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43.1999年 各地紛争

 ほぼ動きはなく、地球と異なる歴史に進みながらも滅びないようにある程度の干渉が見られる。しかし地球と同じ歴史にしようと無理をしている様子もなく、ちゃんと管理していると言えるだろう。

 しかしいまだ任務完了したと通達が無いことから、いまだ管理能力の確認期間という事になる。



 米国

 アメリカの強権はこの星でも同様であり、世界の警察という体裁で世界各国に干渉をしていた。もちろん警察が居ない状況よりは随分と良いのだがその振る舞いが横暴過ぎた。2年も早くも9.11事件が発生、幸いな事は貿易センタービルへの突入ほど大規模な物はでなかったが、各地で旅客機特攻に抵抗した搭乗市民による墜落は10機にも及ぶ。

 英国情報部から何度もテロの危険性について訴え、3機こそ飛行中に犯人を抑える事こそ成功したがそれだけ、被害は甚大といえた。


「なんということだ、米国内でこのような」


 米国大統領は自国情報部や英国情報部などの情報から状況を把握し執務室に控えていた。

 ペンタゴン及びホワイトハウスへの突入を試みる旅客機を抑え、傭兵組織レーヴェンから複数の旅客機に人員を乗せて防いだのだがそれが精一杯とも言えた。2旅客機では鎮圧に失敗し墜落と共に戦死し外れの旅客機も複数引いている。


「ダイアカール による同時多発テロ、大使館襲撃と同一犯とは」


 大統領は情報部から纏められた書類に目を通し深いため息をついた後額に手を当てて目をつぶった。

 自国が当事国周辺で秘密行動する際に鍛えた現地兵士達の技術が伝わり、テロ組織中核として牙を剥きさらに民族として自主的に恨み辛みの募った上に教義が異なり、特に干渉の多かったことから悪魔と判断した米国に攻撃を行った。


 もちろん英国も秘密行動のために同様の手段を取ろうとし、歴代レヴィア伯として断固として反対し抑え込んだ。必ず牙を剥かれ短期的に手軽く安く済ませたようで、長期的に見て大赤字かつ手に負えなくなると。

 いくつかは強行されたがそのほとんどにおいて物理的にミグラント国が対抗したことで実行されず、正規の手続きや賄賂や外交的取引、そして軍の派遣による威圧で問題解決が行われた。

 その違いが英国と米国のテロの度合いに現れている。もちろん英国に向けてテロ行為を試みた組織も複数あるが、それも仕込みを兼ねて情報部員が非合法世界に入り込んでいる武器商人や非合法傭兵組織などからの情報で、裏の取り決めを破ろうとしている等で内部崩壊及び不審死によって防がれている。


「次のテロについての情報は?」


「まだ入っておりません。 ですが携帯対戦車火器については大きく流れており、T-54やT-55も少数ながら購入していったと他の武器商人から情報が入っております」


 元よりその為に非合法な裏社会に英国は態々組織を作り上げていた、裏社会の人間から見れば比較的穏健派で質が良い銃器を取り扱う兵器商人、表の兵器企業にもコネクションがあり大金が必要であるが一世代前の対空誘導弾も入手できるため大手でもある。


「これは、次の票集めが大変になるな。 だがその前に対処をしなければ」


 大抵の場合において非合法任務を行う列強国の暗部や傭兵組織が購入していくのだが、犯罪組織が購入すれば何が何処に流れたかを把握できる、事実完全にとはいかないが対空誘導弾を購入していった犯罪組織は把握されており、組織壊滅作戦が実施される際はフレアなど対策が用意された形で実行される事となる。その為の仕込んだ裏社会の組織であり、他の武器商人との交流から情報は確実に入っていた。

 そんな中、米国は世界に訴えテロ組織壊滅に向けて動いてしまい、明確に敵対者として認定され行動を始めている。そもそも米国のCIAが仕込んだ技術使ったテロ攻撃、米国はやり過ぎてしまっていたのだ。アフガニスタンへの対テロ組織侵攻作戦には米国が主力として対テロ部隊派遣の話がなされ、英国連邦もその一部隊として派遣を打診されていた。

