14.出会い
「ん~~ふわぁふわぁ。」
(起きたか?)
「あい、おあよーごじゃます。・・・?」
前を見る・・・白い。
右を見る・・・白い。
左を見る・・・白い。
後ろを見る・・・白い。
「・・・あ~れ~?」
(クスクス。顔を見たいのなら上だな。)
「かお?うえ?・・・・・。」
(ん?…やはり恐がらせてしまったか…? 私は、)
「ふぉーーーーーーー!!!!!
しゅごいでしゅ!
もしかちて》、あれでしゅかあれですか?
フェンリリュでしゅか?
ちがいましゅか違いますか?!?!?!」
(・・・・取り敢えず、落ち着け。)
私の上で跳び跳ねている。
とてもいい笑顔だが、転ばないでくれよ。
尾で、さりげなく支えるか…。
(そうだ、私は聖獣フェンリル。
よく知っているな。
大抵の人は、ホワイトウルフと間違えるが。)
「まちがえましぇんよ!!!
おーきぃでしゅね!
ふわふわでしゅね!
キラキラでしゅね!」
(・・・・・私に会えて喜んでいるように見えるのだが。)
「はいっ!嬉|ちいでしゅよ!もちろんでしゅ!
・・・でも、くびが、いたくなってきましちゃ。」
(すまん、これでどうだ?)
体勢を低くするため、伏せをする。
「ありがちょーございます。
あの、どーして、いっしょに、いたのですか?」
(こてん)
(・・・・・。)
「あの、こちょば、分かりましゅか?
聞きとりにくいですよねですよね…ごめんちゃい。」
(あ、いや、違うんだ。
見惚れてしまっただけで。)
上目遣いで首を傾げちゃいかんだろう。
可愛すぎる。
(すまん、言葉は分かるぞ。
話しにくいか?
なら、心の中で話すといい。)
「こころ?
(あ~きこえますか?)」
(あぁ、聞こえるぞ。)
「(おー凄い!なんで!?念話?)」
(念話とは少し違うな…話が少しややこしいが聞くか?)
「(ん~簡単にお願いします。)」
(う、うむ。承知した。
この世界には魔素があり、生きた物には魔力が備わる。
その魔力は一人一人、それぞれ少しずつ違っていて、全く同じ魔力を持ったものはいない。
ここまでは、理解できるか?)
「(はい、何となく。)」
(・・・続けるぞ。
その魔力が、ごく稀に波長が合うものがいる。
波長が合うと、惹かれ合ったり、言葉を通じることが出来るという。
私たちは、波長が合ったのだ。)
「にゃるほじょ~
あ、
(だから、こうして心で話せるのですね?)」
(あぁ、そのとおりだ。)
「(何となくですが、理解しました。それで、どうしてここに?・・・・・私を…食べに…?)」
(はははっ。先ほど言ったであろう、惹かれ合うと。
そなたの魔力に惹かれたのだ。
だから、来た。)
「(・・・よかったー、
今更ながら、食べられるのかと焦りました。)」
(食す者と話しなどしない。
この森は危険だ。
しかも、この湖は特に強い魔獣が来る。
だというのに、結界も張らず寝るとは…。
それこそ、食べてくれといっているようなものだ。)
「(うぅーごめんなさい。
寝る前まで、記憶がなかったのです。
興奮してたいし、すっかり忘れてました。)」
(ん?記憶がなかった?今は思い出したのか?)
「(はい!
寝てる間に夢で神様に会って、記憶を戻してくれました。)」
(ん?神??どういうことだ???)
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