ら問題のない侵攻、むしろ西側より迅速に制圧し安定させることこそがロシアという国家の正しさを世界に示す事であり容赦も何もない。非協力者・敵対者は不要であるとの判断であった。

 全て東側で立て直すのだから建物も何も必要とせず、人さえ不要であるとの判断による攻撃は残酷であり、宗国人は恐れ恐怖し逃げようとするもそのような場所など残しておらず、海にも陸にも逃げる場所はなく、国連にも情報が流れる事のなかった彼らの安否は永久に不明のままでおわる。


 北京を起点に西側諸国は制圧作戦を実行しており、すでに制圧が完了している地域は国連という名の米国主導の治安活動が実施されている。宗国政府機関は西へと退避しつつ抗戦を続け、四川成都にて政権を維持しながら抵抗線を続け、そして第三世界や多額の出資をしていた各国へ協力を求めていたが。


「返済不可能な借入れ投資を行い不当に他国の利権を奪うことに関し、国際連合は救済処置を行います」


 米国とEU、そして露は国際社会でのさらなる政治力増大を目指し、限定であるが返済不可能な多額の借入れ投資に関して国際連合の限定的管理下に一定年数入る代わりに“債務放棄”しても良いと議決を通して無視をするよう促していた。むろん一回限りであり国際連合の管理下とは国の自由を一時的に失うことになる。

 しかしだ、莫大な国家の借金が無くなるとなればそれは宗国を裏切るに値するために、一時的な事とは言え第三世界国家群がG7側へと鞍替えを行うのは難しい判断ではない。

 多国籍軍は確かに北京を制圧したが、その後は互いの利権によって別々に侵攻方向を選んでいる。



 ウイグルやチベットを擁立し楯とすることを選んだ欧州。

 その後ろ盾として利権を得る為に同盟国と合同で国連に新たな国家として承認申請を行い、自国や同盟国の軍を派遣し制圧と追い出しにかかっている。

 こういった行動は欧州だけではない、東欧やインドなど各国が利権を得る為や自国の安全の為の行動。それは今までの不満や苛立ちに対してではなく、明確に勝ちを取得できるからこそ今までの関係など考えず国家の利を得るという判断である。


「今まで行われた弾圧、それだけではなく民族浄化と判断されかねない行動によってウイグル地区の独立へ協力を行う。 むろん宗教的問題における対応は、国際連合国際法廷による判断を重視し、政教分離についてはかならず行っていただく」

「チベットも同様、インド共和国が責任を持ち独立を支援し、政教分離や政治などについては英国連邦から局員の協力を得ると話を通してある」


 茶番、すでに国際連合の場においてではなく、国家間個別会談によって有力各国同士の判断と回答は行われており、議会へはスムーズに通る手筈となっている。いままで証拠があっても動かなかったのは理と確実性がない為、そのどちらも得られるのなら少々の手間くらいは請け負う。

 議会を通ると判断されておりすでに部隊は派遣され制圧作戦への準備が整えられている。外交官や官僚を派遣し政治的な取りまとめなど隙はない。

 そしてインド共和国は協力はすれど、チベットの保護をという形で干渉地域にするため、英国連邦ではあるがほぼ独自に動く。もちろん総意として多国籍軍の一員である行動であるが、人口という意味では宗国と正面から戦えるだけにその力はとても強い。



 日和見主義なブラジル

 第三世界の中でも有力な国家、今回の一件に置いて通常であれば行動は起こさないのだが、国籍軍への協力ということで米軍の指揮下に入っており、さらに部隊を派遣している第三世界の国家は多い。

 国際社会対宗国という形になってはいるが、それでもなお人口と元より蓄えていた膨大な物資の量と広大な大地、制圧には年単位の時間がかかるが世界の恨みはいまだに消えていない。


「宗国への支援を行っている在留外国人は、明確な人道支援ではない場合国外退去と致します」

「銀行口座の凍結については正式な物であり、戦争を過度に加速させる支援はできません」


 国民の中に隠れる事が出来ないよう世界は動いている。制圧と共に丁寧に丁寧に宗国と分断するよう、宗国の政府関係者や富裕層に懸賞金をかけ、公私と歴史ある家との分断を行った。

 国際社会に従う人格とそこそこの能力に法を守る意思を持つ者を優遇し、それ以外は一般として政治・要職には付けないと判断、表向きは戦後の内乱回避及び生物・化学兵器を製造した事による国際的監視強化とされているだけにやり口がうまい。

 そして第三世界も新たな植民地略奪だとは言わない。少なくとも生物兵器であるウイルス漏えいによって少なくない国民が死んだこと、そして僅かながら国の要職についていた者も助からず死亡している。憎しみはあっても哀れみなど持てはしなかった。例え彼等が憎いG7という者達の傀儡になろうともだ。




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