 国連においても米国が優位な提案と共に決議を進め、有志連合を派兵する為の下地作りをしている。各国への交渉や侵攻のための物資集積などを進め、予定を変更するつもりなどなく米国のダイアカールに対する報復作戦はアフガニスタンという国家にダメージを与えようともテロ組織壊滅のために実行される。

 そんな状況であるため米国傭兵組織ベイラーも大規模派兵となり、M1エイブラムスなどは流石に供与はされなかったが装甲車などを大量にリースされ、アフガニスタン隣国であるパキスタンへ先行展開するよう命じられていた。



 英国

 英国はアフガニスタン派遣にはあまり乗り気ではなく、クウェートの穏健派を介した接触によって着実に危険分子や過激派などと穏健派や理性・金銭計算できる派閥との切り離しを試みており、英国傭兵組織レーヴァンも英国政府から護衛依頼で手一杯であると米国の依頼は断る状況にある。事実クウェートを介して穏健派との接触とはいえ安全とは言えず、だからといって兵士を連れて行けば話も難しい。傭兵であることが最低ラインであり互いの妥協ラインであった。


「ダイアカールとは我々でも難しい」

「我々としても接触するには危険すぎる為に……、手はありません」


 英国側としても出来る限り早く解決したいのだが、過激派の中でも特に急進派となれば穏健派からしても危険すぎる相手であり、伝手を通しての接触も相手が武断派でありさらに教義の判断も厳しい、事によっては商業活動を考えている派閥は異端者として排除されかねない。


「そうですか。 残念ですが」


 米国の言う簡単な掃討は難しいのは明白であり、米国のしてきたことは確かに安価で手早く効果もすぐに出た。だがその反動はとても大きく、テロ組織に力と攻撃する理由を与えてしまった。

 英国は多大な労力と予算を連邦や友好国に使っているので外交部が調整活動で人員も予算もかかり、技術・産業指導で連邦内での投資や貸し付けはかなり大きいことから影響力もまだある。

 確かに恨みを余り買われてはおらず、抗議活動やデモなどではあっても武力行使というところまではいかない。歴代レヴィア伯が主張し短期的な成果や費用よりも手間暇労力をかけた結果は確実に出ていた。

 嫌われている地域でも“極めて不愉快ではある”が武力で排除するほどではない。という判断をされる程度には、言ってしまえば理路整然と出て行けと言えば、英国は一旦は引き下がるために武器を向けるまでもないのだ。

 そしてそのように英国政府側が長らく振る舞ってきたからこそでもある。


「また何かあれば、顔繫ぎの件お願いいたします」


「えぇ、何かあればいつものルートでお伝えしますよ」


 穏健派としても主義や行動に関して一部同意はするのだが、安全に過ごすには過激派とは距離を取りたいのも事実、戦争や武力闘争では資源も物資も減るだけで何も得られない。時には過激な教義によって自らが被害を受けることもあるのだ。他国に介入されるのはとても不愉快ではあるが、生活を壊され尽くされるよりかは良い。

 情報は英国政府にも伝えられ、数年はかかるだろう大変な陸上制圧戦になる事は確実。そして制圧したところで終わらないだろうという予測が経つと、英国は派兵を避けたくとも米国から確実に圧力が来ることを予測し頭を抱えたくなっていた。

 派遣に向け英国連邦軍事会議が行われるが、英国のチャレンジャーⅡ戦車は市街地戦には向かない。あくまで対戦車・対装甲車・対陣地などを主要目標とした防衛向け戦車であり、建物や施設に籠る歩兵はさほど想定していないともいえる。もちろん市街戦改修プランなども考案はされたが実施はされなかった。

 レオパルト2A5や6系列ならばまだ対応できるバージョンなどもあるだろうが、根本的設計思想の差となる。


「チャレンジャーⅡDAは、さすがにだせん。 あれは試験中だ」

「連邦で出せるのはウォーリア歩兵戦闘車くらいなもの。 市街地戦に向けた装甲車両を用意していなかった問題が出てしまったか」


 チャレンジャーⅡDA(Ⅲデモンストレーション)のミグラント国からの押し付けに最初は困惑したものの、運用のし易さ・操作性の良さ・内部空間の充実・常にお茶に適した湯温を保つ専用ポットなど、快適性などいまでは王立騎兵大隊内での評判は良い。小さな改修要望もミグラント国が対応し毎年小さなアップグレードが行われていることもそれを後押ししていた。現在採用・運用試験も最終段階にあり、2年後にはチャレンジャーⅢとして正式採用と共にチャレンジャーⅡとの入れ替え開始も予定されている。まだ正式ではない戦車を出せるはずもなし。


