#64:新生女勇者パーティーの帰還①
「え?新しい勇者パーティーがウチに?」
今日未明、ある朝に届いていた新聞をメイド達が見たらしく彼女達がその新聞を見た時以降から忙しく掃除や洗濯やらで家事に集中して大忙しだった。
「えぇ。新聞の方に載ってます」
「どれどれ・・・あぁ~成程ねぇ~」
その新聞は各国に点在している各支部に所属の新聞部があり、王家御用達とされている。
そんな彼等は時折王族からの依頼で新聞を製造して配達する事があるのだが・・・
「縦読み暗号だな」
「縦読み暗号?」
新聞紙の一面に普通の出来事が書かれている箇所を“縦”に並べてで読むと―――
「『王命により、勇者一行は其方へ来たれり』」
「あっ、ホントだ」
勇者と言うのは異界から来た存在だったりこの世界のどこかで生まれた希少な存在だったりする。
王族としては貴重な存在故に大事に扱う為、扱いに関しては少し手厳しくして貰っている。
「リィア、アラン達に連絡を頼む」
「分かりました」
リィアが別件で不在の間に他のメイド達に聞いてみた。
「今現在の勇者御一行ですか?」
「おう、俺の居たアランパーティーはだいぶ前に解散したからな今回はどうかと思ってな」
勇者の報せが来るとしたら今度は魔王の存在だ。
魔王は世界を滅ぼす力を持っており、そこそこ居る冒険者では最低でも歯が立たないのだ。
だが勇者パーティーであれば魔王軍など勝てない存在ではない。
故にアクラに聞いてみた。
「そうですね・・・確か女の・・・いや、女の子が主軸の勇者パーティーですね」
「そう言えば数十か月前の新聞に載ってたな」
当時の新聞に載っていたメンバー構成は男子三名と女子三名の6人の主軸らしい。
「ご主人様、転移魔法で直ぐに来るそうです」
先程席を外していたリィアが戻って来た。
丁度の同時タイミングでアランとシーナとグレイ、ニャイとヴィーナの全員が転移魔法で集まり揃った。
「俺んとこにも新聞来てたから丁度向かう所だったよ」
「そうか、それなら・・・他の四人も?」
アラン以外のメンバーにも聞くと、四人全員が頷く。
「さて、そろそろかね?」
「じゃ無いかしら?」
アラン達にも双方に置いてある背凭れのある長椅子に座って貰い、少し遅いタイミングで玄関のチャイムが鳴る。
『御免下さ~い』
「少々お待ちください。今行きますね」
リィアが代わりに玄関へ行き応対して貰う。
そして例の噂の新人勇者パーティーが入って来る。
「おっ、お邪魔します!私、別の世界から来ました!ユウカ=シオンです!」
「やぁ、待っていたよ。ささっ、座って座って」
俺はその場に置いてある椅子に座るよう促し、彼女達を座らせる。
「紹介状はあるかい?」
「はいっ!こちらに!」
勇者であるユウカと言う女の子は鞄と言われる手軽な背負い袋から王国の紹介状を出す。
「ふむ・・・分かった。取り敢えず君達を鍛え上げるとしよう(しかし、今現状居るのは五人だけか)」
そして、勇者パーティーの中に一人だけ顔見知りの人が居た。
「ウィルティナさん、合流したんだ?」
「えぇ。国からの勅命で彼女達と合流しました」
勇者以外の男子二人と女子一人がアラン達と修行名目で先に外に出る。
「そうか、それじゃ・・・キミはヴィーナとアランに力を付けさせて貰ってくれ」
「分かりました。失礼します」
そして女勇者を一人残した俺は彼女にとある質問を投げた。
他三作品もございます。
良ければぜひご愛読くださいませ。
・「オメガ~追放者の絶対支配~」
・「シヴァ~精霊達に愛された精霊魔導皇~」
・「ジョーカー~長生きな転生者、実は最恐の大賢者~」




