表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
セヴン~大罪の力を使うギルド職員~  作者: ユウタ
第五章【商業小国クライム編】
62/93

#57:VS合成魔獣ヴリドラ

「グルルルゥオゥンッ!!!!」


その魔物は恐ろしい程の(いなな)き声を上げ、攻撃態勢に入っていた。

合成魔獣――――キメラと呼ばれていたその魔物は魔法や物理のどちらかのダメージを無効にする偏りがあると昔住んでいた場所の書庫で見ていた。


「彼等の言っていた通りの姿だな・・・ベリヴェラ、行けるか?」

『もちろんよ怠惰の魔物とされる私のメンツも掛かってるんだから!』


もう一体が来る前までに目の前の合成魔獣を倒す事にした。


「行くぞ――――【傲慢召喚プライド・サモン】ッ!【怠惰の人馬(ベリヴェラ)】ッ!」

「お待たせぇ~この(わたくし)ベリヴェラおネェさんが・・・貴様を(じき)に潰してやるぜぇッ!」


本気の状態で出てきベリヴェラの馬体に乗り


「行くぞッ!」

「分かったわボスッ!!!」


そのまま突撃をする。

片手に持っている槍でベリヴェラが突進し、その反動で俺は空中にわざと身を投げる。


「グルルルゥオッ?!」

「逃がさなわ・・・よッ!」


ベリヴェラはキメラの持っている武器を楯と槍で流し、更にタックルを決める。

空中に居た俺は片手を構えて


「ベリヴェラ、避けろッ!【暴食悪食(グラトニー・バイク)】ッ!!!」

「了解ッ!!!」

「グルルルゥオッ!?」


そのまま片腕が魔物の状態でキメラの真下まで落下して食い散らかす。


「―――――――ッ!!!!!」


キメラは声を上げる事無くその場で消滅した。


「・・・後一体は?!」

「おかしいわね、さっきから気配が無いわ?」


取り敢えずベリヴェラには指輪の中に戻って貰い、元の状態に戻っている俺は周囲を見渡す。


「――――よう、兄ちゃん。さっき見てたけどスゲェな」

「――――!貴方は・・・総括支配人?!」


総括支配人とは―――――全て職に携わるギルドを総括し纏め上げる中心人物の役職を言う。


「お嬢さん方が走って行くのを見かけてな途中で似ていたヤツと抗戦してやっと勝てたわ」

「いや、貴方程度のお人なら指一本で生命線絶たせるでしょうに」


総括支配人は昔から本気を出す時以外は基本的に自分から手を出さない人間である。

それはもう全てのギルドの代表達が頭を下げる程に。


「んで?洞窟(ナカ)はどうよ?」

「約一名のみ瀕死(ひんし)の状態で生死を彷徨っている状態です」

「成程ね、中級程度の毒か・・・毒草は?」


洞窟内に入りヴィーナは総括支配人に手渡す。


「お爺様、さっさとやって下さい」

「俺の扱い・・・・」


ヴィーナに雑に扱われる総括支配人はしょんぼりするが、切り替えて手に持っている解毒薬を魔法で改良する。


「セブン、上体を起こして口を空けさせてくれ」

「分かりました」


俺は指示通りに傭兵団リーダーの上半身を起し、少し無理矢理口を開ける。

総括支配人は改良した解毒薬を傭兵団リーダーの口の中に入れる。


「――――カハッ」

「よしっ息が吹き返したぞ!」


傭兵団のリーダーが解毒薬で体内にあった毒が消えてようやく復活した。


「行商団のメンバーの中で高級質のある馬車持ちは居ないか?!」

「わっ、私が所持しています!」


傭兵団のリーダーを寝かせたまま、フカフカな質の良い馬車を用意し、総括支配人がその男を寝かせる。


「今から向かうにも時間が掛かる・・・」

「俺の持つ転移魔法でなら目的地周辺まで転移できます」


俺が自ら立候補し、馬車の御者席に座って総括支部長が自ら病人の近くに座る。


「ヴィーナ、お前も乗れ。他の連中はニャイの指示に従って安全確認を取って動きなさい」


総括支配人の指示によりそれぞれ全員行動し始めた。


「シアン、ニャイと一緒に頼む。俺の職員カード見せれば直ぐに対応するはずだ」

「分かったニャ!」


怪我人である傭兵団リーダーと治療にあたったヴィーナと総括支配人を乗せてそのまま聖導教国へ転移する。


「お迎いに上がりました!直ぐに担架乗せます!」

「おう、頼む!」


取り敢えず一通り終えて、やっと落ち着いた。


「支配人、宜しいでしょうか?」

「おっ、落ち着いたか」


後から急いで来たレピアと治療に携わったプリス教皇猊下の手腕で取り敢えず魔法による治療は終わった。

取り敢えず傭兵団のリーダーは今の所、安静にしているらしい。

※この作品以外にも2作品(曜日(ごと)に)投稿しています。良ければぜひご愛読くださいませ。

・「オメガ~追放者の絶対支配~」

・「シヴァ~精霊達に愛された精霊魔導皇~」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