表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
セヴン~大罪の力を使うギルド職員~  作者: ユウタ
第三章【海上公共国クレイス編】
41/93

#38:海上公共国からの帰還。

【|GYAZGU.GREGORY.1970-1995.The age of his age 25(ガズ=グレゴリー、1970年から1995年。享年25歳).】

国王の粋の計らいにより、彼が構えていた拠点の家の近くに専用の墓地を設けて貰った。


「マリオン国王陛下、(ガズ)の為に用意していただき、ありがとうございます」

「なぁに、彼は海上公共国屈指のS級冒険者だ、これ位やっておかないと彼が思い浮かばないのでな」


マリオン=クレイス、海上公共国クレイスを治める国王にして唯一海産物産業の事業を展開した実業家の王様とも言われている。

海産物以外にも海に生成される岩塩を削って生産加工した塩などの調味料も海上公共国クレイスで生み出した。


「それと・・・ガズと同様に君にも心から感謝したい。有り難う、海上公共国を救ってくれて」

「マリオン国王・・・俺だけじゃないさ」

「アチシ等冒険者みーんな住む人々と国王陛下の為に必死に頑張って来たにゃッ!だからせめて・・・みんなに感謝してくれにゃ」


マリオン国王が微笑み


「そうだな・・・冒険者諸君。国の代表として礼を言わせてくれ、本当に・・・ありがとう」


葬式の後、マリオン国王と少し話をして現在俺が住んでいる家の在る王国にまで海産物や調味料を特別に取り扱う行商人のルートを大幅増やして貰った。

一緒に立ち会った海上公共国のギルドマスターであるライビットさんも話を交えて今後どうするか話し合いをした。


「――――って事だから万が一でもランク自惚れずに周囲に気を配れる事が出来る冒険者を今後増やした方が良いと俺は思う。こんなご時世だからこそ頑張っている若者が一番増えて欲しいかな?」

「ふむ、やっぱりか・・・あまりこの公共国に来る観光客はおろか冒険者も多くはないんだよなぁ」

「そうですね、今までのアレがあったから・・・・」


ライビットは意を決意し


「まだこれからやる事はあるんだ、アタシが何とかするよマリオン様」

「・・・ふっ、やはり君は頼もしいな。よし分かった。出来る限り自分も手を貸そう」


話は纏まり、一度王国へ帰る支度をしに宿に戻った。


「―――で、二人共。ついて来てくれるか?」

「勿論ニャ。ディーナと真面目に話し合って決めたにゃ!」

「ギルドの方も・・・宜しくお願いしますね」


俺は頷き、宿の主人にチェックアウトをして外に出た。

門前まで3人で行くと―――リィア達が馬車を用意して待っていた。


「おっ、荷台がしっかりしている方か」

「あぁ、アタシとフレアが御者すっから御主人達は荷台で休んでなよ」

「分かった。助かる」


俺はそう言ってヴィーナを前にして隣にボルカ、真ん中にニャイと隣にアクラを乗せる。

最後に俺が乗って荷台の扉を閉めた。

俺が乗った事で御者の席にリィアとフレアが座って馬に指示をし、動き出した。


「大罪の女神トリニティア、の“実兄(あに)”ニャッ!?」

「トリニティア様には御兄妹が居るとは聞いたけど・・・名前までは聞いて無かったわね・・・」

「前世での俺の本当の名前が【大罪の神セヴンス】らしくてな、袋に入れてある宝玉の記憶から読み取ってそれが俺の正体だって事がよく分かったんだ」


幼少期に度々にふと何か思い出しそうで思い出せない、そう言った事が何度かあったので丁度5つ目まで攻略出来たのは有り難いし調査も出来た。

事前にトリニティアから連絡は貰い、戦犯として罪を犯した嫉妬の大罪者(レフィアン)は現在トリニティアから力を取り上げられ厳しい監視下の元で暫くは軟禁生活だろうと言う事を聞いた。


「・・・そう言えば門番さんどっかで見た事あるなぁと思ったら王国にある奴隷商人の支配人の人と顔がそっくりだったな」

「アルデラさんニャ?確かに“弟から話は聞いた”ってすんなり通してくれたにゃね」

「そーいやぁあたしもビックリだったわ、ご主人様も顔が広いんだな」


流石に奴隷商人とのパイプを増やした覚えは無いが・・・いつの間にか名前と素性で知られていたらしい。

お陰で助かったけど。


「ニャイたちは向こう着いたらどうすんだ?活動する為の軍資金はあるか?」

「勿論ニャ!」

「念の為にと思って取っておいたんです。私とニャイで共同生活を始めようかと」


彼女達はそう言って腰につけているベルト付きのポーチを触る。

そのポーチは特殊な次元に繋がって居る為、長期保存も出来る(すぐ)れモノらしい。


「リィア達は俺と俺の彼女が住んでる家で住み込みで良いな?」

「勿論です。ご主人様」


俺は少し仮眠を取る為に荷台の壁に寄りかかって寝た。

数分後、荷台がガタンと小石を踏んだタイミングで目が覚めて


「ニャイ」

「分かってるニャ。【雷の雨(サンダーレイン)】」


草原や森に盗賊が紛れ込んでいると気付いた俺は盗賊の足音に気付いたニャイに指示を出した。

彼女は雷魔法を出して周囲の隠れている盗賊を撃破した。


「【強欲強奪グリード・スナッチ】【嫉妬捕縛エンヴィー・ワイパー】」


雷魔法で気絶した盗賊達を魔法の特殊繊維で編んだ縄を使って能力で引き寄せた盗賊達を縛って束にして貼り付けてから再び動き出し王国へ到着した。

盗賊は憲兵に突き出してそのまま門を潜り抜けた。

※この作品以外にも2作品(曜日(ごと)に)投稿しています。良ければぜひご愛読くださいませ。

・「オメガ~追放者の絶対支配~」

・「シヴァ~精霊達に愛された精霊魔導皇~」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