「ウォーリア歩兵戦闘車の後継の開発計画の追加予算の計上をしなくては」

「正式採用までの繋ぎとして改修費も出さなくてはならない」

「次世代多用途共通化計画が中止になったのは問題だった。 共通計画のベースとなるために開発期間はかかるな」


「現状ではウォーリア歩兵戦闘車を出すしかあるまい」

「カナダとしてAVGPの生産について協力は出来る。 他国もある程度の生産に協力いただければ早急に製造できるかと」


 NATO共通弾薬という観点から世界は120mm滑腔砲で、態々120mm・130mmライフル砲弾を使用するのは宜しくないのだ。そもそも相手は戦車をほぼ持たない歩兵が主体となるテロ組織、即応性・展開性 そして携帯対戦車砲に耐えられる装甲、105mmライフル砲や20から40mm機関砲を装備した足が速く、丈夫な戦車や装輪車両が現場には必要であった。

 用意できる兵器の数が限られ、派遣するために発注をする上にいくらか生産ラインに余剰があるとはいえだ。終われば余剰となってしまう以上大量に用意できるわけもなく、英国連邦軍における派兵部隊に供与し運用できる範囲の策定など英国連邦軍の財務担当は苦労する事になる。




 英国連邦 会議

 英国では毎年連邦議会が行われ、所属国家の権利や防衛調整なども行われることから二週間と長らくかかる。しかし大規模な開発出資や投資なども決定される為、途上国は自らの国が指名されればその時の政権にとって大きな利となる。しかし極めてドライな数字と国勢から判断され、裏工作など意味もないために神に祈るばかりであった。

 普段はほとんど発言していないレヴィア伯であるが、今回議題の中には軍に関わるものがある、そして提出されたのは。


「9万9000トン級正規空母の建造許可をミグラント国が求めています」


 会議場はざわめきが広がる。9万トン級以上など米国でしか運用しておらず、そもそもそれだけ巨大な空母を建造するノウハウもドッグも存在しない。


「ミグラント国 レヴィア伯 発言を」


 議長に呼ばれ、発言の為に資料を手に立ち上がる。


「現在運用されている空母は限られ、当国が所有しているのは半世紀を超える空母もあります。 更新として9万9000トン級を受け入れられるドックの建造費、工作機械及び研究資金も出します。 各国で協力して頂きたい。 予算は95億ポンドとし、初期費用として10億ポンドを研究及び準備費用と考えております」


 良くも悪くもではあるが、それはとんでもない金額が動くことになる。それは英国連邦内にとっても関連産業は活性化し、多額の金銭によって政治的にも評価が高まり好意的活動であった。

 問題があるのは少なくとも建造費の半分を資産として預けられている銀行であり、苦しい出金であるがそれは巡って再び懐に流れ込んでくることでもあり、もちろん流れ込んでくるように企業努力する必要もある。


「BAEが主体となり研究開発を進めましょう。 ドックの増改築については用地の取得も並行いたします」

「工作機械の製造は分担するとしてだ。 それだけ大きいと作業員の監督者教育もいるな」

「機密を守れる熟練した溶接工も沢山必要だろう。 引き抜かれた代わりの溶接工を、技術教育の一環として各国から募集をかけるのもいいかもしれん」

「鉄鋼石は当国から安価にだそう。 精錬は任せたいのですが」


 英国連邦内で数年にわたり総額95億ポンドという経済を回す金額が流れる。それは主に造船や工業系に流れ込み、中流以下の労働者の懐は急激に暖かくなり財布の締め付けが緩くなる、そうなるように誘導しなくてはならないが英国本土で消費志向が高まると連邦全体でもかなり上向く。

