#74:学校創設②
「よし、今回からは魔石や素材を含む設備の増加及び増強に加えて学生に必要な机と座席を余分に用意します!余った席は職員専用倉庫内にて備蓄するように!」
「「「宜しくお願いします!」」」
次の日、俺とシアンは再びシロウの居る建設現場へと足を運んだ。
外装の方は既に仕上がっており、残るは内装のみとなった。
「おーい!現場監督!依頼されたモンは全部出来たぜ!」
「ドワーフの皆さん、ありがとうございます。これで手間が省けた」
ドワーフ、グッドウィズ魔導神界国に位置する魔王の居る領の一部の種族。
工芸や備品作りなど多彩に渡るモノ作りの種族。
今回はそんな彼等ドワーフ達にシロウは組み立て式の机と椅子を用意するように彼等に依頼をしていた。
「成程、儂らが意図的にやった複雑な形はパーツ同士の組み合わせになるのか」
「そう。人間でも出来る人が限られているから大体はこのパーツ同士をくっ付けるだけで済ませるんだよ」
木材製である為、ピッタリ嵌っていれば万が一運び出す時にまたバラバラになる事故を防げれるらしい。
シロウとユウカの元の世界ではそれを利用して頑丈な家づくりをする人も居ると言う。
「・・・ん?スマン!ここハマらないんだが?」
「あぁ、そこは――――」
俺はシロウのその教える姿を見てディーノの隣で腕を組んでいるユウカに声をかけた。
「よくよく考えたら・・・指導者に向いていると思わないか?」
「あっ、やっぱりそう思いますか?師匠」
彼女が言うには誰よりも人一倍教えが上手く、教えて貰った人は必ず高得点を取り易いんだとか。
「それで先生達が急激に難しい問題だしたりしたんですけど・・・」
「彼の教えのお陰で難無く突破を果たしたのか」
「凄いな」
ディーノは何か思いついた表情をした。
「年々魔族も知力が低下している。彼の元へ派遣して指導して貰えばウチの魔族も優秀になるのではないか!?」
「それも良いけど・・・悪用は駄目よ?ディーノ♥」
笑顔でそう言う彼女にディーノは表情をコロコロ変える。
「お前ら仲良いな」
「それは先生もじゃないですか」
確かに、暫くはシアンとイチャイチャが長く続いている。
「実はな・・・どのタイミングで結婚式をしようか考えてんだ」
「そうなんですか?!」
丁度食事を作っていたシアンが戻って来た。
白髪で仮面の男を連れて。
「おっ、先輩?!」
「やぁ、セヴンス・・・いや、何か今の君は違和感だらけだな」
まだ転生する前にカナンを紹介してくれた上位神の一人で遊技神カラティク先輩である。
「今、俺等の故郷は下界して留学するって言うのがあってね」
「あ~、あの爺さんが考案したんですか?」
因みにシアンと来たのはちょっとした理由だそうだ。
「シーナも連れて来たんだ」
「・・・もしかして」
カラ先輩は頷く。
「彼女にも伝えておいたよ。神々は一刻も早く美徳の女神を復活させたいからね」
「そう言えば・・・シアン、あのリングはあるのか?」
「えぇ、常に持っているわ」
先輩の前でその空のリングを出す。
「シーナ、リングと彼女と一つに」
「分かりました。先輩」
先輩と一緒に来たシーナはシアンの手を取って片手にあるリング達に手を重ねる。
すると――――リングと共に彼女達が輝き始めた。
「美徳の女神よ、今こそ条件は整った!彼の元へ復活なさい!」
先輩がそう言うと姿形の変えた――――いや、全てが変わった元の姿の懐かしき人が舞い降りて来た。
他三作品もございます。
良ければぜひご愛読くださいませ。
・「オメガ~追放者の絶対支配~」
・「シヴァ~精霊達に愛された精霊魔導皇~」
・「ジョーカー~長生きな転生者、実は最恐の大賢者~」




