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#2

「花ノ宮!勧誘を今すぐやめろ!」

「またお前か、花ノ宮!」

「花ノ宮ァァァ!!!」





場所をこまめに変えながら勧誘をしていても、生徒会長に特殊なサーチ能力でもあるのかすぐに見つかってしまう。


転入してから2ヶ月、私は相も変わらず宗教勧誘をやり続けた。その結果、生徒会長だけでなく、生徒会の人達にも目をつけられていた。私が怪しいことをしていると必ず会長を呼ばれて連行し、毎度毎度反省文を書かされる。



反省文は書き終わったら生徒会長に見せ、許しを貰えたら帰宅許可が出る仕組みになっている。そして、今日も今日とて反省文を書いていた。



「花ノ宮、お前は文字を綺麗に書けるのに、頭は悪いんだな」

「ありがとうございます」

「褒めてないからな!お前、毎回ガタガタで語彙力がない、反省0の文章を読まされる俺の身も考えろ!」



頭の良い会長には、頭の悪い私の文章を読むのが辛いらしい。毎回酷い文を描き続けた後、会長の方が折れて帰らされるのが恒例になっている。



「はぁ……、お前中間テストの結果を見せてみろ。今日返された分で良い」

「分かりました。3教科だけですが」



通学鞄を漁り、少し皺のついた赤点スレスレの数学、古典、現代文のテストを生徒会長に手渡す。


実は私は勉強は大の苦手というか、嫌いである。勉強をしている暇があるなら、勧誘等の宗教活動をしていたい。そういった点から、私には学校があまり似合ってないように感じた。



「どうですか、上出来ではありませんか?」

「どこをどう見てそんな事が言えるんだ!あまりに低すぎて、言葉を失ったぞ!」

「私は満足しています。赤点は回避出来ているので」

「もっと危機感を持て、花ノ宮!」



心配するような、怒鳴るようなよく分からない声で会長は私に叫んだ。


赤点スレスレの点数をとっても、私を怒る両親はいない。それに、この世界はテストが全てでは無いのだから、こんな点数でも問題はないだろう。



「反省文を書く時間が無かったら、1時間ぐらいは勉強を頑張ったかもしれないです」

「お前が宗教勧誘しなければ、反省文を書く事も無かったぞ」

「くぅ」



流石の優等生である。口では負けてしまう。情けない鳴き声をあげて、止めていた手を再び動かして反省文を書き出す。



「両親には何も言われないのか」

「……言われません」



生徒会長には、孤児だという事実を知らせない方が良いだろう。きっとそれを知られれば、会長は困り果てるから。


やがて日が暮れ、『塾に行く時間だ』と会長がぼやいた。



「今日はもういい。帰る時は布教して帰るんじゃないぞ」

「分かりました」

「お前の分かりましたほど、信用出来ない言葉はない。俺が家まで送っていってやろう」



若干私を見下しながらそう告げる会長。しかし、孤児だとバレたくない私はすぐさま断りを入れた。



「嫌です」

「もうちょっと言葉を選べ、花ノ宮」

「今日はミャウロ教の集会あるので無理です」



そう嘘を付け足して断ると、不服そうな顔から、ドン引いた顔になったが会長は納得したらしく、その後は別々に帰宅した。


そうしてその帰宅途中で、ちゃっかり数軒の家に宗教勧誘してから、孤児院へと帰宅したのだった。

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