 これを利用し自国の景気を上向かせるために会議場にいる面々は思考を巡らせる。


「就役は2008年とします。 知っての通りですが2004年には全ての準備を完了し、建造開始しなければ間に合いません。 何卒各国の迅速な協力を願います」


 あまりに研究・建造期間を長くした場合では金銭の流入量が少なすぎて貯蓄に回されてしまう。ミグラント国として空母を欲している事情もあるが、一応は経済活性化に向け定期的に貯蓄しているポンドの社会還元の一つ、景気が上向いてくれないと困る。

 大型空母の運用コストはとてもかかる。そして大型空母とはいえ運用できる艦載航空機は限られるが、それでも非常時に備え該当地域近くで待機させ、軍事的圧力による暴発を抑え込むのにはとても優れている。非常時や災害時において迅速な救援活動も行えるが、あくまでヘリなどの派遣に対して自由度が高いということでもある。




 1999年末

 英国では装甲車両の製造限界に現在達している。英国連邦は確かに巨大となり、各国に配備される英国製兵器の製造による外貨は多い。元より需要に対して供給力は十分であったのだが、気候災害と兵器の寿命と重なってしまったためだ。欧州の兵器会社の買収などでBAEは巨大兵器企業と化しても、一時的な需要に製造工場を増やしても赤字になるために緊急の発注があっても手が出せていなかった。英国連邦所属の中進国から発展途上国では欧州の高価かつ、購入条件が厳しい装甲車両の入り込む余地はないものの、安全のためには決して配備しないというわけには行かない。

 そんな中でベトナムと宗国の緊張が高まり、国境線に配備する陸戦装甲兵器を緊急で必要としていた。ベトナムはその気候と道路事情の関係から主にセンチュリオンMk14とMk15を採用し配備されている。しかしあくまで第二世代級の第一世代戦車、最大射程を持って先手を取る以外に他国戦車に優位性は全くない。

 宗国が次々と配備している第三世代戦車97式や99式など相手に優位性は皆無であり、105mmライフル砲では仕留めきれず信仰された場合一方的に破壊される危険性、あくまで陸戦は戦車など装甲兵器だけの戦いではないとはいえベトナム共和国軍と国民の不安は増していた。

 英国連邦軍の会議においてベトナムは購入についての打診をしたのだが。


「チャレンジャーⅠの売却は難しい所です」


 平和への重石としてチャレンジャーⅠ戦車を配備している英国連邦陸軍が少数駐軍こそされているが、あくまで指揮系統は連邦でありベトナム陸軍ではない。ベトナムという国家としての安全を確保するためには第三世代級を相手に出来る装甲戦闘車量を自前で用意したかった。

 チャレンジャーⅡは英国本土でのみ運用され、旧式となり英国連邦軍に譲渡されたチャレンジャーⅠ戦車は全数が重石として各地に配備され数に余裕はない。連邦所属のカナダでは独逸製のレオパルト2と1を独力で配備するなど、連邦所属とはいえ国家防衛の装備はあくまで自国で選択し賄うことが原則となっている。


「TMSとはいえ、予算から考えれば50両の配備も難しく数を導入する事は出来ないでしょう」


 ベトナムが提示している予算では連邦内価格で購入できるセンチュリオンでありそれをベトナム共和国は配備していたのだから。BAEシステムズのTMSとはいえそこまで安価ではなく台湾のように数を導入できるわけではなかった。台湾は事情もあるが対応モジュールとして新型砲塔とFCSを自前で製造を始め、本腰を入れられるほど重工業や先進技術をベトナムは持ってはいない。

 発展途上国から開発途上国へと遷移する中でベトナムは比較的国力はあるのだが、国力増強に注力している為軍事に避ける割合は決して多くないのだ。


「その価格でしたら、連邦内価格でもチーフテンが限界になるかと」

「チーフテンならば確かに中古価格として30両程度は改修を含めて用意できます」


 そんな中であったため、チーフテンを大量に保有しているミグラント国へと話が伝わった。ミグラント国も連邦所属国家、チーフテン戦車の連邦内平均価格での売却することは可能であった。

 戦争に向けた高品質の鉄材や部品を大量に使った戦車を1台製造するだけで価格は数百万ポンドに到達するが、程度に寄るとはいえ近代化改修であるならば100万ポンドから50万ポンド程度で可能であった。


 日本円にして一発3000万から5000万の対戦車誘導弾を二発か三発直撃させれば確かに4億から9億する戦車を破壊できるが、ほぼ同等の射程を持つが故に仕留めきれず場所が判明すれば応射で一個分隊5人程度が確実に死傷する。戦車や装甲車同士なら少なくとも一発か二発は耐える為に最悪撤退できるという精神的余裕は持てるが、前線の兵士が命を懸けて生身で挑むというような戦意を誰しもが持てるわけがない。

 戦車や装甲車が不要という人間は、戦場を知らないからこそ無責任に言えるのだ。もしくは前線で戦う兵士を人間と考えていない外道なのだろう。


 緊急ということで未改修のチーフテンがまずは30台の売却と輸送が行われ、訓練と並行しながら改修型の思索が開始された。

 売却と訓練が行われていてもベトナム共和国が感じている危険度は変わっていない。ただしそれでもベトナム共和国軍として精神的に自国でも対峙する事が出来る兵器を持っているという安心感があった。変わらず国境地帯は緊張してはいるが、一定以上の内政干渉に至る武力威圧は避けられる。

 侵略する可能性がある相手に対峙する事が出来る兵器がある、それだけでも現場の兵士にとっては安らぎと心の支えであった。

 よほど勇敢か能天気でなければ、銃を突き付けてくる相手に無防備で対峙しろとなどというのは日本人位なものだ。




 BAEシステムズ

 チーフテンMk9に向けた近代化改修計画が成されていた。


「改修ラインは既存のTMSのラインを流用できるでしょう」

「部品の一部供用も出来ると思いますが、装甲周りは外注の増加装甲の追加も考慮が必要だろう」

「砲は、L11から載せ替えが必要だ。 問題はどの型式にするかだが」

「TMSもそろそろ安価なL15型からL30型に更新し共通化すべきかもしれないな」


 カナダからの提案としてドイツのMEXAS(Modular Expandable Armor System:モジュラー拡張装甲システム)の書類がだされた。

・L型 軍用車両向け、小銃弾などに対する軽量な増加装甲。

・M型 HEAT弾(対戦車榴弾)やある程度の運動エネルギー弾への抵抗力を与える。RPGや30mmなど機関砲へ対する中重量な増加装甲。戦車砲にはさほど効果はない。

・H型 主力戦車専用であり戦車砲や対戦車誘導弾に対応する型式。

 安価かつ入手性がよく欧州との友好面を考え、BAEシステムズはドイツのIBD社と会議を行い部分的開発依頼をだすか検討を行っていた。若手主体の改修計画チームであるために、採用や検討は柔軟であり価格を抑えつつ共有化により性能向上を進めていた。


 そしてBAEシステムズでは同時期にチャレンジャーⅠも近代化改修計画が行われていた。

 チャレンジャーⅡが英国王立陸軍で標準化されることに伴い英国連邦軍へと移譲されたのだが、L11型とL30型では一部砲弾の共用が出来ない。砲の精度と材質から炸薬量を抑えなければL11型は耐えられず、その為に貫通力や射程が落ちてしまう。


「チャレンジャーⅠの改修は英国連邦陸軍の重石としての役割の強化となる。 決して気を抜かぬように」


 近代化改修は重要なプロジェクトとして若手ではなく熟練技術者が多く集められ、代表者が纏めの挨拶と共に会議が始められた。この成果によってチャレンジャーⅡをチャレンジャーⅢへと改修する際の参加者たちが担う役割と出世ルートが決まる。今後の自らの立ち位置に影響するため気持ちの入りようが若手主体のチーフテン改修とは異なり熱量は高かった。

 幸いTMSの海外生産型のL15ライフル砲とL11ライフル砲の弾薬は同じではあるのだが、チャレンジャーⅠを効率よく今後も運用し続けるのならば、120mmライフル砲弾薬の完全な共有化によるコストダウンや輸送の効率化が必要であった。そして近代戦車ならば簡易的だろうと戦術統制システムも搭載せねばならず、チャレンジャーⅡなどと連携できるように搭載も必要となる。チャレンジャーⅠ Mk4の近代化改修計画が始まった。

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